中国、米国の「裏庭」ベネズエラで誤算 マドゥロ氏拘束で利権危機

by nicoxz

はじめに

中国政府は米国の「裏庭」とされる中南米で、長年にわたり資源確保を進めてきました。特にベネズエラとは石油を軸に深い関係を築いてきましたが、2026年1月3日のトランプ米政権による軍事攻撃とマドゥロ大統領の拘束により、状況は一変しました。

マドゥロ氏が拘束される直前まで中国の特別代表と協議していたことから、中国はトランプ政権の強硬姿勢を読み違えていた可能性があります。中国が育ててきた「ベネズエラ利権」が危うくなっています。

米軍のベネズエラ攻撃

突然の軍事作戦

2026年1月3日、トランプ米大統領はベネズエラに対する大規模な軍事攻撃を実行し、マドゥロ大統領夫妻を拘束して国外に移送したと発表しました。国際法を顧みない一方的な軍事介入は、世界に衝撃を与えました。

石油利権が背景

攻撃の背景には、世界最大の石油埋蔵量を誇るベネズエラの石油利権があります。反米のマドゥロ政権が続けば、中国やロシアとの取引が増え、南北アメリカを米国の縄張りとする「支配」構想に害を及ぼすとトランプ政権は判断したとされています。

モンロー・ドクトリンの復活

米国は1823年のモンロー・ドクトリン以来、ラテンアメリカを自らの「勢力圏」、いわば「裏庭」と見なしてきました。今回のベネズエラ攻撃は、マドゥロ政権の打倒だけではなく、「中露を南米から締め出す」という明確な地政学的メッセージとの見方があります。

中国の誤算

攻撃直前の協議

マドゥロ氏が拘束される直前の2日、ベネズエラの首都カラカスにある大統領公邸で、マドゥロ氏は上機嫌で中国・習近平政権が派遣した特使らを出迎えていました。中国のラテンアメリカ事務特別代表を務める邱小琪氏と数時間にわたり話し合いを行っていたとされています。

強硬姿勢を読み違え

中国はトランプ政権がここまで強硬な姿勢に出るとは予想していなかった可能性があります。軍事攻撃の翌日、中国外務省は「米国の覇権的行為は国際法に著しく違反し、ベネズエラの主権を侵害している」と断固として反対する姿勢を示しましたが、対抗措置を取る手段は限られています。

中南米政策の転換迫られる

トランプ政権によるベネズエラへの軍事作戦を受け、中国の中南米政策は転換を迫られています。石油に絡む中国の利権維持も危うくなっています。

中国とベネズエラの関係

反米国家への積極支援

ベネズエラは1990年代に反米・社会主義路線を取り、2013年にマドゥロ氏が大統領に就任しました。中国は経済が破綻状態のベネズエラを積極的に支援し、中国の国営企業がインフラ整備を進めてきました。

石油を軸とした経済関係

ベネズエラ政府は膨らんだ中国への債務の多くを原油で支払う形を取っていました。中国はベネズエラ産石油の大半を輸入しており、エネルギー安全保障上も重要なパートナーでした。

中国外務省はマドゥロ氏の解放を要求していますが、実効性のある対抗手段を持っていないのが現状です。

地政学的な意味

中露の締め出し

今回の軍事作戦は、単なるマドゥロ政権打倒にとどまらず、中国とロシアを南米から締め出すという地政学的な目的があるとの分析があります。トランプ政権は「力による秩序」を追求しており、国際法よりも米国の国益を優先する姿勢を鮮明にしています。

中南米諸国への影響

米国によるベネズエラ攻撃は、中南米諸国にも衝撃を与えています。特に中国と経済関係を深めてきた国々は、米国との関係と中国との関係のバランスを見直す必要に迫られる可能性があります。

中国の選択肢

中国にとって、ベネズエラ問題への対応は難しい判断を迫られます。軍事的な対抗手段は現実的ではなく、経済制裁も米国ほどの影響力を持ちません。外交的な抗議を続けながら、他の中南米諸国との関係強化を模索することになると見られます。

今後の展望

ベネズエラの石油利権

トランプ大統領は「ベネズエラ暫定当局が高品質の石油3000万〜5000万バレルを米国に引き渡す」と発表しており、石油利権の確保を進めています。中国がこれまで築いてきた石油取引の継続は不透明な状況です。

米中対立の新たな火種

ベネズエラ問題は、米中対立の新たな火種となる可能性があります。中国は「内政干渉」「国際法違反」と批判を続けていますが、トランプ政権は意に介さない姿勢です。

国際秩序への影響

米国による一方的な軍事介入は、国際秩序のあり方に疑問を投げかけています。国連安全保障理事会での議論も行われていますが、米国の拒否権により実効性のある決議は困難な状況です。

まとめ

中国は米国の「裏庭」であるベネズエラで、長年にわたり石油を軸とした経済関係を構築してきました。しかし、トランプ政権の軍事攻撃によりマドゥロ大統領が拘束され、状況は一変しています。

攻撃直前まで中国代表団がマドゥロ氏と協議していたことは、中国がトランプ政権の強硬姿勢を読み違えていたことを示唆しています。中国が育ててきた「ベネズエラ利権」は危機に瀕しており、中南米政策の転換を迫られています。

参考資料:

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