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by nicoxz

トランプ氏のNATO「後方発言」に英国が猛反発、謝罪求める

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はじめに

2026年1月22日、トランプ米大統領がアフガニスタン戦争における北大西洋条約機構(NATO)軍の貢献について「彼らは少し後方にいて、前線から少し離れたところにいた」と発言し、多くの犠牲者を出した英国をはじめとする同盟国で怒りが広がっています。

英国のスターマー首相は23日、この発言を「侮辱的であり、率直に言って言語道断」と厳しく批判。アフガニスタンで457人の軍人を失った英国にとって、この発言は深い傷を負った国民感情を逆なでするものとなりました。

この記事では、トランプ発言の内容と各国の反応、そして米英関係への影響について解説します。

トランプ大統領の発言内容

ダボスでのインタビュー

トランプ大統領は1月22日、スイスのダボスで行われたFOXニュースのインタビューで、NATOとの関係について語りました。

「我々は彼らを必要としたことがなく、彼らに何かを求めたこともない。彼らはアフガニスタンに兵士を送ったとか、あれこれ言うだろうが、確かに送った。しかし彼らは少し後方に留まり、前線から少し離れたところにいた」

この発言は、NATOが米国の集団防衛義務を発動した唯一の事例である2001年以降のアフガニスタン戦争について、同盟国の貢献を軽視するものとして受け取られました。

発言の背景

トランプ大統領は以前からNATOに対し、防衛費負担の公平性を求める姿勢を示してきました。今回の発言も、同盟国により多くの負担を求める文脈の中で行われたとみられます。しかし、アフガニスタンでの犠牲者を軽視するような表現は、同盟国の強い反発を招きました。

英国の反応

スターマー首相の猛烈な批判

スターマー首相は23日の記者会見で、トランプ発言に対し異例の強い言葉で反論しました。

「私はトランプ大統領の発言を侮辱的であり、率直に言って言語道断だと考えます。この発言が国中でこれほどの傷みを引き起こしたことに驚きません」

首相はアフガニスタンで命を落とした457人の英軍兵士に敬意を表し、「彼らの犠牲を決して忘れない」と誓いました。さらに「もし私がこのような言い間違いをしたり、このような言葉を言ったりしたら、確実に謝罪するでしょう」と述べ、暗にトランプ大統領に謝罪を求めました。

退役軍人相の怒り

英国の退役軍人相アリステア・カーンズ氏は、自身もアフガニスタンに5度派遣された経験を持ちます。同氏はトランプの主張を「まったくもって馬鹿げている」と断じました。

「多くの国から勇敢で名誉ある軍人たちが前線で戦いました。私たちは共に血と汗と涙を流しました。そして全員が帰国できたわけではありません」

ハリー王子の声明

アフガニスタンに2度従軍したハリー王子も声明を発表しました。

「私はそこで従軍しました。そこで生涯の友人を作りました。そして友人を失いました。これらの犠牲は、真実と敬意をもって語られるに値します」

王子は外交と平和の防衛のために団結し続けることの重要性を強調しました。

アフガニスタン戦争における英国の貢献

犠牲者の実態

2001年から2021年の20年間にわたる英軍のアフガニスタン派遣で、457人が命を落としました。このうち405人は敵対的な軍事行動により死亡しています。

犠牲者数は2009年と2010年にピークを迎え、これらの年にはそれぞれ100人以上の兵士が殺害されました。これは英国がヘルマンド州という最も危険な地域の担当を任されていた時期と重なります。

大規模な派兵

英国防省によると、2001年9月から2021年8月までの間に15万人以上の英軍兵士がアフガニスタンに派遣されました。これは米国に次ぐ規模であり、英国がNATOの中で米国に次ぐ第2位の貢献国であったことを示しています。

2010年のピーク時には約1万人の英軍がアフガニスタン全土に展開していました。

NATO全体の犠牲

アフガニスタン戦争全体を通じて、NATO連合軍の死者は3,621人に達しました。このうち米軍が68%を占め、英国、カナダ、フランスが残りの約20%を占めています。

2011年、当時のゲーツ米国防長官は退任演説で「非米NATO加盟国から850人以上の兵士がアフガニスタンで究極の犠牲を払った。多くの同盟国にとって、これは第二次世界大戦終結以来初めての戦死者だった」と述べ、同盟国の貢献を称えていました。

トランプ大統領のその後の対応

称賛の投稿

トランプ大統領は24日、自身のSNS「Truth Social」に投稿し、「偉大で非常に勇敢な英国の兵士たちは、常にアメリカ合衆国と共にある」と述べました。

さらに英国軍を「最も偉大な戦士の一人」と形容し、「英国軍は、米国を除いて、心と魂において比類なき存在だ。皆を愛している、そしてこれからも愛し続ける」と付け加えました。

謝罪はなし

しかし、トランプ大統領は発言に対する直接的な謝罪は行いませんでした。スターマー首相官邸によると、両首脳は24日に電話会談を行い、この問題について協議したとのことです。

米英関係への影響

「特別な関係」への試練

英米間には「特別な関係」と呼ばれる緊密な同盟関係があります。今回の発言は、この関係に試練をもたらす可能性があります。

英国政府は、貿易や安全保障で米国との協力を維持する必要がある一方、国内世論に配慮し、トランプ発言に明確に反論せざるを得ない立場に置かれています。

NATO同盟の緊張

トランプ発言は英国だけでなく、カナダやその他のNATO同盟国でも批判を招きました。カナダの退役軍人たちも「ひどい、卑劣な発言」と非難しています。

NATOは2001年の9.11同時多発テロ後、史上初めて集団防衛義務(第5条)を発動し、アフガニスタンでの作戦に参加しました。トランプ発言は、この歴史的な同盟の結束を危うくするものとして懸念されています。

まとめ

トランプ大統領のNATO「後方発言」は、アフガニスタン戦争で多大な犠牲を払った英国をはじめとする同盟国に深い傷を与えました。457人の英軍兵士がアフガニスタンで命を落とし、その多くがヘルマンド州という最も危険な前線で戦った事実は、トランプ発言と明らかに矛盾します。

スターマー首相の異例の強い批判に対し、トランプ大統領は英国軍を称賛する投稿を行いましたが、謝罪には至っていません。この問題は米英関係、さらにはNATO同盟全体の結束に影響を与える可能性があり、今後の展開が注目されます。

参考資料:

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