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by nicoxz

G7首脳会議、22日開催見送りへ マクロン氏が断念の背景

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はじめに

フランスのマクロン大統領がトランプ米大統領に呼びかけていたG7首脳会議の1月22日開催が見送られることになりました。スイスで開催中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の会場で、マクロン大統領はAFP通信の取材に対し、「会議は予定されていない」と明らかにしました。

グリーンランド問題をめぐり欧米間の対立が深刻化する中、調整が難航したものとみられています。本記事では、G7会議が見送られた背景と、今後の米欧関係への影響について解説します。

マクロン大統領の提案と経緯

私的メッセージで会議を提案

マクロン大統領は、トランプ大統領に対し私的なメッセージでG7会議の開催を打診していました。このメッセージの内容は、トランプ大統領が自身のSNSプラットフォーム「Truth Social」で公開したことにより明らかになりました。

マクロン大統領のメッセージによると、ダボス会議後の1月22日木曜日の午後にパリでG7会議を開催することを提案。さらに、ウクライナ、デンマーク、シリア、ロシアの関係者をサイドミーティングに招待する可能性も示唆していました。

加えて、マクロン大統領は「木曜日に一緒にパリで夕食をとりましょう」とトランプ大統領に呼びかけていました。

グリーンランド問題への困惑

同じメッセージの中で、マクロン大統領はトランプ大統領のグリーンランド取得への動きについて「理解できない」と率直に表明していました。「シリアでは完全に一致している。イランでも素晴らしいことができる。しかし、グリーンランドで何をしているのか理解できない」という内容でした。

マクロン大統領の側近は、このメッセージが本物であることを認めています。外交上の私的なやり取りが一方的に公開されることは異例であり、両首脳間の関係の難しさを物語っています。

開催見送りの背景

調整の難航

1月22日のG7会議が見送られた直接的な理由は、マクロン大統領が「会議は予定されていない」と述べたことで明らかになりました。フランス大統領府も開催に向けた働きかけは行っていないと伝えられています。

グリーンランド問題をめぐる米欧対立が激化する中、両首脳の立場の隔たりを埋めることは困難な状況でした。マクロン大統領は1月20日のダボス会議での演説で、トランプ政権を「帝国主義の再来」と批判しており、対話の雰囲気は醸成されていませんでした。

スケジュールの不一致

マクロン大統領は1月20日のみの予定でダボスを訪問しており、予定を変更してダボス滞在を延長する計画はないと明言していました。一方、トランプ大統領は1月21日にダボス会議で演説する予定で、両首脳のスケジュールが重ならない形となっていました。

マクロン大統領はダボスでトランプ大統領と会談する予定はないと述べていました。これは、両首脳間の対話が困難な状況にあることを示唆しています。

EUの緊急首脳会議との重複

1月22日木曜日には、EUの緊急首脳会議がブリュッセルで開催される予定となっていました。トランプ大統領がグリーンランド取得に向けて欧州諸国に関税を課すと表明したことを受け、EU加盟国が対応策を協議するための会議です。

マクロン大統領がパリでのG7会議とブリュッセルでのEU首脳会議の両方に出席することは物理的に困難であり、これも調整を複雑にした一因とみられます。

米欧関係の現状

トランプ大統領の強硬姿勢

トランプ大統領は、デンマーク自治領グリーンランドを「何らかの方法で」取得すると宣言し、軍事力の使用も排除していません。1月17日には、グリーンランド領有に反対する欧州8カ国(デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、英国)に対し、10%の追加関税を課すと表明しました。

関税は2月1日に発動し、6月1日には25%に引き上げる方針です。トランプ大統領は「グリーンランドの完全かつ全面的な購入に関する合意に達するまで」関税を継続すると述べています。

マクロン大統領との関係悪化

トランプ大統領とマクロン大統領の関係は、複数の問題で悪化しています。マクロン大統領がトランプ大統領の「平和理事会」構想への参加を断ったことを受け、トランプ大統領はフランス産ワインとシャンパンに200%の関税を課すと警告しました。

さらにトランプ大統領は「誰も彼を望んでいない。なぜなら彼はもうすぐ辞めるからだ」とマクロン大統領を揶揄する発言もしています。両首脳間の対話は極めて困難な状況にあります。

今後の展望

6月のG7サミットに向けて

2026年のG7サミットは6月15日から17日にフランス東部エビアンで開催される予定です。マクロン大統領が議長国として、この正式なサミットに向けた準備を進めることになります。

ただし、今回の1月の会議が見送られたことで、6月のサミットまでに米欧関係がどこまで修復できるかは不透明です。グリーンランド問題が解決しない限り、建設的な対話は困難との見方もあります。

EUの対応

EUは930億ユーロ(約17兆円)規模の米国製品への報復関税を検討しています。マクロン大統領はEUに「反威圧措置」の発動を求めており、欧州としての統一的な対応を模索しています。

一方で、欧州各国は報復措置の発動と外交的解決の間で慎重なバランスを取る必要があります。対立のエスカレートは世界経済に悪影響を与えかねないためです。

注意点・展望

西側同盟への影響

G7は先進7カ国の首脳が集まり、国際的な課題を議論する重要な枠組みです。今回の会議見送りは、西側同盟の結束に疑問符を投げかけるものといえます。

特にウクライナ支援や対ロシア政策など、G7としての統一行動が求められる課題が山積する中での米欧対立は、国際秩序に影響を与える可能性があります。

対話再開の可能性

マクロン大統領は私的メッセージの中で、シリア問題やイラン問題では米仏が協力できると述べていました。グリーンランド以外の分野では協力の余地が残されている可能性があります。

ただし、トランプ大統領が外交上のメッセージを一方的に公開したことで、首脳間の信頼関係が損なわれたことは否めません。対話の再開には時間がかかる可能性があります。

まとめ

マクロン大統領が提案していた1月22日のG7首脳会議は開催されないことになりました。グリーンランド問題をめぐる米欧対立が深刻化する中、両首脳の立場の隔たりを埋めることができなかったためです。

6月にフランスで開催予定の正式なG7サミットに向け、米欧関係の修復が図れるかが今後の焦点となります。西側同盟の結束が試される中、対話の糸口をどのように見つけていくかが問われています。

参考資料:

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