維新・吉村代表が出直し知事選を熟考、都構想3度目の挑戦へ

by nicoxz

はじめに

2026年1月13日、大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)が、衆院選と同日での出直し知事選に臨む可能性に言及しました。高市早苗首相が23日召集の通常国会冒頭で衆院解散を検討していることを受け、大阪都構想への「3度目の挑戦」を視野に入れた動きです。

大阪市の横山英幸市長も辞職意向を固め、知事・市長のダブル出直し選挙が現実味を帯びています。2015年、2020年と2度にわたり住民投票で否決された都構想は、新たな局面を迎えようとしています。

本記事では、出直し選挙の背景と都構想再挑戦の意味について解説します。

吉村知事の出直し選挙への言及

「熟考中」と述べた背景

吉村知事は1月13日、大阪府庁で記者団の取材に応じ、衆院選と同日の出直し知事選について「大阪都構想に再挑戦するのであれば、民主的プロセスが必要だと申し上げてきた。いま熟考している」と語りました。

これは、都構想の3度目の住民投票に向けた重要な一歩を示唆するものです。吉村知事はかねてより、都構想への再挑戦には「民主的プロセス」が必要だと主張してきました。出直し選挙で都構想推進の是非を有権者に問い、信任を得た上で住民投票に進むという戦略です。

衆院選への出馬は否定

一方で、吉村知事自身の衆院選出馬については「それはない」と明確に否定しました。あくまで大阪府知事として都構想の実現を目指す姿勢を示した形です。

衆院選の大義については「自民・維新連立の信を問う」ことだと述べ、高市政権との連立体制を維持しながら、大阪では独自の政策を推進する考えを示しました。

知事・市長ダブル選挙の構図

横山市長も辞職意向

同日、大阪市の横山英幸市長(日本維新の会副代表)も辞職意向を固めたことが明らかになりました。横山市長は記者団に「決定したことはない」としながらも、「検討している中では(知事・市長の)ダブル(選挙)が一番選択肢として大きいのではないか」と述べています。

知事と市長が同時に辞職して出直し選挙を行うのは、大阪では2015年の「大阪ダブル選挙」以来となります。当時は橋下徹市長と松井一郎知事が入れ替わる形で立候補し、勝利を収めました。

選挙日程の見通し

高市首相が通常国会冒頭で衆院解散に踏み切った場合、衆院選は「1月27日公示―2月8日投開票」または「2月3日公示―15日投開票」の日程が想定されています。知事・市長の出直し選挙もこれに合わせて実施される見込みです。

同日選挙となれば、有権者は衆院選、知事選、市長選の3つの投票を同時に行うことになり、大阪の政治的選択が一度に問われる大規模な選挙となります。

大阪都構想とは何か

制度の概要

大阪都構想とは、大阪市を廃止して複数の「特別区」に再編し、広域行政は大阪府(将来的には「大阪都」への名称変更を目指す)に一元化する構想です。東京都と23区の関係をモデルとしています。

維新の会は、大阪府と大阪市という「二重行政」の解消により、効率的な行政運営と大阪の成長戦略の推進が可能になると主張しています。

過去2回の住民投票

都構想は2015年と2020年の2度にわたり、大阪市民による住民投票が行われました。

2015年の住民投票では、賛成49.6%、反対50.4%とわずか1万票差で否決されました。2020年の住民投票でも、賛成49.4%、反対50.6%と約1万7,000票差で再び否決されています。

2020年の否決後、当時の吉村知事は「僕が再挑戦することはない」と明言していました。しかし、その後の政治情勢の変化により、方針転換に至っています。

都構想再挑戦の背景

維新の会内での議論

2024年11月に行われた大阪維新の会の代表選挙で、吉村知事は都構想への再挑戦を公約に掲げて再選を果たしました。これを受け、維新の会では都構想の新たな制度案の検討が進んでいます。

新制度案では、特別区の人口は30〜50万人程度が最適とされ、行政のデジタル化の進展を踏まえて府と区の役割分担を再検討する方針です。具体案は2025年秋に発表される見通しでしたが、出直し選挙の動きにより前倒しされる可能性があります。

自民党との連立と副首都構想

2025年10月、日本維新の会は自民党との連立政権合意に至りました。この合意には、維新が条件とした「副首都構想」の推進が盛り込まれ、2026年の通常国会で関連法案を成立させることが確認されています。

副首都構想とは、大阪を東京に次ぐ「副首都」として位置づけ、首都機能の一部を分散させる構想です。都構想はその前提条件として維新が重視しており、連立政権入りを機に再挑戦への機運が高まりました。

吉村知事の政策目標

吉村知事は2026年の目標として「衆院議員の定数削減」「社会保障改革」「副首都構想」の3本柱を掲げています。自民との連立政権合意に盛り込んだ政策の実現に向け、「勝負の年になる」と意気込みを示しています。

注意点と今後の課題

住民投票への道のり

出直し選挙で勝利しても、都構想の実現には改めて住民投票が必要です。大都市地域特別区設置法に基づく住民投票は大阪市民のみが対象であり、維新の会内には投票権を大阪府民全体に拡大すべきとの意見もあります。

その場合、法改正が必要となり、国会での審議が求められます。連立与党として自民党の協力を得られるかが焦点となります。

反対派への対応

過去の住民投票で反対票を投じた市民の間には、「身近な区役所がなくなる」ことへの不安や、「大阪市がなくなる」ことへの抵抗感がありました。維新の会は新たな制度案でこれらの懸念にどう応えるかが問われます。

選挙戦の行方

出直し選挙が実施された場合、野党各党がどのような候補者を擁立するかも注目されます。都構想への賛否が争点となることで、単なる知事選を超えた大阪の将来像を問う選挙となる可能性があります。

まとめ

吉村知事の出直し知事選への言及は、大阪都構想の「3度目の正直」に向けた重要な一歩です。高市首相の衆院解散判断と連動する形で、大阪の政治地図が大きく動く可能性が出てきました。

2度にわたる住民投票で否決された都構想が、今度は実現に至るのか。出直し選挙の結果と、その後の住民投票の行方が注目されます。

大阪の有権者にとっては、自分たちの街の将来像について改めて考え、判断を下す機会となります。今後の動向を注視する必要があります。

参考資料:

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