日経平均700円高、防衛・対米投融資が株価を押し上げ
はじめに
2026年2月18日の東京株式市場で、日経平均株価が反発し一時700円超の上昇を記録しました。終値は前日比577円(1.02%)高の5万7,143円となっています。上昇の背景には、対米投融資「第1弾」の正式決定や、2月8日の衆院選で自民党が歴史的大勝を収めたことによる政策期待があります。
特に注目されるのが防衛関連銘柄の動向です。三菱重工業をはじめとする防衛関連株に買いが集中し、「国策銘柄」として市場の関心を一身に集めています。本記事では、日経平均急反発の要因を整理し、防衛・政策関連の投資テーマがどこまで広がるのかを分析します。
対米投融資「第1弾」決定と市場へのインパクト
計360億ドル規模の3プロジェクト
2月18日の株価上昇を直接的に後押しした材料の一つが、対米投融資「第1弾」の正式決定です。ガス火力発電事業を含む3プロジェクトが対象となり、総額は約360億ドル(約5.5兆円)に上ります。この規模感が市場にポジティブサプライズを与えました。
対米投融資は、日米関係の強化策として高市政権が推進してきた政策です。エネルギー分野での協力を軸に、日本企業が米国でのインフラ事業に参画する道を切り開くものとして位置づけられています。市場参加者の間では、関連する商社やエネルギー企業への恩恵が期待されています。
前日の米国株高との相乗効果
18日の東京市場が大幅高となったもう一つの要因は、前日の米国株式市場の上昇です。米国市場の堅調な動きを受けて、東京市場でも寄り付きからリスクオン姿勢が強まりました。午前終値は前日比686円(1.21%)高の5万7,253円と、終日にわたって買い優勢の展開が続いています。
対米投融資の決定と米国株高が重なったことで、投資家心理が大きく改善しました。外国人投資家を中心に日本株への資金流入が加速し、幅広い銘柄に買いが入る地合いとなっています。特にグローバル展開を進める大型株への関心が高まっている状況です。
衆院選大勝と「政策に売りなし」の期待
自民党316議席の歴史的大勝が生んだ楽観
2月8日に実施された衆議院議員総選挙で、自民党は316議席を獲得する歴史的な大勝を収めました。この選挙結果を受けて、翌9日の日経平均は一時3,000円超の急騰を記録しています。さらに2月10日には終値ベースで最高値となる5万7,650円をつけ、わずか2日間で3,396円もの上昇幅を記録しました。
市場関係者の間では「政策に売りなし」という格言が飛び交っています。高市政権が掲げる積極財政路線や防衛費の大幅増額、対米関係の強化といった政策パッケージが、株式市場にとって強力な追い風になるとの見方が広がっています。安定した議席基盤を持つことで、政策の実行力に対する信頼感も高まっています。
防衛関連銘柄に集中する買い
衆院選後の株式市場で特に目立つのが、防衛関連銘柄への資金集中です。三菱重工業は2026年3月期の業績上方修正を発表し、市場から好感されました。防衛費をGDP比2%超に引き上げる議論が本格化しており、与党候補の5割が賛成の立場を示していることが追い風となっています。
防衛関連銘柄は、単なるテーマ株にとどまらず「国策銘柄」として認知されつつあります。政府の防衛費増額方針が明確になるにつれ、受注拡大への期待が高まっているためです。三菱重工業に加え、川崎重工業やIHI、日本電気など防衛装備品に関わる企業群に幅広く買いが入っている状況です。対米投融資の関連銘柄としても注目され、複数のテーマが重なることで上昇に弾みがついています。
注意点・今後の展望
日経平均が5万7,000円台で推移する中、市場には楽観的な見方が広がっています。しかし、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。まず、衆院選直後の急騰からはやや上値が重くなっている点です。2月10日の最高値5万7,650円を超えられるかが当面の焦点となります。
また、対米投融資については「第1弾」が決定した段階であり、今後のプロジェクトの具体的な進捗や追加案件の発表が株価を左右する可能性があります。防衛費増額も議論段階にあり、実際の予算編成に反映されるまでには時間がかかる見通しです。
一方で、高市政権の安定した政権基盤は中長期的なプラス材料です。積極財政路線が継続する限り、「国策銘柄」としての防衛関連株やインフラ関連株への注目は続くと見られます。為替動向や海外情勢の変化にも注意を払いながら、政策テーマに沿った投資戦略を検討することが重要です。
まとめ
2026年2月18日の日経平均株価は、対米投融資「第1弾」の決定と衆院選後の政策期待を背景に577円高で取引を終えました。特に防衛関連銘柄は、防衛費GDP比2%超の議論と三菱重工の業績上方修正が重なり、「国策銘柄」として存在感を増しています。
短期的には5万7,650円の最高値更新が焦点となりますが、高市政権の積極財政路線と安定した政権基盤は中長期的な支援材料です。今後の対米投融資の追加案件や防衛予算の具体化に注目しながら、政策テーマを軸とした投資判断が求められる局面といえるでしょう。
参考資料:
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