住宅ローン・マンション価格2026年見通し、金利上昇の影響は
はじめに
2025年12月、日銀は政策金利を0.25%引き上げ、0.75%程度としました。これは同年1月の利上げに続く追加利上げであり、本格的な「金利のある世界」の到来を示しています。住宅ローン金利の上昇は避けられない状況です。
一方、首都圏のマンション市場では、新築・中古ともに価格の高止まりが続いています。供給戸数は過去50年で最低水準になる見通しで、需給バランスの変化も注目されます。
本記事では、2026年の住宅ローン金利とマンション価格の見通しを、専門家の見解とともに解説します。住宅購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
住宅ローン金利の2026年見通し
変動金利はいつ上がるか
日銀の2025年12月利上げを受け、多くの銀行は2026年4月に変動金利の基準金利を引き上げる見込みです。変動金利は4月・10月の年2回、金利が見直されるタイミングがあり、2026年4月に0.25%の上昇が予想されています。
実際の返済額への反映は、2026年7月以降となる見込みです。借入残高3,500万円、金利0.5%で借りている場合、0.75%への上昇で毎月の返済額は約4,000円増加します。5,000万円の借入では、金利1%になると月約6,000円の負担増となります。
「5年ルール」の注意点
多くの銀行の変動金利には「5年ルール」が適用されています。これは、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わらないというルールです。また「125%ルール」により、1回の見直しで返済額は最大1.25倍までに制限されます。
しかし、これは支払いを先送りにしているだけです。返済額は変わらなくても、月々の返済に占める金利の割合が増え、元本返済が進まなくなります。未払利息が発生するリスクには十分注意が必要です。
今後の金利上昇シナリオ
専門家の予想では、今後も年2回のペースで利上げが続く可能性があります。基本シナリオとして、政策金利は2026年度に1.25%、2027年度には1.5%程度まで上昇すると見込まれています。
ただし、日銀は賃金上昇を確認しながら利上げを進めているため、金利上昇分は「一般の雇用者の賃上げの範囲内で収まる」との見方もあります。
固定金利の動向
長期金利の指標となる10年国債利回りは2%を超える水準まで上昇しています。これに伴い、フラット35などの固定金利も上昇傾向が続いています。2026年1月時点で、フラット35の金利は2%の大台に達しています。
マンション価格の現状と見通し
新築マンション市場の「氷河期」
首都圏の新築マンション市場は、供給の大幅減少という「氷河期」を迎えています。不動産経済研究所の予測では、2026年の供給戸数は2万3,000戸と、過去50年で最低水準になる見通しです。
背景には、建設業界の人手不足と資材価格の高騰があります。2024年4月からの労働規制強化も影響しており、建築コストは今後もじわじわと上昇を続けると予想されています。
価格は高止まりが続く
2025年10月時点で、首都圏の新築マンション平均価格は9,895万円(前年同月比7%上昇)。東京23区では1億5,313万円と、過去2番目に高い水準を記録しました。
2021年上半期の平均6,414万円から、2025年上期には8,958万円へと約2,500万円上昇しており、価格高騰のペースは衰えていません。
中古マンション需要の高まり
新築マンションの供給減を背景に、中古マンション市場への需要が高まっています。東京23区の11月の中古マンション平均希望売り出し価格は1億1,485万円と最高値を更新。上昇は19カ月連続となっています。
新築が手の届かない価格になる中、中古マンションを選択する動きが加速しており、中古市場でも価格上昇圧力が続いています。
価格を支える海外投資需要
都心のマンション価格を支えているのは、海外からの投資需要です。ニューヨーク、ロンドン、香港といった海外の主要都市と比較すると、東京の不動産はまだ割安と見なされています。
こうした投資需要を取り込める都心の優良物件は、今後も価格上昇が続く可能性があります。
住宅購入の判断ポイント
変動金利を選ぶべき人
家計に余裕を持った返済ができる場合は、低金利の変動金利がおすすめです。判断基準として「年収倍率」があります。借入額を年収で割った値で、5倍以内に収められれば余裕のある返済が可能です。最大でも7倍以内に収めることが推奨されています。
変動金利を選ぶ場合は「借りすぎない」ことと「資産運用の併用」が重要です。固定金利との差額をNISAやiDeCoで運用し、将来の金利上昇に備える戦略が有効とされています。
固定金利を選ぶべき人
将来の家計を安定させたい方には、固定金利が向いています。子どもの進学など支出増加の時期が見えている場合、毎月の返済額が変わらない点は大きなメリットです。
ただし、変動と固定の金利差は現状で年1.29%程度あり、借入額3,500万円・35年返済の場合、総返済額で約900万円の差になります。この差額をどう評価するかがポイントです。
「超長期返済」のリスク
金利上昇局面では、超長期返済(40年・50年ローン)のリスクが高まります。返済期間が長いほど金利変動の影響を受けやすく、総返済額が大きく膨らむ可能性があります。
また、夫婦共働きを前提とした「二馬力」でのローン返済計画にも注意が必要です。収入減少のリスクを織り込んだ余裕ある計画が重要です。
今後の市場に影響を与える要因
金利上昇の影響
金利上昇は住宅購入者の負担増に直結します。月々数千円の負担増は小さく見えても、35年間の総返済額では数百万円の差になります。購入判断を先送りにする動きが増えれば、市場の冷え込みにつながる可能性があります。
供給制約の継続
建設業界の人手不足と高齢化は短期的に解消する見込みがなく、新築マンションの供給制約は続くと予想されます。限られた供給に対して需要が集中すれば、価格の下落は限定的になる可能性があります。
政策動向
高市政権の経済政策「サナエノミクス」は積極財政を掲げており、金融環境への影響も注視が必要です。住宅ローン減税など税制面の動向も、購入判断に影響を与える要因となります。
まとめ
2026年の住宅市場は、「金利上昇」と「価格高止まり」という二重の課題に直面しています。変動金利は2026年4月に上昇し、7月以降の返済額に反映される見込みです。マンション価格は新築・中古ともに高水準が続き、すぐに下落する兆候は見られません。
住宅購入を検討する際は、年収倍率による借入額の適正化、金利タイプの選択、そして将来の収入変動リスクを考慮した計画が重要です。専門家やファイナンシャルプランナーへの相談も有効な選択肢となります。
「金利のある世界」が本格化する中、慎重かつ計画的な判断が求められています。
参考資料:
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