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by nicoxz

長期金利2.3%突破で27年ぶり高水準、財政リスクの全貌

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はじめに

2026年1月20日、日本の長期金利が歴史的な節目を迎えました。新発10年物国債の利回りが一時2.330%まで上昇し、1999年2月以来、実に27年ぶりの高水準を記録したのです。

この急激な金利上昇の背景には、衆院選を控えた与野党各党による消費税減税公約があります。財政悪化への懸念が債券売りを加速させ、国債市場は「危機モード」とも呼べる状況に突入しています。

本記事では、長期金利上昇のメカニズム、財政への影響、そして私たちの生活にどのような変化をもたらすのかを詳しく解説します。

長期金利上昇の経緯と要因

2.3%突破までの道のり

日本の長期金利は、2025年後半から上昇傾向を強めてきました。日銀が2025年12月19日に政策金利を0.75%へ引き上げたことで、金利上昇に弾みがつきました。この政策金利は1995年以来、30年ぶりの高水準です。

2026年1月5日には、新年最初の取引で長期金利が2.125%を記録。その後も上昇を続け、1月14日には2.275%、そして1月20日には2.330%と、心理的節目を次々と突破しています。

消費税減税が火種に

金利上昇を加速させた最大の要因は、消費税減税をめぐる政治的動きです。高市早苗首相は衆院解散を正式に表明し、2月8日の総選挙に向けて食品に対する8%の消費税を2年間停止すると公約しました。

与野党各党も消費税減税を公約に掲げる動きを見せており、選挙結果にかかわらず財政悪化が避けられないとの見方が市場に広がっています。投資家は、減税による税収減をどのように補填するのか不透明なことから、財政リスクの増大を懸念しています。

財政悪化懸念の連鎖

消費税減税が実施されれば、日本国債の格下げも十分にあり得るとの見方が浮上しています。格下げは海外投資家の売り圧力を強め、さらなる金利上昇を招く恐れがあります。

債券市場では、財政悪化懸念から国債を売る動きが連鎖的に広がり、ボラティリティ(価格変動性)が顕著に高まっています。市場関係者の間では「危機モード」という表現が使われるほど、緊張感が高まっている状況です。

財政への深刻な影響

膨らむ国債費と利払い負担

2026年度予算案では、一般会計総額が122兆3092億円と過去最大を更新しました。注目すべきは、国債の元本返済と利払い費を合わせた「国債費」が31兆2758億円に達したことです。

特に利払い費は13兆371億円と、かつてない水準に膨らんでいます。政府は国債利払い費の計算に使う想定金利を2.0%から3.0%に引き上げ、これだけで約2兆5000億円の負担増となりました。

雪だるま式に増える利払い

日本政府の普通国債残高は1,000兆円を超えており、2026年度末時点では1,145兆円に達する見通しです。低金利時代に発行した国債は、借り換えに伴って順次、高金利の国債に置き換わるため、利払い費は加速度的に増加します。

財務省の試算によれば、金利が2.5%まで上昇した場合、利払い費は2028年度に約16兆1000億円、2034年度には約25兆6000億円まで膨らむ可能性があります。金利上昇が財政を圧迫し、それがさらなる金利上昇を招くという悪循環のリスクが高まっています。

財政健全化目標の後退

高市首相は、基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、単年度黒字化目標を「数年単位でバランスを確認する」方向に見直す方針を示しています。2026年度予算では基礎的財政収支が1兆3429億円の黒字に転じる見込みですが、財政健全化の道筋が不透明になれば、市場の不安がさらなる金利急騰を招きかねません。

日銀の金融政策と今後の見通し

1月会合で注目される姿勢

日銀は2026年1月22日・23日に金融政策決定会合を開催します。12月の会合で示された「主な意見」では、「円安や長期金利上昇の背景には、インフレ率に対し政策金利が低すぎることが影響している」という見解が示されました。

植田和男総裁は中立金利について、推計値の下限には「まだ少し距離がある」と述べており、利上げ継続の姿勢を示しています。市場では、1月会合では様子見となる見方が優勢ですが、声明文や記者会見の内容が今後の金融政策を占う上で重要視されています。

利上げ継続シナリオ

野村総合研究所のエコノミストは、次回の利上げは2026年9月、さらに2027年6月に政策金利が1.25%まで引き上げられると予想しています。「金利のある世界」への回帰が本格化する中、経済や金融市場への影響を注視する必要があります。

注意点・展望

よくある誤解

金利上昇は必ずしも経済全体にとってマイナスではありません。預金金利の上昇は家計の利息収入を増やし、過度な円安の是正にもつながる可能性があります。一方で、住宅ローン金利の上昇や企業の借入コスト増加など、マイナス面も無視できません。

今後の注目ポイント

2月8日の衆院選の結果は、今後の財政政策の方向性を決定づけます。消費税減税が実現すれば、財政悪化懸念から金利がさらに上昇するリスクがあります。一方、財政規律を重視する姿勢が示されれば、金利上昇に歯止めがかかる可能性もあります。

また、日本国債の格付け動向も重要です。格下げが現実となれば、海外投資家の売り圧力が強まり、金利上昇が加速する恐れがあります。

まとめ

日本の長期金利が27年ぶりに2.3%を突破した背景には、消費税減税をめぐる政治的動きと、それに伴う財政悪化懸念があります。国債費は過去最大となり、利払い負担は今後も増加する見通しです。

「金利のある世界」への回帰は、預金者にとってはプラスの面もありますが、財政運営や住宅ローン、企業の資金調達にとっては厳しい環境をもたらします。衆院選の結果と今後の財政政策の行方が、日本経済の重要な転換点となることは間違いありません。

参考資料:

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