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by nicoxz

立民・公明新党「中道改革連合」160人超で発足へ

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はじめに

2026年1月16日、立憲民主党と公明党は合流して新党「中道改革連合」(略称:中道)を結成しました。立民から144人、公明から23人が参加し、衆院で160人を超える規模でのスタートとなります。これは自民党の衆院勢力(196人)に迫る規模であり、次期衆院選に向けた大きな対抗軸が誕生しました。

一方で、安全保障やエネルギー政策をめぐる従来路線からの転換に対し、立民の原口一博氏ら2人が不参加を表明。党内外からは政策の「変節」を指摘する声も上がっています。本記事では、新党結成の背景と政策転換の内容、今後の展望を解説します。

新党結成の経緯

公明党の連立離脱が転機に

新党結成の発端は、2025年10月に公明党が26年間続いた自公連立政権を解消したことでした。高市早苗政権の発足以降、保守色の強い政策運営に公明党は距離を置くようになり、「中道改革」を掲げて独自路線を模索し始めました。

2026年1月9日以降、高市首相による解散総選挙の動きが活発化すると、立憲民主党と公明党は急接近。1月15日には野田佳彦代表と斉藤鉄夫代表が党首会談を行い、新党結成で合意しました。

「中道勢力の結集」を掲げる

野田代表は会談後、「高市政権の下で政治が右に傾く中、公明党が連立を解消したことは大きな転機だ。中道勢力が政治のど真ん中に位置づけられるチャンスが来ている」と語りました。

斉藤代表も「右傾化が進む政治状況のなか、中道主義の大きなかたまりをつくる」と述べ、高市政権への対抗軸を明確に打ち出しました。

新党の概要と規模

参加者は169人に

中道改革連合には、立民から144人、公明から23人が参加を表明。さらに国民民主党所属の円より子氏、社民党を離党していた新垣邦男氏も合流し、結党時点で169人規模となりました。

立民の衆院議員148人のうち、引退予定の2人を除く144人が参加。不参加を表明したのは原口一博氏と青山大人氏の2人にとどまりました。

衆院選での選挙協力

衆院選では新党参加者による比例代表の統一名簿を作成する方針です。公明党の候補を比例上位に優遇し、その代わりに公明党は小選挙区で立民候補を支援するという選挙協力が見込まれています。

綱領と政策の転換

「分断から協調へ」

2026年1月19日に発表された綱領では、「対立をあおり、分断を深める政治ではなく、対立点を見極め、合意形成を積み重ね、生活者ファーストの政策を着実に前へと進める中道政治の力が求められている」と宣言しました。

また、「近年、世界はインフレの進行と国際秩序の動揺の中で、極端な思想や社会の不安を利用して、分断をあおる政治的手法が台頭し、社会の連帯が揺らいでいる」と現状認識を示しています。

安全保障政策の転換

最も大きな変化は安全保障政策です。立憲民主党は従来、安全保障関連法の「違憲部分の廃止」を掲げてきましたが、中道改革連合の基本政策では「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」と明記しました。

これは事実上、集団的自衛権の限定的行使を容認する内容であり、2015年の安保法制に反対して結党された旧立憲民主党の立場からは大きな転換となります。

エネルギー・原発政策

エネルギー政策でも変化がみられます。立憲民主党の綱領には「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と明記されていましたが、中道改革連合の綱領からは「原発ゼロ」の文言が消えました。原発再稼働を条件付きで容認する内容となっており、SNS上では「矛盾ではないか」との指摘が広がっています。

不参加を表明した2人

原口一博氏の反発

佐賀1区選出の原口一博元総務相は、新党への不参加を明言し離党届を提出しました。1月20日の記者会見では、「民主主義の手続きを無視している」と執行部を批判しました。

原口氏は安保関連法をめぐる立場の変更について、「自爆であり、有権者への裏切りだ」と厳しく批判。「安保法制について一部容認は違憲であると枝野(幸男)さんがスタートをさせたのが立憲民主党。その根幹の部分をゆずる気はまったくない」と述べ、自身が代表を務める政治団体「ゆうこく連合」からの出馬を表明しました。

青山大人氏の無所属出馬

茨城6区選出の青山大人氏も新党不参加を表明し、無所属での出馬を決めました。無所属での立候補となると比例代表との重複立候補ができないため、小選挙区で勝利しなければ議席を失うリスクを負うことになります。

各党の反応

国民民主党は距離

国民民主党の玉木雄一郎代表は、立憲民主党の政策転換について「そんなに簡単に変えるべきものだったんですね」と皮肉を込めて言及。「我々はそういう選挙のために、選挙のたびに何か政策や基本理念を変えるようなことはいたしません」と述べ、新党への参加を明確に拒否しました。

社民党からの批判

社民党の福島瑞穂党首は「(立憲民主党は)180度変わった」と指摘。安保法を「明確な憲法違反」と一貫して主張してきた社民党の立場から、厳しい批判を展開しています。「中道の政策がいけないと思う人はぜひ社民党に来て」と呼びかけました。

今後の展望と課題

衆院選への影響

第51回衆議院選挙は2026年2月上中旬の投開票が見込まれています。中道改革連合は160人超の規模で臨み、自民党の単独過半数阻止を目指します。

選挙結果次第では、高市首相の求心力に大きな影響を与える可能性があります。自民党が過半数を割り込めば、政権運営は一層厳しくなるでしょう。

地方組織との調整

課題となるのは地方組織や党員・サポーターへの説明です。安全保障やエネルギー政策の転換に対し、地方からは疑問の声も上がっています。短期間での新党結成となったため、十分な合意形成がなされていないとの指摘もあります。

政界再編の行方

今回の新党結成により、日本の政治は保守と中道リベラルの二極化が鮮明になりつつあります。高市政権の保守色の強い政策運営に対し、中道改革連合がどこまで対抗軸を示せるかが注目されます。

まとめ

立憲民主党と公明党の合流による「中道改革連合」は、160人を超える規模で発足しました。「分断から協調へ」を掲げ、高市政権への対抗軸を目指しています。

一方で、安全保障やエネルギー政策の転換に対しては党内外から批判も上がっており、2人が不参加を表明しました。次期衆院選に向けて、新党がどこまで有権者の支持を得られるか、政界再編の行方が注目されます。

参考資料:

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