自民・維新が衆院選公約を発表、食料品消費税ゼロを重点に
はじめに
2026年1月21日、自民党と日本維新の会は、2月8日投開票の衆議院選挙に向けた公約をそれぞれ発表しました。両党とも食料品の消費税を2年間ゼロにする方針を柱に据え、分配政策を前面に打ち出しています。
一方で、2025年の参院選で注目されたライドシェア導入などの規制緩和策は、今回の重点項目から外れる形となりました。また、自民党は中国との「建設的・安定的な関係構築」を公約に盛り込み、外交姿勢にも注目が集まっています。
本記事では、両党の公約の内容と背景、そして今後の選挙戦への影響を詳しく解説します。
選挙の概要
日程と背景
第51回衆議院選挙は、2026年1月27日公示、2月8日投開票の日程で実施されます。高市早苗首相が1月23日の衆議院解散を表明しました。
自民党と日本維新の会は、2025年10月に連立政権合意書を交わし、連立政権を樹立しています。今回の衆院選は、連立政権として初めて挑む国政選挙となります。
連立合意の内容
両党の連立政権合意書には、「飲食料品については2年間に限り消費税の対象としないことも視野に法制化の検討を行う」と明記されていました。今回の公約は、この合意を具体化したものとなっています。
食料品消費税ゼロの方針
自民党の公約
自民党の公約では、2年限定で食料品を消費税の対象から除外することについて「検討を加速させる」と明記しました。
具体的には、社会保障と税の一体改革を議論する「国民会議」で財源や工程の検討を加速すると記載されています。自民党の鈴木俊一幹事長は「連立合意書に基づき、誠実に実現していくのが基本的な立場だ」と強調しています。
自民党は2025年の参院選公約では消費税減税を掲げていませんでしたが、維新との連立により方針転換した形です。
日本維新の会の公約
日本維新の会は「動かすぞ、維新が」と銘打った公約を発表し、食料品消費税2年間ゼロを「一丁目一番地」の政策として位置づけました。
藤田文武共同代表は「物価高で家計が非常にいたんでいる」と理由を説明。一方で「無制限な減税は論外だ。市場から信認を得られない」と指摘し、期限を設ける必要性を強調しました。
対象となる食料品の範囲
具体的な対象範囲はまだ明らかになっていませんが、現在の軽減税率(8%)の対象である「食品表示法に規定する食品(お米、野菜、肉、魚、パン、お菓子など)」に準じる可能性があります。酒類と外食は対象外(10%のまま)になると見られています。
規制緩和策の後退
ライドシェアの扱い
2025年の参院選で自民党が5本柱の一角に据えた規制緩和策は、今回の衆院選公約では重点項目から外れました。
ライドシェアについては、2024年4月に東京などの一部地域でタクシー会社が運営主体となる「日本版ライドシェア」のサービスが開始されました。政府の規制改革推進会議は2024年5月に全面解禁を認める法整備について意見を示しましたが、今回の公約ではこれ以上の推進が明確には謳われていません。
維新の規制改革姿勢
日本維新の会はこれまで「既得権に囚われない大胆な規制改革」を掲げ、ライドシェアに象徴される旅客運送業への参入障壁撤廃などを主張してきました。しかし、今回の公約では社会保険料引き下げや議員定数削減が前面に出ており、規制緩和は相対的に目立たなくなっています。
自民党の外交・安保政策
中国との関係
自民党の公約では、対日圧力を強める中国とは「建設的かつ安定的な関係」構築を掲げつつ、「挑発行為には冷静かつ毅然と対応する」と強調しました。
これは、緊張が高まる日中関係において、対話と抑止の両面を意識した表現と言えます。
安全保障関連
安全保障分野では、「新しい戦い方」への対応や継戦能力の確保を含む安全保障関連3文書の年内改定が盛り込まれました。また、防衛装備品輸出を救難や輸送に限定した「5類型」の撤廃も掲げています。
外国人政策では「国民の不安と不公平感に応える」として、住宅や土地の取得を把握できる制度の構築を明記。対外情報機関の設置や「外国代理人登録法」の整備も公約に含まれています。
日本維新の会のその他の重点政策
社会保険料の引き下げ
維新は社会保険料の引き下げを「一丁目一番地」として位置づけています。物価高で家計負担が増す中、現役世代の負担軽減を図る狙いがあります。
政治改革
衆議院の議員定数については、「次の国会で1割削減する」ことを掲げています。これは自民党との連立合意に基づくもので、両党は議員定数の1割削減について次期国会での法案成立を目指すとしています。
副首都構想
維新独自の政策として、副首都構想を実現するための「副首都法」制定が盛り込まれています。大阪、福岡、札幌などを候補とし、東京一極集中の是正を目指すとしています。
注意点・展望
財源問題
食料品消費税ゼロは、家計にとっては歓迎される政策ですが、財源の確保が課題となります。現在の軽減税率対象品目の消費税収は年間数兆円規模とされており、2年間の減税措置には相応の財政負担が生じます。
「国民会議」での検討を経て具体的な財源措置が決まることになりますが、社会保障費の財源との兼ね合いが論点となる可能性があります。
金利高・円安リスク
日本経済新聞は、消費減税論が自民党に波及していることについて「金利高・円安リスク」を指摘しています。財政悪化懸念から金利が上昇したり、円安が進行したりすれば、物価高対策としての減税効果が相殺されるリスクもあります。
選挙戦への影響
分配政策を前面に打ち出した両党の公約は、物価高に苦しむ有権者にアピールする狙いがあります。一方で、野党側からは「財源の裏付けがない」との批判も予想されます。
まとめ
自民党と日本維新の会は、2月8日投開票の衆院選に向けて、食料品消費税2年間ゼロを軸とした公約を発表しました。連立政権として分配政策を重視する姿勢を鮮明にした一方で、規制緩和策は後退しています。
自民党は中国との「建設的・安定的な関係構築」を掲げ、外交面でも注目を集めています。財源問題や経済への影響など課題は残されていますが、両党は連立政権として一体となって選挙戦に臨む構えです。
投開票まで残り約2週間。各党の公約が有権者にどう評価されるか、選挙戦の行方が注目されます。
参考資料:
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