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by nicoxz

キオクシア13%高、サンディスク急伸でNAND株に追い風

by nicoxz
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はじめに

2026年2月3日の東京株式市場で、キオクシアホールディングス(285A)の株価が前日比約13%高と大幅に反発しました。前日の米国市場でメモリーを共同開発する米サンディスク(SNDK)の株価が急伸し、その好影響が波及した形です。

同日の日経平均株価は終値で5万4720円66銭と史上最高値を更新。上昇幅は2065円と歴代5位を記録し、「半導体株ラリー」が再燃しました。本記事では、キオクシア株上昇の背景にあるサンディスクの動向、そしてAI需要拡大に伴うNANDフラッシュメモリ市場の最新動向について解説します。

サンディスク急伸がキオクシアに波及

シティグループの目標株価引き上げ

キオクシア株上昇のきっかけとなったのは、米サンディスクの株価急騰です。シティグループは2026年1月、サンディスクの目標株価を従来の280ドルから490ドルへと大幅に引き上げました。前週末終値を18%上回る水準への設定であり、アナリストの強気姿勢が鮮明になりました。

シティグループは、2027年にかけて「極めて良好な需給環境」が継続し、製品価格が上昇しやすいことも収益を押し上げると指摘しています。AI普及に伴うデータセンター関連のメモリー需要が堅調に推移していることが背景にあります。

サンディスクの好業績見通し

サンディスクは2026年1月30日、強気な業績見通しを発表しました。1〜3月期(第3四半期)の調整後1株利益(EPS)見通しは12〜14ドルと、市場予想の4.95ドルを大きく上回りました。これを受けて複数のアナリストが投資判断や目標株価を引き上げています。

サンディスクは2025年2月にウエスタン・デジタルから分離独立し、フラッシュメモリーとSSDに特化した「ピュアプレイ」銘柄として大きな注目を集めています。

日経平均最高値更新と半導体株ラリー

5万4720円の史上最高値

2026年2月3日、日経平均株価は終値で前日比2065円48銭(3.92%)高の5万4720円66銭となり、史上最高値を更新しました。上昇幅は歴代5位、上昇率は昨年10月6日以来約4カ月ぶりの大きさとなりました。

米株高や円安進行を受け、海外投機筋による株価指数先物への断続的な買いが相場を押し上げました。東証プライムの売買代金は概算で7兆5734億円に達し、値上がり銘柄数は1346と8割を占めました。

半導体株への期待再燃

キオクシアを含む半導体関連銘柄への買いが集中しました。米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が好調を維持しており、AI需要を背景とした半導体セクターへの期待が高まっています。

キオクシアは2025年に株価が約7倍に上昇し、2024年末比で断トツのパフォーマンスを記録しました。2026年もAI期待を背景に株高継続が見込まれています。

AI需要が牽引するNAND市場

データセンター向け需要の急拡大

AI需要の拡大は、NANDフラッシュメモリ市場に大きな追い風となっています。2025年第3四半期のエンタープライズSSD需要は、クラウドサービスプロバイダ(CSP)によるAIインフラの継続的な拡張が牽引し、NANDフラッシュメモリサプライヤ上位5社の合計売上高は前四半期比16.5%増の171億ドルとなりました。

キオクシアは主要サプライヤの中で最も高い成長率を記録し、売上高は30%以上急伸して9億7800万ドルに達しました。生成AIモデルの学習・推論に必要なストレージ容量が急増しており、エンタープライズSSD需要は年率30%以上の成長が見込まれています。

キオクシアの戦略的優位性

キオクシアは、SSD完成品に注力する競合他社とは異なるアプローチを採用しています。自社でSSDを開発するCSPにエンタープライズグレードのNANDフラッシュダイを提供するという柔軟な戦略で、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)やMicrosoft(マイクロソフト)などハイパースケーラー向けの事業拡大を狙っています。

キオクシアホールディングス副社長の太田裕雄氏は「AIではGPUやHBMだけでなく、ストレージにしっかり投資すべきだという認識がハイパースケーラーに浸透してきた」と話しています。

次世代製品と製造拠点の拡充

第10世代NANDの量産開始

キオクシアは2026年をめどに、第10世代と呼ぶ最先端のNAND型フラッシュメモリーを量産します。生成AI向けに高速で低電力のストレージ需要が高まっていることに応えるものです。

製造拠点も拡充しています。四日市工場は世界最大級のNAND製造拠点であり、北上工場(岩手県北上市)のK2棟が2025年9月に稼働開始しました。次世代NANDの生産は2026年に北上工場で始まる予定です。

設備投資は7200億円規模と大型ですが、経済産業省から最大2429億円の助成金が適用され、資金負担が軽減されています。

大容量SSDの開発

キオクシアは2025年8月のFMS(the Future of Memory and Storage)カンファレンスで、245.76テラバイトの大容量SSD「LC9シリーズ」を発表し、Best of Show Awardを受賞しました。年々データ量が増大する生成AIシステムに最適なソリューションとして高く評価されています。

注意点・今後の展望

需給逼迫と価格上昇

NAND市場では需給の逼迫が続いています。NAND価格は直近の四半期だけで15%上昇しており、今後数ヶ月でさらに40〜50%急騰する可能性も指摘されています。2026年供給分はすでに完売状態にあるとの見方もあります。

データセンター向けの比率は2026年に40%超へ拡大する見通しです。AI需要の継続的な成長が見込まれる一方、サプライチェーンのリスクや地政学的な不確実性にも注意が必要です。

NAND専業のリスクと機会

キオクシアはNAND専業メーカーとしての立ち位置にあります。これは市場環境によってはリスク要因となりますが、同社はこれを「強みに転化」する戦略を進めています。消費者向けメモリメーカーからAI向けメモリメーカーへの転換を図り、ハイパースケーラーとの関係強化を進めています。

まとめ

キオクシアの株価急伸は、サンディスクの好業績と株価上昇が直接的なきっかけとなりました。しかしその背景には、AI需要の爆発的な拡大とNANDフラッシュメモリ市場の構造的な成長があります。

日経平均が最高値を更新する中、半導体セクターへの期待は引き続き高まっています。キオクシアは次世代NAND技術の開発と製造拠点の拡充を進めており、AI時代のストレージ需要を取り込む体制を整えつつあります。

参考資料:

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