高市首相が国会冒頭解散へ、2月8日投開票を軸に調整

by nicoxz

はじめに

高市早苗首相は1月14日、自民党の鈴木俊一幹事長と日本維新の会の吉村洋文代表に対し、23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散する意向を伝えました。投開票は2月8日を軸に調整が進められています。

2月の衆院選は36年ぶりとなります。高市首相は発足以来70%台を維持する高い内閣支持率を背景に、与党の議席増を目指す考えです。しかし、2026年度予算案の成立が4月以降にずれ込むことへの懸念や、解散の大義を問う声も上がっています。

本記事では、今回の解散判断の背景、予算審議への影響、そして選挙の見通しを解説します。

解散と選挙日程

2月8日投開票が軸

報じられている選挙日程は「1月27日公示、2月8日投開票」と「2月3日公示、2月15日投開票」の2案が軸となっています。首相は1月19日に詳細を説明する予定です。

23日に解散し2月8日投開票となれば、解散から16日間の短期決戦となります。これは2021年の岸田文雄政権時の17日間を下回り、戦後最短記録を更新する見通しです。

36年ぶりの2月選挙

2月の衆院選は1990年以来、36年ぶりとなります。通常、衆院選は4月の統一地方選挙や、予算審議を避けた時期に行われることが多く、厳寒期の2月は異例のタイミングです。

「冒頭解散」とは、国会召集後すぐに衆院を解散する手法で、過去にも例があります。ただし、予算審議が本格化する1〜3月に解散を行うことは、政治的には避けるべきとされてきました。

解散判断の背景

高い内閣支持率

高市首相が早期解散に踏み切る最大の理由は、高い内閣支持率です。日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査によると、高市内閣の支持率は12月時点で75%を記録しています。

2025年10月の内閣発足以来、支持率は70%台を維持しています。20代から40代の若い世代での支持が特に高く、前政権で離れていた層を取り戻しているとの分析もあります。これは長期政権を築いた小泉純一郎政権や第2次安倍晋三政権の初期と似た傾向です。

参院での「ねじれ」解消

現在、自民党と維新の会の衆院会派の議席は合計233で、過半数ぎりぎりの状況です。一方、参議院では与党が過半数を確保できておらず、「ねじれ国会」となっています。

参院選は2025年7月に終わったばかりで、次の通常選挙は2028年です。首相は衆院選で与党の議席を増やし、政策の推進力を高めたい考えです。

野党の準備不足を突く

早期解散には、野党の選挙準備が整わないうちに勝負をかける狙いもあるとみられています。立憲民主党と公明党は統一名簿方式や新党結成を協議していますが、短期間での調整は困難です。

ただし、この「抜き打ち解散」的な手法には、与党内からも「独断専行」との批判が出ています。

予算審議への影響

年度内成立は困難に

通常国会冒頭での解散は、2026年度予算案の審議日程に大きな影響を与えます。予算案は通常、2月から国会で審議が始まり、3月末までに成立することで4月からの新年度に間に合わせます。

しかし、冒頭解散となれば予算審議は選挙後にずれ込みます。選挙後の新たな国会での審議開始となるため、年度内(3月末)の成立は事実上不可能です。予算成立は早くても4月以降となる見通しです。

暫定予算の可能性

年度内に予算が成立しない場合、政府は暫定予算を編成して対応することになります。暫定予算は必要最小限の経費のみを計上するもので、新規事業や政策的経費は盛り込めません。

物価高対策など国民生活に直結する施策の執行が遅れる可能性があり、野党からは「経済と国民生活をないがしろにする」(公明党・斉藤鉄夫代表)との批判が出ています。

過去最大規模の予算

2026年度予算案は一般会計総額122兆円と過去最大規模です。高市内閣は「責任ある積極財政」を掲げ、物価高対策や成長投資に予算を振り向ける方針を示してきました。

補正予算も2025年度に18兆円超を計上しており、財政規模の拡大が続いています。予算成立の遅れは、これらの政策執行にも影響を及ぼします。

高市政権の経済政策

総合経済対策の3本柱

高市首相は2025年10月の就任直後、3つの柱からなる総合経済対策の策定を指示しました。

第一の柱は「生活の安全保障・物価高への対応」です。電気・ガス代やガソリン代の負担軽減、子育て世帯や中所得者層への支援が含まれます。

第二の柱は「危機管理投資・成長投資」です。半導体や先端技術、エネルギー、食料、防災といった国の安全や産業基盤の強化に直結する分野への投資を拡大する方針です。

第三の柱は「防衛力と外交力の強化」です。安全保障と経済政策を一体として捉え、外交・安全保障環境への対応を進めます。

「年収の壁」見直し

高市首相は国民民主党の玉木雄一郎代表と会談し、所得税の課税が始まる「年収の壁」を現行の103万円から178万円に引き上げることで合意しました。この政策は選挙戦でもアピールポイントとなる見通しです。

各党の動きと選挙の見通し

与党の議席目標

自民党と維新の会は現在、衆院で過半数ぎりぎりの233議席を確保しています。選挙では安定多数の確保を目指すとみられますが、具体的な議席目標は示されていません。

高市首相の高い個人人気が与党候補の追い風となる可能性がある一方、自民党自体の支持率は2〜3割台にとどまっており、内閣の人気が必ずしも与党の支持に直結していない状況です。

野党の連携

野党側では、立憲民主党と公明党が統一名簿方式や新党結成を視野に協議を進めています。しかし、短期間での調整は難航が予想されます。

国民民主党は独自路線を重視する姿勢を示しており、野党の足並みは必ずしも揃っていません。各党がどのような選挙態勢で臨むかが、選挙結果を左右する要因となります。

争点

選挙の争点としては、物価高対策と経済政策、政治改革(政治資金問題への対応)、外交・安全保障政策などが想定されます。また、「冒頭解散」という判断自体の是非も議論になる可能性があります。

まとめ

高市早苗首相は1月23日召集の通常国会冒頭での衆院解散を与党幹部に伝え、2月8日を軸とした選挙日程で調整が進んでいます。75%という高い内閣支持率を背景に、政権基盤の強化を図る狙いです。

一方で、2026年度予算案の年度内成立は困難となり、物価高対策などの政策執行への影響が懸念されています。「経済と国民生活をないがしろにする」との批判に対し、首相がどのような説明をするかが注目されます。

36年ぶりの2月選挙、戦後最短となる可能性のある短期決戦。有権者は限られた時間の中で、各党の政策と候補者を見極めることが求められます。

参考資料:

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