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by nicoxz

参政党が自民王国に刺客、保守票奪取へ地方でも積極擁立

by nicoxz
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はじめに

2026年2月8日に投開票を迎える衆議院選挙で、参政党が自民党が長年議席を守ってきた「自民王国」と呼ばれる地域に「刺客」候補を積極的に擁立する方針を打ち出しています。

2024年の衆院選では首都圏や大阪圏の小選挙区を中心に候補者を立てていた参政党ですが、今回は地方にも擁立を広げ、自民党から保守票を奪取する構えです。一方で、高市早苗首相を支持する候補者とは棲み分けを図るなど、戦略的な動きも見られます。

本記事では、参政党の選挙戦略、同党が掲げる政策、そして保守票をめぐる各党の攻防について詳しく解説します。

参政党の候補者擁立戦略

小選挙区への積極展開

神谷宗幣代表は、次期衆院選について全国47の都道府県庁所在地を含む「1区」に候補者を原則擁立する考えを表明しています。「基本的に1区には全部立てる」と述べ、比例代表全国11ブロックすべてにも候補者を立てる方針です。

2026年1月20日時点で、参政党の小選挙区公認候補予定者は65人に上っています。2024年の衆院選では小選挙区に85人、比例代表に10人を立てましたが、今回は地方にも擁立を広げ、自民党の「牙城」に切り込む姿勢を鮮明にしています。

100人超の擁立目標

神谷代表は2025年9月の記者会見で、次期衆院選に100人を超える候補者を擁立する方針を示しました。「100は最低、上限として目標は150ぐらいを出せればいい」と強気の姿勢を見せています。

早期の衆院解散に備え、秋にも100人規模を擁立する準備を進めてきたといいます。候補者選定については「非常に難しい」としながらも、現在150人超いる地方議員も候補者の対象となることを明かしています。

議席獲得の目標

参政党が掲げる目標議席数は、衆院で30〜40議席です。神谷代表は「25〜30ぐらいが現実的な数字」とも述べています。参院と合わせて「50から60議席ぐらいの政党になることを目標にしている」と、国政における存在感の拡大を目指しています。

ある予測では、2026年衆院選で参政党は現在の3議席から16議席に躍進するとも見込まれています。

保守票争奪戦の構図

自民党支持層の流出

参政党の躍進の背景には、自民党支持層からの票の流出があります。2022年の安倍晋三元首相の死去と旧統一教会問題、その後の「裏金問題」を経て、清和会を支持していた右派や保守層の一部が参政党や国民民主党、日本保守党に流れました。

政治学者の分析によると、「物価問題など経済対策を心配する人は国民民主、外国人問題を心配する人は参政に投票した」とされています。比例票を見ると、与党の大敗を招いた票は参政党や国民民主党といった保守系の政党に流れたとの指摘もあります。

参院選での躍進

2025年7月の参院選で、参政党は選挙区と比例区を合わせて14議席を獲得する躍進を遂げました。前回参院選の1議席から大幅な伸びです。

読売新聞の出口調査によると、「石破内閣を支持しないと答えた人のうち18%が参政に投票した」とされ、国民民主党(16%)、立憲民主党(14%)を抑え、政権批判票の最大の受け皿となりました。

高市首相との関係

高市早苗首相が就任したことで、保守票をめぐる構図に変化が生じています。高市内閣は特に20代から40代の若い世代の支持率が高く、岸田・石破両内閣で離れていった層を引き戻しているとされます。

国民民主党や参政党の支持者が高市内閣を支持しているのも特徴で、高市首相の政治スタイルやストレートな発言が好意的に受け止められています。「高市効果」により参院選で奪われた保守層を取り戻せるかどうかが、今回の衆院選のカギとなります。

高市支持候補との棲み分け

参政党は、高市首相を明確に支持する候補者とは棲み分けを図る戦略も取っているといいます。保守層の分裂を避け、反自民の保守票を効率的に取り込む狙いがあると見られます。

ただし、高市首相自身は橋下徹氏から「参政党や日本保守党とグループを組めばいい」と言われた際に、SNSで明確に否定。約29年間自民党の支部長として活動してきたことを強調し、離党の意思がないことを表明しています。

参政党の主要政策

外国人政策

参政党は「日本人ファースト」を掲げ、外国人政策の抜本的な見直しを主張しています。無秩序な外国人受け入れによる国民生活への影響を懸念し、「外国人総合政策庁」を設置して国益を守る外国人政策を一元的に管理することを提案しています。

具体的には、外国人への生活保護の支給停止、公務員の採用制限、日本文化の遵守の厳格化などを公約に掲げており、最も厳しい外国人政策を主張する政党として注目を集めています。

食料安全保障

日本の食料自給率(カロリーベース)がわずか38%と先進国最低水準であることを問題視し、10兆円規模の予算をかけて10年以内に自給率を倍増、2050年には100%達成を目指すとしています。

農家への所得補償や第一次産業従事者の公務員化も視野に入れ、待遇改善による優秀な生産者の維持確保を掲げています。また、有機食材を活用した地産地消型の学校給食の推進も主要政策の一つです。

教育政策

学力(テストの点数)より学習力(自ら考え自ら学ぶ力)の高い日本人の育成を目指しています。教育バウチャー制の導入を提唱し、フリースクール等すべての子供に最適で多様な教育環境を整えることを掲げています。

具体的には、子ども1人につき月10万円の教育給付金を支給することを公約としており、日本国籍を有する家庭を優先対象にするとしています。また、自虐史観を捨て日本に誇りが持てる教育を推進するとしています。

2026年衆院選の構図

選挙日程

高市首相は1月23日召集の通常国会冒頭で衆議院を解散することを表明しました。選挙日程は1月27日公示、2月8日投開票となります。解散から投開票まで戦後最短の16日間での選挙戦となります。

1月解散・2月投開票は今回で3回目という異例の「真冬の決戦」です。野党の準備不足を突く狙いがあるとの見方もあります。

政治勢力の構図

現在の政治構図は、「保守」「中道」「リベラル」の3極対立が明確になっています。左右のイデオロギーで見ると、参政党・日本保守党が保守の右側で、その次に自民党・維新、中道に国民民主党・公明党・立憲民主党の順で並ぶ形です。

自民党と日本維新の会の連立与党は衆議院で233議席(過半数ライン)を確保していますが、参議院では過半数に6議席届かない状態が続いています。

各党の思惑

高市首相は「政策実行には安定した政治基盤が必要」として解散を決断しました。参政党や国民民主党に奪われた保守層を取り戻し、与党の基盤強化を図る狙いがあります。

一方、参政党は自民党の「王国」に刺客を送り込み、保守票の更なる奪取を目指します。高市政権が誕生したことで、政権批判票を得にくくなった面はありますが、外国人政策など独自の主張で差別化を図る戦略です。

注意点・展望

よくある誤解

参政党は「極右政党」と見なされることもありますが、経済政策では左派的な要素(農家への所得補償、教育給付金など)も含んでいます。単純な左右の軸では捉えきれない政党といえます。

また、参政党と日本保守党は同じ保守系政党ですが、政策的な重点や支持基盤に違いがあります。参政党は食料安全保障や教育政策を重視し、日本保守党はより伝統的な保守主義を掲げています。

今後の見通し

2月8日の投開票に向けて、保守票をめぐる争奪戦は激化する見通しです。参政党が目標とする30〜40議席を獲得できるかどうかは、高市政権への評価と、自民党支持層の動向に左右されます。

短期決戦となる今回の選挙では、知名度と組織力が勝敗を分ける可能性があります。参政党は地方議員を候補者として擁立する戦略も視野に入れており、どこまで票を伸ばせるかが注目されます。

まとめ

参政党は2026年2月8日投開票の衆院選で、自民党が長年議席を守ってきた「自民王国」に刺客候補を積極擁立する方針です。65人以上の候補者を小選挙区に立て、地方にも戦線を拡大しています。

2025年参院選で14議席を獲得した躍進を背景に、衆院でも30〜40議席の獲得を目指しています。「日本人ファースト」の外国人政策、食料自給率倍増、教育バウチャー制など独自の政策を掲げ、自民党から保守票を奪取する構えです。

高市首相の登場で保守票をめぐる構図は複雑化していますが、参政党は高市支持候補との棲み分けも図りながら、着実に支持拡大を狙っています。真冬の短期決戦で、どこまで存在感を示せるか注目されます。

参考資料:

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