2月の住宅ローン固定金利を大手5行が引き上げへ
はじめに
三菱UFJ銀行など大手銀行5行は、2026年2月に適用する10年固定型の住宅ローン金利を引き上げると発表しました。大手5行の最優遇金利は平均で2.938%となり、前月から0.204ポイントの上昇です。固定金利の引き上げは7カ月連続で、住宅購入を検討している方にとって重要な局面を迎えています。
この記事では、各銀行の具体的な金利水準、引き上げの背景にある長期金利の動向、そして住宅ローン選びで押さえておくべきポイントを解説します。
大手5行の2月適用金利
各銀行の10年固定金利
2026年2月に適用される10年固定型住宅ローンの最優遇金利は、以下のとおりです。
- 三菱UFJ銀行: 2.75%(前月比+0.07%)
- 三井住友銀行: 2.85%(前月比+0.20%)
- みずほ銀行: 2.55%以上(前月比+0.20%)
- 三井住友信託銀行: 約3.0%台(前月比上昇)
- りそな銀行: 約3.0%台(前月比上昇)
大手5行の平均は2.938%に達しました。2025年半ばには2%前後だった10年固定金利が、わずか半年ほどで約1ポイント上昇したことになります。
1月金利との比較
2026年1月適用分の大手5行平均は2.734%でした。三菱UFJ銀行は2.68%、三井住友銀行は2.65%、みずほ銀行は2.55%と、いずれも2月にさらに上昇しています。上昇のペースは鈍化していますが、方向性は変わっていません。
金利上昇の背景
長期金利の上昇トレンド
住宅ローンの固定金利は、10年物国債利回り(長期金利)に連動して動きます。日銀は2025年12月の金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げて0.75%とし、その後も追加利上げの可能性を示唆しています。
10年物国債利回りは2025年7月ごろから上昇傾向を強め、12月末には一時2.1%台に到達しました。この長期金利の上昇が、住宅ローン固定金利の引き上げに直結しています。
変動金利への影響も
住宅購入者の約8割が選択している変動型金利についても、変化が起き始めています。三菱UFJ銀行とみずほ銀行は短期プライムレートを年1.875%から2.125%に引き上げると発表しました。
みずほ銀行の場合、2026年3月末までに変動金利年0.775%で借り入れた場合、2026年7月返済分から年1.025%が適用される予定です。変動金利は依然として固定金利より低い水準にありますが、その差は徐々に縮まっています。
住宅購入者への影響
月々の返済額はどう変わるか
10年固定金利が2.938%の場合、借入額3,000万円・返済期間35年で試算すると、月々の返済額は約11万4,000円程度になります。金利が2.0%だった時期と比べると、月々約1万3,000円、年間で約15万円以上の負担増となります。
もちろん、10年固定は固定期間終了後に金利が見直されるため、11年目以降の金利水準も考慮する必要があります。
変動か固定か、判断のポイント
変動金利は現在も0.3〜0.5%台の商品が存在し、固定金利との差は約2.4〜2.6ポイントに広がっています。この金利差をどう評価するかが、住宅ローン選びの最大のポイントです。
変動金利を選ぶ場合は、今後の利上げによって金利が上昇するリスクを許容できるかどうかが判断基準になります。一方、固定金利を選ぶ場合は、現在の水準がさらに上昇する前に確定させるメリットがあります。
注意点・展望
今後の金利見通し
2026年の住宅ローン金利は、変動金利で0.9〜1.3%、固定金利で2.08〜3.31%程度になるとの予測があります。日銀がさらなる利上げに踏み切れば、固定金利はもう一段の上昇も想定されます。
大手銀行は2026年春にも変動型の基準金利を引き上げる可能性があり、これまで「変動金利は上がらない」と言われてきた前提が崩れつつあります。
住宅ローン借り換えの検討
すでに住宅ローンを借りている方にとっても、金利上昇は無視できない問題です。変動金利で借りている場合、今のうちに固定金利への借り換えを検討する価値があります。ただし、借り換えには手数料がかかるため、総返済額で比較することが重要です。
まとめ
大手5行が2月の住宅ローン固定金利を7カ月連続で引き上げ、平均で約2.9%台に突入しました。日銀の利上げ路線と長期金利の上昇が背景にあり、今後もこの傾向は続く可能性が高い状況です。
住宅購入を検討している方は、金利タイプの選択を慎重に行う必要があります。変動金利の低さは魅力的ですが、将来の金利上昇リスクも十分に考慮した上で判断することが大切です。各銀行の最新金利は毎月更新されるため、定期的に確認することをお勧めします。
参考資料:
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