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by nicoxz

日銀が政策金利0.75%を据え置き、物価見通し上方修正の背景

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はじめに

日本銀行は2026年1月23日に開催した金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物レートの誘導目標を0.75%で据え置くことを決定しました。2025年12月に30年ぶりとなる0.75%への利上げを実施したばかりであり、当面は経済・物価への影響を見極める姿勢です。

同時に発表された「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、2026年度の物価見通しが上方修正されました。この決定は、日本経済が「金利のある世界」へと本格的に移行する中で、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。

本記事では、今回の決定の背景から今後の金融政策の見通し、そして住宅ローンや為替への影響まで、幅広く解説します。

今回の金融政策決定会合のポイント

政策金利据え置きの理由

日銀は今回の会合で、政策金利を0.75%で維持することを賛成多数で決定しました。据え置きの主な理由は以下の通りです。

まず、2025年12月の会合で利上げを実施したばかりであり、その効果が経済・物価に浸透するまでには一定の時間が必要です。日銀は「現在の実質金利がきわめて低い水準にある」という認識を維持しつつも、急激な金融引き締めは避ける方針を示しています。

また、植田和男総裁は記者会見で、経済・物価が見通し通りに推移すれば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」と述べており、利上げ路線を堅持する姿勢を明確にしました。

物価見通しの上方修正

新たな展望レポートでは、消費者物価の見通しが上方修正されました。特に注目すべきは、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIが2025年度から2027年度の全年度で引き上げられた点です。

上方修正の背景には、複数の要因があります。コメ価格の高水準での推移、円安に伴う輸入価格の上昇、そして政府によるガソリン・電気・ガス代の補助金縮小・終了などが物価を押し上げる要因として挙げられています。

2026年度の生鮮食品を除くコアCPI上昇率は前年度比2.0%程度と見込まれており、政府・日銀が目標とする物価2%に達する見通しです。

今後の金融政策の見通し

次回利上げの時期は2026年前半か

市場では、次の利上げ時期について「2026年前半」との予想が多くなっています。特に7月の会合での25ベーシスポイント(0.25%)の利上げは、市場でほぼ完全に織り込まれている状況です。

三井住友DSアセットマネジメントは、日銀が半年に1回程度のペースで利上げを進め、2026年7月、2027年1月、2027年7月にそれぞれ25bpの利上げを行うと予想しています。

このペースで利上げが続けば、政策金利は2026年度末に1.0%、2027年度末には1.25%程度に達する可能性があります。日銀は中立金利の水準を1〜2.5%と推計しており、政策金利が中立金利の下限である1%に到達する時期は、早ければ6月または7月と見込まれています。

高田審議委員の見解

今回の会合では、9人の政策委員のうち高田創審議委員が、物価安定目標はおおむね達成されており、海外経済が回復局面にあるもとで物価の上振れリスクが高いとの見解を示しました。この発言は、日銀内でも利上げに積極的な意見があることを示唆しています。

私たちの生活への影響

住宅ローン金利への影響

日銀の利上げは、特に変動金利型の住宅ローンを利用している方に影響を与えます。多くの金融機関では、基準日(4月1日と10月1日)に金利を見直し、2〜3ヶ月後の返済分から適用されます。

2025年12月の利上げの影響は、2026年4月1日の基準日を経て、2026年7月返済分から反映される見込みです。仮に変動金利が0.25%上昇した場合、5,000万円の借入では毎月の返済額が約6,000円増加する計算になります。

ただし、「5年ルール」が適用されている場合は、毎月の返済額自体は変わりません。その代わり、月々の返済額に占める金利と元本の内訳が変化し、金利負担が増えて元本返済が減ることになります。

固定金利についても上昇傾向にあります。2026年1月には、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが10年固定金利をそろって引き上げました。

為替市場への影響

円相場については、日米金利差の縮小にもかかわらず、円安圧力が続いている状況です。2025年12月の利上げ後も、日米金利差から大きく乖離した米ドル高・円安となりました。

しかし、2026年の為替見通しでは、年後半にかけて円高方向へ緩やかに転じるとの予想が多くなっています。三井住友DSアセットマネジメントは、ドル円は155円を中心とするレンジから徐々に150円を中心とするレンジへ移行し、2026年末には150円程度に着地すると予想しています。

野村證券は、2026年後半には140円台前半まで円高が進む可能性を示唆しています。日銀の利上げとFRBの利下げにより、キャリー取引に基づく円安圧力はピークアウトが見込まれます。

注意点・今後の展望

物価の上振れリスクに注意

日銀は2024年度と2025年度の物価見通しについて「上振れリスクの方が大きい」と分析しています。特にコメ価格の高止まりや、円安による輸入物価の上昇が引き続き懸念材料です。

また、米国のトランプ政権による関税政策の影響も不透明要因として挙げられます。関税が引き上げられた場合、世界的なインフレ圧力が高まり、日銀の金融政策にも影響を与える可能性があります。

為替介入の可能性

円安が急速に進行した場合、政府・日銀による為替介入の可能性も浮上しています。2026年1月現在、1ドル156円台で推移していますが、160円を超えるような円安が進めば、介入への警戒感が高まるでしょう。

民間予測との比較

民間のシンクタンクの予測を見ると、三井住友DSアセットマネジメントは2026年度のコアCPIを前年度比+1.5%と予想しており、日銀の見通しよりもやや低い水準です。三菱UFJリサーチ&コンサルティングも同様に+1.5%を見込んでいます。

物価が日銀の見通しを下回った場合、利上げペースが鈍化する可能性もあります。

まとめ

日銀は2026年1月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に据え置きましたが、物価見通しの上方修正とともに、今後も利上げを継続する姿勢を明確にしました。市場では、次回の利上げは2026年7月との見方が有力です。

私たちの生活への影響としては、住宅ローンの変動金利が2026年7月頃から上昇する可能性が高く、返済計画の見直しが必要になる場合があります。為替については、年後半にかけて円高方向へ転じる可能性が示唆されています。

「金利のある世界」への移行が本格化する中、金利動向を注視しながら、家計の見直しや資産運用の戦略を検討することが重要です。

参考資料:

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