三菱重工が急反発、衆院選の自民議席増観測で防衛株に追い風
はじめに
2026年1月29日、三菱重工業(7011)の株価が8営業日ぶりに急反発しました。前日比201円(4.53%)高の4635円を一時付け、取引時間中に大きな反発を見せました。終値は4528円(前日比+94円)となっています。
反発のきっかけとなったのは、2月8日投開票の衆議院選挙に関する情勢調査です。自民党が大幅に議席数を増やすとの結果が相次いで報じられ、高市政権の安全保障政策が継続・強化されるとの期待が防衛関連株全体を押し上げました。
衆院選情勢と株式市場の反応
自民党の議席増観測が市場を動かす
2026年1月27日に公示された衆議院選挙は、2月8日の投開票に向けた短期決戦の真っ最中です。高市早苗首相は解散前、与党で過半数233議席を目標に掲げ、「下回った場合は即刻退陣する」と明言しています。
解散時点で自民党は196議席、連立パートナーの日本維新の会と合わせて230議席と、過半数をわずかに下回っていました。しかし複数の情勢調査で自民党が大幅に議席を伸ばす見通しが示されたことで、市場は政権安定と政策継続を織り込み始めました。
過去のジンクスも追い風
過去の衆議院選挙のデータでは、解散日から投開票日までの期間に1969年以降17回連続で株価が上昇しているというジンクスがあります。今回もこの傾向に沿う形で、特に政権の政策方針に恩恵を受ける銘柄に資金が集まっています。
防衛関連株が注目される理由
高市政権の安全保障政策
高市首相は就任以来、安全保障の強化を重要政策として掲げてきました。防衛費の増額や装備品の国産化推進は、防衛関連企業にとって直接的な追い風です。衆院選で自民党が安定的な議席を確保すれば、これらの政策がさらに推進されるとの期待が高まります。
欧州でも防衛支出の拡大が進んでおり、欧州の防衛関連株も上昇基調にあります。こうした世界的な安全保障環境の変化も、日本の防衛関連株への関心を高めている要因です。
三菱重工の位置づけ
三菱重工業は日本の防衛産業のリーダー企業です。戦闘機、護衛艦、ミサイルなど幅広い防衛装備品を手がけ、防衛省の主要調達先となっています。防衛費の増額は同社の受注増に直結するため、防衛政策の動向は株価に大きな影響を与えます。
同社の株価は2025年2月の安値1978円から右肩上がりの上昇トレンドが続いており、2026年1月13日には4660円の高値を記録しました。約1年で2.3倍以上の上昇を遂げており、防衛セクターへの市場の期待の大きさがうかがえます。
防衛セクター全体の動向
「高市トレード」の広がり
防衛関連株の上昇は三菱重工に限った動きではありません。川崎重工業(7012)やIHI(7013)といった他の防衛関連銘柄も株価の最高値を更新しており、市場では「高市トレード第2幕」とも呼ばれる防衛セクター全体の上昇が見られます。
防衛関連銘柄への資金流入は、衆院選の情勢だけでなく、地政学的リスクの高まりや欧州での防衛費拡大の流れも反映しています。日本の防衛産業は構造的な成長局面にあるとの見方が、セクター全体の評価を押し上げています。
防衛関連以外の注目銘柄
衆院選を控えた株式市場では、防衛関連のほか、インフラ投資関連や経済安全保障に関わる銘柄にも物色が広がっています。高市政権が掲げる「予算単年度主義の壁を超える」という方針は、複数年にわたる機動的な財政出動を可能にするもので、公共投資関連銘柄にも恩恵が及ぶ可能性があります。
注意点・展望
選挙結果次第のリスク
情勢調査は投票日前の予測であり、実際の選挙結果が異なる可能性は常にあります。与党が過半数を割り込んだ場合、高市首相は退陣を明言しており、政権交代となれば防衛政策の方向性が変わる可能性があります。選挙結果が確定するまで、株価の変動性は高い状態が続くでしょう。
バリュエーションへの注意
三菱重工の株価は1年で2倍以上に上昇しており、バリュエーション(株価評価)面での割高感を指摘する声もあります。防衛費増額による業績拡大が期待通りに進むかどうか、受注の具体的な内容や時期を見極める必要があります。
まとめ
三菱重工業の株価急反発は、衆院選で自民党の議席増が見込まれるとの情勢報道がきっかけです。高市政権の安全保障政策の継続・強化への期待が、防衛関連株全体を押し上げています。
2月8日の投開票まで、選挙情勢に関する報道が株式市場を動かす展開が続きそうです。防衛セクターの中長期的な成長期待は根強いものの、短期的には選挙結果という不確実性を抱えている点には注意が必要です。
参考資料:
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