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by nicoxz

衆院選比例名簿に火種、自民は石破派冷遇・中道は公明優遇

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はじめに

2026年2月8日投票の第51回衆議院議員総選挙で、比例代表の候補者名簿が出揃いました。与野党合わせて計915人が比例代表に立候補しています。比例代表は名簿の上位から当選者が決まるため、順位の付け方には各党の権力構造と戦略が如実に現れます。

注目を集めているのは2つの動きです。自民党では石破内閣の旧閣僚が軒並み下位に配置され、高市首相による「冷遇」が鮮明になっています。一方、新党「中道改革連合」では公明党出身の28人が各ブロックの上位に並び、小選挙区を持たない公明系候補の「救済」が図られています。

自民党:石破内閣の閣僚を下位に

村上誠一郎氏は四国10位

自民党が1月26日に発表した比例代表名簿で最も注目されたのは、村上誠一郎前総務相の処遇です。四国ブロックの10位に登載されました。四国ブロックの定数は6議席であり、事実上当選が極めて困難な順位です。

2024年の前回衆院選では、村上氏は比例名簿1位で優遇されていました。今回の対応は一変しています。村上氏は石破内閣で総務相を務め、高市早苗現首相に批判的な言動が目立っていたとされています。

石破内閣の旧閣僚3人に厳しい扱い

村上氏だけではありません。同じく石破内閣の閣僚だった伊東良孝前沖縄北方担当相は北海道ブロック6位、阿部俊子前文部科学相は中国ブロック20位に配置されました。いずれも前回選挙では1位で処遇されていた候補者です。

党幹部は「首相は比例単独候補の優遇はできるだけ避けたいとの意向だった」と説明しています。しかし、党内からは高市政権に批判的な石破氏やその周辺への報復だとの見方が出ています。麻生派からは「後ろから鉄砲を撃ちすぎだ」との批判の声も上がっています。

石破茂氏本人の扱い

石破茂前首相自身は、中国ブロックで小選挙区との重複立候補として同一順位4位に配置されています。小選挙区で敗れた場合の復活当選は、惜敗率次第という厳しい条件です。

単独上位は限定的

自民党が比例単独1位で処遇したのは、江渡聡徳氏(東北ブロック)、山本左近氏(東海ブロック)、小寺裕雄氏(近畿ブロック)、寺田稔氏(中国ブロック)の4人に限られています。それ以外の比例単独候補は下位に配置されており、高市首相の方針が反映された形です。

中道改革連合:公明出身者28人を上位に

新党結成の経緯

2025年10月、公明党は26年間続いた自民党との連立政権を解消しました。高市首相の政権運営方針に反発しての決断です。2026年1月15日、立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表が会談し、新党「中道改革連合」の結成で合意しました。

この新党名で比例代表に臨むため、投票用紙に「立憲民主党」や「公明党」と記入すると無効票になる点は有権者にとって注意が必要です。

公明出身者を各ブロックの上位に配置

中道改革連合の比例名簿では、公明党出身の28人が各ブロックで名簿上位に登載されています。公明出身者は小選挙区からの立候補を見送り、比例代表に専念する形をとっています。

北海道ブロック(定数8)では、公明党道本部前代表の佐藤英道氏を単独1位、浮島智子氏を単独2位に配置しています。小選挙区に出馬する立憲民主党出身の候補12人は同列3位での重複立候補となっています。

近畿ブロックでは前職の赤羽一嘉元国土交通相ら5人が1〜5位に、中国ブロックでは中道改革連合の共同代表を務める斉藤鉄夫氏が単独1位で処遇されています。

公明票の行方が焦点

この名簿構成のポイントは、公明出身者の当選をほぼ確実にする一方、1選挙区あたり1万〜2万票とされる公明票が立憲出身の小選挙区候補にどの程度流れるかという点です。公明党の組織票が中道改革連合の小選挙区での勝敗を左右する可能性があります。

注意点・展望

選挙結果次第で党内対立が激化

比例名簿の順位は、選挙結果によって党内の不満の火種となる可能性があります。自民党の場合、石破派の候補が軒並み落選すれば、高市政権への反発がさらに強まることが予想されます。逆に、自民党が大勝した場合でも、冷遇された候補者やその支持者の不満は燻り続けるでしょう。

裏金議員の公認も論争に

高市政権は政治資金問題に関わった議員について「みそぎは済んだ」として公認しています。前回認めなかった比例との重複立候補も原則として解禁し、小選挙区で落選しても復活当選が可能な状態にしました。この判断に対しては、世論の批判が再燃する可能性を懸念する声が党内にもあります。

中道改革連合の試金石

中道改革連合にとって今回の衆院選は、新党としての初の選挙であり、立憲と公明の選挙協力がどの程度機能するかの試金石です。比例名簿で公明出身者を優遇した見返りに、小選挙区で公明票がどれだけ上積みされるかが問われます。

まとめ

2026年衆院選の比例代表名簿は、各党の権力構造と戦略を映し出す鏡となっています。自民党では高市首相が石破派を冷遇する姿勢が鮮明になり、党内対立の火種を抱えています。中道改革連合では、公明出身者の上位配置という「合併の対価」が名簿に表れています。

比例代表は小選挙区とは異なり、政党が候補者の当落を直接コントロールできる仕組みです。それだけに、名簿の順位には政党の意思が色濃く反映されます。投票日の2月8日に向けて、各党の名簿戦略が選挙結果にどう影響するか注目されます。

参考資料:

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