高木美帆、本命1500mで涙の6位 ミラノ五輪悲願の金届かず
はじめに
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックのスピードスケート女子1500mが、2月20日に行われました。世界記録保持者であり、この種目で過去2大会連続銀メダルを獲得してきた高木美帆選手が、「3度目の正直」で悲願の金メダルを目指して臨みました。
しかし結果は6位。大本命と目されながらも、オランダのアントワネット・ライプマ=デ・ヨング選手に金メダルを譲る形となりました。今大会では500m、1000m、団体パシュートで銅メダル3個を獲得し、通算オリンピックメダル数を日本女子最多の10個に伸ばした高木選手。その偉業と、本命種目での結果を振り返ります。
高木美帆のオリンピックでの歩み
バンクーバーからミラノまで16年の挑戦
高木美帆選手は1994年、北海道幕別町に生まれました。中学3年生だった2010年のバンクーバー五輪に15歳で出場し、日本スピードスケート界の歴史にその名を刻みました。若くして世界最高峰の舞台を経験したことが、その後の飛躍の土台となっています。
2018年の平昌五輪では1500mで銀メダル、1000mで銅メダルを獲得しました。さらに2022年の北京五輪では圧巻のパフォーマンスを披露。1000mで五輪新記録となる1分13秒19をマークして自身初の個人種目金メダルを獲得しました。加えて1500mと500mで銀メダル、団体パシュートでも銀メダルを手にし、1大会で4個のメダル獲得は日本人冬季五輪選手として最多記録です。
世界記録保持者としての重圧
2019年3月、米国ソルトレイクシティで高木選手は1500mにおいて1分49秒83の世界記録を樹立しました。この記録は2026年現在も破られておらず、名実ともに世界のトップに君臨する存在です。
平昌では銀、北京でも銀。世界記録を持ちながらも、1500mではオリンピックの頂点に立てていませんでした。「3度目の正直」を期す今回のミラノ五輪は、高木選手にとって集大成とも言える大会だったのです。
ミラノ五輪1500mレースの展開と結果
攻めの滑りも終盤に失速
2月20日、日本時間24時30分に始まった女子1500mの決勝。高木選手は最終15組に登場し、序盤から攻めのレースを展開しました。最初の300mを24秒台で入り、中盤もスピードを落とさずに滑走。1100m通過時点では全体2位のタイムで走っていました。
しかし、ラスト1周で失速。最終的なタイムは1分54秒86で、6位に終わりました。レース後、高木選手は涙を流し、「攻めるレースをしたけど…」と悔しさをにじませました。リンクに向かって深々とお辞儀をする姿が、多くの視聴者の心に残りました。
デヨングが金メダルを獲得
金メダルを手にしたのはオランダのアントワネット・ライプマ=デ・ヨング選手で、タイムは1分54秒09でした。高木選手とのタイム差はわずか0秒77ですが、レース展開の中で終盤の持久力に差が出た形です。
日本勢では佐藤綾乃選手が1分58秒36で22位、堀川桃香選手が1分59秒33で26位という結果でした。世界記録保持者の高木選手をもってしても、オリンピック本番の独特な緊張感の中で力を発揮することの難しさが浮き彫りとなりました。
今大会の高木美帆を振り返る
銅メダル3個、通算10個の偉業
1500mでは悔しい結果に終わった高木選手ですが、今大会全体を振り返れば、その活躍は特筆すべきものです。500m、1000m、そして団体パシュートの3種目で銅メダルを獲得しました。これにより、オリンピックの通算メダル数は10個に到達しています。
この10個という数字は、夏季・冬季を通じた日本女子選手の最多記録です。冬季五輪に限っても日本選手として初めて2桁のメダルを達成しており、高木選手の偉大さを改めて証明する金字塔となりました。
「いろんな感情を味わった大会」
高木選手自身、今大会を振り返り「いろんな感情を味わった大会だった」と語っています。銅メダル3個の喜びがある一方で、最も力を入れてきた1500mで頂点に届かなかった悔しさ。この相反する感情が、4大会にわたるオリンピック挑戦の重みを物語っています。
バンクーバー、平昌、北京、ミラノと4大会連続出場を果たし、積み重ねた10個のメダルは、日本スピードスケート史に燦然と輝く記録です。
注意点・今後の展望
世界記録と五輪金メダルの壁
スピードスケート1500mは、世界記録保持者であっても五輪本番で勝てるとは限らない種目です。高木選手の世界記録はソルトレイクシティの高地リンクで樹立されたもの。標準的な標高のリンクでは記録が出にくい条件もあり、レース展開や当日のコンディションが大きく結果を左右します。
五輪独特の緊張感の中で、4年に一度の大舞台にピークを合わせることの難しさを改めて感じさせるレースでした。
高木選手の今後に注目
レース後に「挑戦は終わった」と語った高木選手。今後の競技続行については明言を避けていますが、31歳という年齢を考えると、次の2030年フランス大会への出場は容易ではありません。ただし、これまでも幾度となく壁を乗り越えてきた選手だけに、今後の決断が注目されます。
まとめ
ミラノ五輪スピードスケート女子1500mで、高木美帆選手は6位に終わり、「3度目の正直」での金メダル獲得は実現しませんでした。しかし、今大会では銅メダル3個を獲得し、通算オリンピックメダル数を日本女子最多の10個に伸ばすという偉業を達成しています。
世界記録保持者として臨んだ最も得意とする種目での悔しい結果でしたが、16年にわたるオリンピックでの挑戦は、日本スポーツ史に残る輝かしいものです。高木選手の今後の動向に引き続き注目していきましょう。
参考資料:
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