維新・吉村代表、過半数割れなら辞任を明言
はじめに
日本維新の会の吉村洋文代表は2026年1月26日、テレビ朝日の番組に出演し、2月8日投開票の衆院選で自民党と維新の与党が過半数(233議席)を獲得できなければ、代表を辞任すると明言しました。
高市早苗首相も「与党で過半数を割り込んだ場合は即刻退陣する」と述べており、吉村氏はこれに歩調を合わせた形です。自民党と日本維新の会が連立政権を組んで初めて臨む衆院選で、両党のトップが進退をかけて勝利を目指す姿勢を鮮明にしました。
本記事では、吉村氏の辞任発言の背景、維新と自民の連立の経緯、そして衆院選の争点について解説します。
吉村代表の辞任発言の背景
高市首相との連携を強調
吉村氏は番組で、「昨年10月に高市さんと話して、いっしょに日本の政治を前に進めようと判断した」と説明しました。「臨時国会の首相指名選挙で高市早苗と書いたのは、自民党以外ではわが党だ」と述べ、連立政権のパートナーとしての立場を強調しました。
高市首相が「過半数割れなら即刻退陣」と表明している以上、連立のパートナーである維新の代表として同様の覚悟を示すのは当然という認識です。
大阪都構想への再挑戦
吉村氏は2026年1月15日、大阪都構想への3度目の挑戦の是非を問うとして、衆院選に合わせて知事選を実施するため辞職を表明しました。しかし、辞職に必要な府議会の同意が得られず、1月22日に立候補届出をした時点で失職という形になりました。
この動きは党内でも反発を招いています。維新の国会議員団では反対論が大勢で、1月15日の両院議員総会では出席者約40人のうち約25人が反対し、賛成はわずか数人にとどまりました。
党内外からの批判
吉村氏の判断は「独断だ」との批判を招いています。維新内部からは「国政選挙の直前に知事選を仕掛けるのはリスクが高すぎる」という声が上がり、連立相手の自民党からも「身勝手だ」との不満が漏れています。
こうした状況で辞任を明言したことは、批判をかわす意図もあるとみられます。選挙結果に責任を持つ姿勢を示すことで、党内の求心力を維持しようとしています。
自民・維新連立の経緯
2025年10月の連立合意
自民党と日本維新の会は2025年10月、連立政権の設立で正式に合意しました。維新は当面、閣僚を出さない「閣外協力」の形をとっています。
吉村氏は高市首相に電話で「連立合意する。共に日本を前に進めていきましょう」と伝え、両党の協力関係がスタートしました。
連立合意の主な内容
連立政権合意書には、以下のような政策が盛り込まれています。
経済政策
- 食料品に限り、2年間消費税を免除することを視野に法制化を検討
- 給付付き税額控除の導入について、早急に制度設計を進め実現を図る
政治改革
- 衆議院議員定数を1割削減することを目標に、臨時国会で議員立法案を提出
副首都構想
- 臨時国会中に両党による協議体を設置し、来年の通常国会で法案を成立させる
憲法改正
- 緊急事態条項について、来年度中に条文案の国会提出を目指す
維新が得た成果
維新にとって、連立合意は長年の悲願だった政策を実現する大きなチャンスです。副首都構想については、大阪、福岡、札幌を候補とする「副首都法」の制定に向けた動きが本格化します。
維新の藤田文武共同代表は「26年間の自公政権では全く手付かず、遅々として進まなかった政策をもっと早いスピードで前に進めていく。政権のアクセル役になる」と意気込みを語っています。
衆院選の構図と争点
選挙日程
衆院選は2026年1月27日公示、2月8日投開票の予定です。高市首相が「連立の枠組みについて信を問う」と位置づけた選挙であり、自民・維新の連立政権が有権者の審判を受けます。
与党の目標「過半数」
与党は衆院選の目標を「与党過半数(233議席以上)」に設定しています。現在、自民党と維新は合わせて衆院の過半数を占めていますが、改選後も安定した政権運営を続けられるかが焦点です。
高市首相、吉村代表ともに「過半数割れなら退陣・辞任」を明言しており、選挙結果次第では政界に大きな変動が起きる可能性があります。
主な争点
物価高対策と経済政策 食料品の消費税2年間ゼロという目玉政策が注目されています。生活者の負担軽減と経済活性化の両立が問われます。
議員定数削減 1割削減を目標に掲げる政治改革が、有権者にどう評価されるかが焦点です。
憲法改正 緊急事態条項の条文案を来年度中に提出するという連立合意が、改憲に対する国民の意思とどう向き合うかが問われます。
今後の展望
吉村氏の「覚悟」の意味
代表辞任を明言した吉村氏ですが、選挙結果によっては政界での立ち位置が大きく変わる可能性があります。過半数を確保すれば連立政権の立役者として存在感を増し、割り込めば責任を取って退くことになります。
大阪知事を辞職して臨む出直し選挙と合わせ、吉村氏にとっては政治生命をかけた勝負の時です。
連立政権の安定性
選挙後、与党が過半数を維持できるかどうかで、連立政権の安定性は大きく左右されます。僅差での勝利となれば、維新の発言力が相対的に高まり、政策面での主張が通りやすくなる可能性もあります。
一方で、過半数を大きく割り込めば、政権の枠組み自体が見直される可能性も否定できません。
まとめ
維新の吉村代表が「与党過半数に届かなければ辞任する」と明言したことは、連立政権のパートナーとしての覚悟を示すものです。高市首相の「即刻退陣」発言と歩調を合わせ、両党のトップが進退をかけて選挙に臨む姿勢が明確になりました。
2月8日の投開票まで約2週間。食料品消費税ゼロ、議員定数削減、憲法改正といった争点に対する有権者の判断が、日本政治の今後を大きく左右することになります。
参考資料:
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