共通テスト2026、ベルばら登場で話題に
はじめに
2026年1月17日、全国で大学入学共通テストの1日目が実施されました。新学習指導要領に対応した試験としては2年目となる今回、「歴史総合、世界史探究」で人気漫画「ベルサイユのばら」が題材として登場したことがSNSで大きな話題となりました。
新課程初年度だった2025年度は受験生への配慮もあり平均点が高めでしたが、2年目となる今年は難易度がどう変化したのでしょうか。複数の資料や図表を読み解いて思考力や判断力を問う出題傾向は継続され、受験生からはさまざまな感想が寄せられています。本記事では、共通テスト2026の出題傾向と難易度、そして受験生の反応を詳しく解説します。
ベルサイユのばらが歴史総合に登場
フランス革命を題材にした出題
「歴史総合、世界史探究」では、フランス革命を描いた池田理代子氏の漫画「ベルサイユのばら」が引用され、SNSでは「ベルサイユのばら」「ベルばら」がトレンド入りしました。出題内容は、主人公オスカルが貴族の娘に生まれながらも将軍の父に男性として育てられたという人物設定から、当時の女性の地位や家父長制について考えさせるものでした。
具体的には、オスカルが父に問いただす場面が引用されたほか、オスカルがバスティーユ監獄へ民衆を率いて出撃する名場面も掲載され、この場面とフランス革命に関する他の出来事を年代順に正しく並べられるかどうかなどを問う内容でした。
受験生の驚きと歓迎の声
ネット上では「マジか」「共テでベルばら出たと聞いて激アツ」「何ともうらやましい問題」などの声が上がりました。受験した都立高校3年生の女子生徒は「『ベルばら』のアニメを見たことがありラッキーと思った。何が入試に役立つか分からないと感じた」と振り返りました。
また、「読みたくなっちゃった」「見とけば良かった」といった反応も見られ、受験後に原作に興味を持った受験生も少なくないようです。歴史の理解を深めるツールとして、マンガやアニメなどのポップカルチャーが活用できることを示す象徴的な出題となりました。
多様な資料で思考力を問う出題傾向
複数のテキストと図表の統合
駿台・ベネッセによると「文献資料、マンガや絵画、地図、グラフなどの様々な資料と、それらをまとめたパネルやメモを用いた問題が多く出された」とのことです。新学習指導要領では知識の理解の質を問う問題、思考力や判断力、表現力等が試される問題に重点が置かれています。
「歴史総合、世界史探究」では全ての大問で地図やグラフ、文字資料など多様な素材が示されました。「ベルばら」以外にも、絵本に見られる工夫に着目させる設問や、折れ線グラフや棒グラフなども含んだ複数の資料から読み取る問題が出題されました。
国語の実用的文章
国語では、第3問に「実用的文章」の大問が1つ増加したのが特徴です。複数のテキストの統合・解釈が求められ、設定が「絵本に見られる工夫」に着目させる点、設問が表現活動に関わっている点を踏まえても、引き続き新課程を意識した出題になっています。
この傾向は、単なる知識の暗記ではなく、実生活で活用できる読解力やコミュニケーション能力を重視する方向性を示しています。大学での学びや社会での活動を見据えた出題と言えるでしょう。
科目別の難易度分析
全体的には昨年並み
主要予備校による分析では、全体としては「昨年並み」の評価が多く、出題形式にも大きな変化は見られませんでした。しかし、科目ごとに微妙な差が見られました。
英語は易化傾向
英語(リーディング)については、データネット・河合塾ともに「昨年よりやや易化」と評価しています。英語(リスニング)は「昨年並」とされました。リーディングでは、文章量や設問数に大きな変化はないものの、解答しやすい問題が増えたようです。
国語は難化の声
一方、国語については第1問の評論で昨年に比べて紛らわしい選択肢が多く、全体としての難易度は昨年より高かったとされています。第2問の小説も、従来よりもやや難化している印象を受けるとの分析です。
受験生からも「国語でもう絶望しました」「日本史と国語、すごく難しく感じた」という感想が聞かれました。特に第1問の評論では、選択肢の判断が難しく、時間配分に苦労した受験生が多かったようです。
地歴公民は科目で差
地理総合、地理探究については、データネットが「昨年並」、河合塾が「やや易化」と評価しました。一方、歴史総合、世界史探究は、データネットが「昨年並」、河合塾が「やや難化」としており、予備校間でも評価が分かれています。
理科基礎科目では、物理基礎が「昨年並」から「やや易化」、生物基礎が「昨年並」から「やや難化」と、科目によって難易度が異なる結果となりました。
新課程2年目の特徴と今後の傾向
初年度の配慮から本格化へ
2025年度は新課程初年度として受験生への配慮もあり、平均点がおおむね6割高めでした。しかし、過去の傾向から、新課程2年目となる2026年度は難易度が上昇する可能性が高いと予想されていました。
実際には科目によって差があったものの、国語のように難化した科目も見られ、徐々に本来の難易度に調整されつつあると言えます。情報科目についても、初年度は比較的易しめの出題でしたが、2026年度以降はプログラミングやデータ分析など、より専門的な内容が本格化すると予想されています。
平均点発表のスケジュール
平均点などの中間発表は2026年1月21日(水)、平均点などの最終発表は2026年2月5日(木)の予定です。予備校による予想平均点は2日目の試験終了後、夜10時頃以降に発表される予定となっています。
受験生は中間発表を参考に出願先を検討し、最終発表で自分の位置を正確に把握することができます。特に今年は科目間で難易度に差があるため、各科目の平均点が注目されます。
受験生へのアドバイス
思考力・判断力の養成
共通テストの出題傾向を見ると、単なる知識の暗記ではなく、複数の資料を統合して考える思考力、的確に判断する判断力が求められていることが明らかです。日頃から様々な資料や文章に触れ、情報を統合する練習を積むことが重要です。
歴史や地理では、教科書の内容を覚えるだけでなく、地図やグラフ、図表を読み解く訓練が欠かせません。国語では、複数の文章を比較したり、実用的な文章の特徴を理解したりする練習が有効でしょう。
ポップカルチャーの活用
今回の「ベルばら」出題が示すように、マンガやアニメなどのポップカルチャーも学習のツールとして有効です。歴史的な出来事を扱った作品に触れることで、時代背景や人物の心情を深く理解できます。
ただし、あくまでも教科書や資料集での学習が基本です。ポップカルチャーは、学んだ知識を定着させたり、興味を広げたりする補助的な手段として活用するのが良いでしょう。
時間配分の工夫
国語で苦戦した受験生が多かったように、思考力を問う問題では時間配分が重要になります。過去問や予想問題を解く際に、各設問にかける時間を意識し、解答のスピードを上げる練習をしましょう。
特に読解問題では、全文を精読するのではなく、設問に関連する部分を素早く見つけるスキャニング技術が求められます。日頃から時間を計って問題を解く習慣をつけることが大切です。
まとめ
2026年の大学入学共通テストは、新学習指導要領2年目として、思考力・判断力を問う出題傾向が継続されました。「ベルサイユのばら」の登場は、ポップカルチャーも学習に活用できることを示す象徴的な出題でした。
難易度は全体として昨年並みでしたが、国語は難化し、科目間で差が見られました。受験生は多様な資料を統合する力、的確に判断する力が求められており、今後もこの傾向は続くと予想されます。
共通テストの変化に対応するには、知識の暗記だけでなく、思考力を養う学習が不可欠です。1月21日の中間発表、2月5日の最終発表を経て、受験生は次のステップへと進んでいきます。
参考資料:
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