AirTag第2世代が発売、探せる距離が50%拡大
はじめに
Appleは2026年1月26日(米国時間)、紛失防止タグ「AirTag」の第2世代となる新モデルを発表しました。2021年の初代発売から約5年ぶりとなる待望のアップデートです。
新しいAirTagは、探せる距離が50%拡大し、スピーカー音量も50%向上。さらに、Apple Watchでも「正確な場所を見つける」機能が利用可能になりました。本記事では、AirTag第2世代の新機能と初代との違い、そして気になるプライバシー対策について詳しく解説します。
AirTag第2世代の主な新機能
探せる距離が50%拡大
AirTag第2世代の最大の進化点は、探索距離の大幅な拡大です。iPhone 17シリーズやiPhone Airにも搭載されている第2世代の超広帯域(UWB)チップを採用したことで、「正確な場所を見つける」機能で前世代より最大50%遠い距離から持ち物を探せるようになりました。
また、Bluetoothチップもアップグレードされ、通信範囲が最大1.5倍に拡大。報告によると、最大60メートル先でも検出が可能になっています。
これにより、広い駐車場で車を探す場合や、大きな建物内で忘れ物を探す際に、より効率的に目的の場所にたどり着けるようになります。
スピーカー音量が50%向上
内部設計が刷新され、スピーカーの音量が前世代より50%大きくなりました。これにより、最大2倍離れた場所からAirTagの音が聞こえるようになっています。
ソファのクッションの間や、バッグの奥底にAirTagが埋もれてしまった場合でも、より確実に音で場所を特定できます。「探す」アプリから音を鳴らす機能が、実用的な距離で使えるようになった点は大きな改善です。
Apple Watchで「正確な場所を見つける」に対応
第2世代では初めて、Apple Watchで「正確な場所を見つける」機能が利用可能になりました。対応機種は以下の通りです。
- Apple Watch Series 9以降
- Apple Watch Ultra 2以降
iPhoneを取り出さなくても、手首のApple Watchで紛失物の方向と距離を確認できます。両手がふさがっている場面や、急いでいる時に便利な機能です。
航空会社との共有機能
新たに追加された「航空会社との共有」機能は、ロストバゲージ対策として注目されています。この機能を使うと、航空会社などの信頼できる第三者と一時的にAirTagの位置情報を共有できます。
預けた荷物が行方不明になった場合、航空会社スタッフがAirTagの位置情報にアクセスして捜索を効率化できるようになります。海外旅行や長距離移動が多い方には心強い機能です。
価格と購入方法
価格は据え置き
AirTag第2世代の価格は初代と同じです。
| 購入方法 | 米国価格 | 日本価格 |
|---|---|---|
| 1個 | 29ドル | 4,980円 |
| 4個パック | 99ドル | 16,980円 |
無料の刻印サービスも引き続き利用可能で、絵文字やイニシャルを入れてパーソナライズできます。
購入場所と配送
Apple公式サイトとApple Storeアプリで注文可能です。日本のAmazonでも取り扱いが開始されています。発表時点では、米国で1月28日〜29日の配送が可能でした。
初代AirTagとの違い
外観はほぼ同じ
AirTag第2世代は、初代と同じコインのようなデザインを踏襲しています。外観での違いは背面の刻印のみで、第2世代では文字がすべて大文字になり、IP67防水・防塵等級の表記が追加されています。
重量とサイズ
| 仕様 | 初代 | 第2世代 |
|---|---|---|
| 重量 | 約11g | 11.8g(約7%増) |
| サイズ | 直径31.9mm×厚さ8.0mm | 同サイズ |
若干重くなりましたが、実用上の差はほとんど感じられない範囲です。
電池とバッテリー寿命
引き続きCR2032コイン電池を使用し、バッテリー寿命は「1年以上」と同等です。電池交換の方法も変わらず、背面のステンレスカバーを反時計回りに回して外せます。
必要なソフトウェア
重要な注意点として、AirTag第2世代の使用にはiOS 26.2.1以降が必要です。iOS 26に対応していない古いiPhone(iPhone XS以前など)では使用できません。
Apple Watchで「正確な場所を見つける」機能を使う場合は、watchOS 26.2.1へのアップデートが必要です。
プライバシーとセキュリティ対策
ストーカー対策の強化
AirTagはその利便性ゆえに、残念ながら悪用されるケースも報告されています。他人の車やバッグにAirTagを忍ばせてストーキングに使用する事例が世界中で発生し、日本でも2022年にストーカー規制法違反で逮捕者が出ています。
Appleはこの問題に真剣に取り組んでおり、以下の対策を講じています。
不明なAirTagの検出:自分のものではないAirTagが一定時間一緒に移動していると、iPhoneに通知が届きます。
音による警告:不明なAirTagは自動的に音を鳴らし、近くにいることを知らせます。
精密検索機能:「探す」アプリで見知らぬAirTagの距離と方向を表示し、場所を特定できます。
Androidユーザー向けアプリ:Google Playの「トラッカー検出」アプリで、Androidユーザーも不正なAirTagを検出できます。
法的規制
2021年8月に改正されたストーカー規制法により、GPSなどによる位置情報の無承諾取得が規制対象となりました。AirTagを悪用したストーキング行為は処罰の対象となります。
不審なAirTagを見つけた場合
万が一、身に覚えのないAirTagを発見した場合は、以下の手順で対処できます。
- ステンレスのカバーを押し込み、反時計回りに回して外す
- 電池を取り外す(以後、追跡されなくなる)
- 内側に記載されたシリアル番号を控える
- 必要に応じて警察に相談する
注意点・今後の展望
買い替えのタイミング
初代AirTagを使用中の方は、すぐに買い替える必要はありません。ただし、以下のような場合は第2世代への移行を検討する価値があります。
- 広い場所での探し物が多い
- Apple Watchをメインに使いたい
- 初代の電池寿命が尽きた
Find Myネットワークの進化
AirTagは世界中の数億台のAppleデバイスで構成される「Find Myネットワーク」を活用しています。第2世代の登場により、このネットワークの精度と信頼性がさらに向上することが期待されます。
競合製品との比較
紛失防止タグ市場には、TileやSamsungのSmartTagなど競合製品も存在します。AirTagの強みは、iPhoneユーザーにとってのシームレスな統合と、世界最大規模のFind Myネットワークです。ただし、Android主体の環境では他の選択肢も検討に値します。
まとめ
AirTag第2世代は、約5年ぶりのアップデートとして正統進化を遂げました。探せる距離の50%拡大、スピーカー音量の50%向上、Apple Watch対応という3つの改善は、日常の「探し物」体験を確実に向上させます。
価格が据え置かれた点も評価できます。新規購入を検討している方はもちろん、初代ユーザーも状況に応じて買い替えを検討する価値のある製品です。
ただし、iOS 26.2.1が必要な点には注意が必要です。古いiPhoneを使用している場合は、先にiPhoneのアップグレードを検討してください。
参考資料:
- Apple introduces new AirTag with expanded range and improved findability - Apple
- Apple Unveils New AirTag With Longer Range, Louder Speaker, and More - MacRumors
- 10+ Things to Know About the New AirTag 2 - MacRumors
- アップル、新しい「AirTag」第2世代を発表 - ケータイ Watch
- Appleの「AirTag」が”第2世代”に進化、50%見つけやすく - Gizmodo Japan
- AirTag (第2世代)のモデルナンバーは「A2937」- AAPL Ch.
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