維新・吉村代表「大阪都構想」3度目の挑戦へ動く

by nicoxz

はじめに

日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)が、過去2度の住民投票で否決された「大阪都構想」への3度目の挑戦に動き出しました。高市早苗首相による衆院解散観測を受け、知事・市長のダブル辞職による出直し選挙で都構想の是非を問う構えです。

2度の否決を経てなお挑戦を続ける維新の戦略と、都構想の課題について解説します。

出直しダブル選への動き

知事・市長の辞職表明

大阪府の吉村洋文知事と大阪市の横山英幸市長(日本維新の会副代表)は、任期途中で辞職し、出直し選挙に臨む意向を固めました。23日召集の通常国会冒頭での衆院解散が有力視される中、衆院選に合わせてダブル選挙を実施する計画です。

吉村知事は維新関係者に「辞めて副首都構想と都構想、合わせて民意を問いたい」と伝えたとされています。

衆院選との同日選挙

衆院解散となった場合、衆院選は2026年2月8日または15日投開票となる見通しです。知事・市長選をこれに合わせることで、投票率の向上と注目度の確保を狙います。

吉村知事は「出直し選を熟考している」と述べ、衆院選への出馬は否定しています。都構想への3度目挑戦を大阪で進めることを最優先とする姿勢です。

大阪都構想とは

構想の内容

大阪都構想は、大阪市を廃止して複数の特別区に再編し、広域行政を大阪府に一元化する構想です。具体的には以下の内容を含みます。

行政組織の再編

  • 大阪市を廃止し、4〜5の特別区を設置
  • 大阪市長・市議会を廃止し、各特別区に区長・区議会を設置
  • 現在の24行政区を人口30〜50万人規模の特別区に再編

権限の移管

  • 教育、福祉などの身近なサービスは特別区が担当
  • 都市計画、インフラ整備などの広域行政は府に移管
  • 「二重行政」の解消による行政効率化

過去の住民投票

大阪都構想は過去2回の住民投票でいずれも否決されています。

2015年5月17日 反対70万5585票(50.4%)、賛成69万4844票(49.6%) 差は約1万票、得票率で0.8ポイント差の僅差での否決。

2020年11月1日 反対69万2996票(50.6%)、賛成67万5829票(49.4%) 差は約1万7000票、得票率で1.2ポイント差での否決。

いずれも僅差での否決であり、維新は「あと一歩」との思いを抱いてきました。

維新の戦略

副首都構想との連動

維新は「副首都構想」を国政での公約に掲げています。首都機能の一部を大阪に移転し、東京一極集中を是正するという構想で、2025年9月には法案骨子をまとめました。

この副首都構想の実現要件として「特別区を設置した道府県」が盛り込まれており、都構想の実現が前提条件となっています。都構想と副首都構想を連動させることで、大阪の改革を国レベルに広げる戦略です。

代表選での再確認

2024年11月の大阪維新の会代表選で、吉村洋文代表は都構想への再挑戦を公約に掲げて再選しました。代表選後、維新として都構想の制度案をゼロベースで検討すると表明。半年から1年かけて新たな案をまとめる方針を示していました。

新制度案の検討状況

大阪維新の会は都構想の新制度案を検討するチームを発足させ、中間報告をまとめています。特別区の適正人口を30〜50万人程度とし、過去の案を見直しながら具体化を進めています。

吉村知事は「大阪府と大阪市が1つになれば、まだまだ力を発揮できる」と述べ、改革の継続に意欲を示しています。

課題と批判

2度の否決への対応

最大の課題は、すでに2度の住民投票で否決されている事実です。市民からは「2回ペケって言ってるのに、なぜまた」という困惑の声も上がっています。

吉村知事は「3度目に挑戦するなら民主的プロセスが必要」として、出直し選挙で民意を問うことで正当性を確保しようとしています。ただし、何度否決されても繰り返すことへの批判は避けられません。

制度設計の難しさ

都構想の制度設計には多くの課題があります。特別区への権限移譲と財源配分の問題、職員の配置転換、システム統合など、実務面でのハードルは高いとされています。

また、特別区になることで大阪市民の行政サービスが低下するのではないかという懸念も、過去の住民投票で反対票につながった要因でした。

他党の反応

自民党大阪府連や立憲民主党など他党は、都構想に一貫して反対の立場をとっています。2度の住民投票で示された民意を尊重すべきとの主張で、3度目の挑戦への批判を強めることが予想されます。

政局への影響

衆院選との相乗効果

維新にとって、衆院選と同日のダブル選挙は相乗効果を狙った戦略です。知事選・市長選で都構想を争点化し、注目を集めることで、衆院選の大阪での得票増加も期待できます。

一方、都構想に反対する勢力にとっても、衆院選で維新批判を展開する材料となります。大阪での政治対立が激化する可能性があります。

維新の全国戦略

維新は2024年の衆院選で勢力を拡大し、国政での存在感を高めています。大阪での都構想実現は、維新の改革イメージを全国にアピールする重要な一歩と位置づけられています。

副首都構想を含む国政での政策実現に向けても、大阪での足場固めは不可欠と考えられています。

今後の見通し

選挙日程

衆院解散となった場合、出直しダブル選挙は2026年2月中に実施される見通しです。吉村知事・横山市長の辞職時期や選挙日程の詳細は、衆院の解散日程が確定してから正式に決まります。

住民投票への道

ダブル選挙で吉村知事・横山市長が再選した場合、維新は住民投票の実施に向けた手続きを進めることになります。特別区設置法に基づき、協議会での議論、議会承認、住民投票という流れになります。

ただし、住民投票の実施には大阪市議会での承認が必要であり、維新単独では過半数を持っていないため、他党との協議が必要になる可能性もあります。

まとめ

日本維新の会の吉村洋文代表は、大阪都構想の3度目挑戦に向けて、衆院解散に合わせた出直しダブル選挙に踏み切る構えです。過去2度の住民投票で否決された都構想ですが、維新は「民主的プロセス」を経た上での再挑戦を目指しています。

副首都構想との連動、新たな制度案の検討など、維新は3度目の挑戦に向けた準備を進めてきました。2026年の政局を大きく左右する可能性がある大阪のダブル選挙に、注目が集まります。

参考資料:

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