ベネズエラ暫定大統領にロドリゲス氏就任、米との関係注目

by nicoxz

はじめに

米軍によってマドゥロ大統領が拘束されたベネズエラで、デルシー・ロドリゲス副大統領が暫定大統領に就任しました。マドゥロ政権の中枢人物が権力を継承する形となり、米国との関係構築が最大の課題となっています。

この記事では、ロドリゲス暫定大統領の経歴と人物像、ベネズエラの政治情勢、そして米国との今後の関係について詳しく解説します。

ロドリゲス暫定大統領の就任

最高裁による指名

ベネズエラ最高裁は1月4日、デルシー・ロドリゲス副大統領を暫定大統領に指名しました。マドゥロ大統領の拘束を受けた措置で、憲法に基づく手続きとして説明されています。

ベネズエラ憲法では、大統領が「恒久的に職務を遂行できなくなった」場合、30日以内に選挙を実施する必要があります。しかし最高裁はマドゥロ氏の不在を「一時的」と認定しました。この場合、副大統領が最長90日間、国民議会の議決により最長6カ月間、権限を代行できます。

ロドリゲス氏の経歴

デルシー・ロドリゲス氏(56歳)は、マドゥロ政権の重要人物です。2018年から副大統領を務め、外相や国民議会議長も歴任しています。マドゥロ大統領の長年の側近であり、政権内で強い影響力を持っています。

軍の司令官からも支持を得ており、政権の安定に重要な役割を果たしています。

米国との関係

協力姿勢の表明

ロドリゲス暫定大統領は就任後、SNSで「米国と協力する」と投稿しました。当初は米国の軍事行動に反発していましたが、姿勢を転換した形です。

トランプ米大統領は、ロドリゲス氏に対し「正しいことをしなければ、大きな代償を払うことになる。おそらくマドゥロより大きい代償だ」と警告しています。

米国の立場

トランプ大統領は記者会見で「安全で適切、賢明な政権移行が実現するまでその国を運営していく」と述べ、米国がベネズエラの政権運営に関与する姿勢を示しました。

「我々がベネズエラを管理している」との発言もあり、米国が事実上の統治に乗り出す構えを見せています。

石油の移管

トランプ大統領は、ベネズエラが3000万〜5000万バレルの石油を米国に引き渡すことになったと発表しました。この石油は市場価格で売却され、その収益は「ベネズエラと米国の国民の利益のために使う」とトランプ氏は述べています。

国際社会の反応

ロシアの対応

ロシア外務省は、ロドリゲス暫定大統領の就任について「外部からの露骨な新植民地主義的脅威と武力侵略に直面する中で、団結を確保し権力の垂直構造を維持する決意を示している」と評価しました。

「ベネズエラの国民と政府に対するロシアの揺るぎない連帯を再確認する」との声明も出しています。

中南米諸国の反応

コロンビアは、自国がマドゥロ政権を承認していないにもかかわらず、「ベネズエラとラテンアメリカの主権に対する侵略を拒否する」との声明を発表しました。

キューバはマドゥロ氏の警護に当たっていた軍人や情報機関員32人が米軍との交戦で死亡したと発表しており、中南米での反米感情が高まる可能性があります。

今後の展望

政権移行の行方

ロドリゲス暫定大統領が権力を維持できるかどうかは、米国との関係次第といえます。米国の意向に従う姿勢を示しているものの、完全な協力には至っていない状況です。

憲法上は90日以内(延長すれば6カ月)に何らかの決着をつける必要があり、選挙実施の有無が焦点となります。

経済的影響

世界最大の石油埋蔵量を持つベネズエラの動向は、国際エネルギー市場にも影響を与えます。米国が石油の管理権を事実上握ることになれば、石油輸出の流れが大きく変わる可能性があります。

地政学的影響

ベネズエラへの米国の軍事介入は、中南米全体の地政学に影響を与えています。ロシアや中国との関係を維持してきたベネズエラが米国の影響下に入ることは、地域のパワーバランスを変える可能性があります。

まとめ

ロドリゲス暫定大統領の就任は、米軍によるマドゥロ大統領拘束後のベネズエラにおける過渡期の始まりを意味します。米国との協力姿勢を示しているものの、完全な政権移行への道筋はまだ不透明です。

「計算高い実務派」と評されるロドリゲス氏が、米国とベネズエラの利害をどう調整していくのか。国際社会の注目が集まっています。

参考資料:

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