2026年大発会、日経平均1493円高の好発進
はじめに
2026年の株式市場が華々しくスタートしました。1月5日の大発会で、日経平均株価は前営業日比1493円(2.97%)高の5万1832円と急騰しました。1日の上げ幅は過去8番目の大きさです。
米国市場での半導体株上昇を受け、東京市場でもAI関連銘柄が買われました。この記事では、大発会の相場動向、上昇の要因、そして2026年の株式市場の見通しについて詳しく解説します。
大発会の相場動向
日経平均の急騰
2026年の大発会は、年末年始の休場明けとなる1月5日に開催されました(1月4日が日曜日のため)。日経平均株価は、昨年末の大納会終値5万339円から大きく上昇し、取引時間中には一時1400円超高まで上昇する場面もありました。
終値は1493円高の5万1832円となり、5万1000円台をつけたのは2025年12月以来のことです。TOPIX(東証株価指数)も史上最高値を更新しました。
売買代金と投資家動向
東証プライム市場の売買代金は活発で、海外投資家を含む幅広い市場参加者からの買いが入りました。連休中の米国株式市場や為替市場に大きな波乱がなかったことで、安心感から買いが先行しました。
上昇の主な要因
米国半導体株の急騰
大発会の上昇を牽引したのは半導体関連銘柄です。1月2日の米株式市場で、主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%上昇しました。この流れを受けて、東京市場でも半導体関連株に買いが集まりました。
AI関連銘柄の寄与
日経平均の上昇に最も貢献したのは、AI関連の半導体銘柄でした。アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの3銘柄だけで日経平均を800円あまり押し上げました。
レーザーテクやイビデンなどの半導体関連銘柄も軒並み上昇し、AI需要への期待が継続していることを示しました。
根強いAI需要への期待
人工知能(AI)の普及を背景に、旺盛な半導体需要が続くとの見方が市場で根強く残っています。2025年はエヌビディアを筆頭にAI関連銘柄が世界的に上昇しましたが、2026年もこのトレンドが継続するとの期待が買いを支えています。
円安の追い風
東京外国為替市場で円相場が1ドル=157円台まで下落したことも、株高を後押ししました。円安は輸出企業の業績にプラスに働くため、トヨタ自動車などの輸出関連株も上昇しました。
ベネズエラ情勢の影響は限定的
1月3日に米軍がベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束するという地政学リスクが発生しましたが、市場への影響は限定的でした。原油価格の急騰もなく、投資家心理を大きく冷やすには至りませんでした。
2026年の株式市場見通し
証券会社の予想
主要証券会社は2026年の株式市場に対して強気の見方を示しています。
野村證券は、日経平均株価について2026年末に5万5000円をメインシナリオとしています。日本の金融経済が「デフレ時代の歴史的産物」を脱しつつある可能性に注目しています。
大和アセットマネジメントは、日経平均について2026年末に5万6000円、2027年末には6万円到達を予想しています。関税影響が低減する中で企業収益は力強く成長するとの見方です。
注目テーマ
2026年の日本株市場で注目されるテーマは以下の通りです。
AI・半導体関連 エヌビディアを中心としたAI半導体の需要は2026年も継続すると予想されています。日本企業では、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなどが引き続き注目されます。
フィジカルAI 産業用ロボットにAIを搭載する「フィジカルAI」も注目テーマです。安川電機やファナックがエヌビディアと提携し、AI実装を推進しています。
TOPIXの優位性 一部のアナリストは、2026年はTOPIXが日経平均よりも優位な相場になると予想しています。日経平均は一部の値がさ株に依存しやすい構造があるためです。
大発会のアノマリー
「一年の計は大発会にあり」
株式市場には「一年の計は大発会にあり」という格言があります。新年の取引初日の動きが、その年の相場の方向性を示すという経験則です。
2026年の大発会が大幅高となったことは、年間を通じた株高への期待を高めています。ただし、過去のデータでは大発会が必ずしもご祝儀相場になるとは限らないという分析もあります。
干支のアノマリー
2026年の干支は「午(うま)」です。相場格言では「午は尻下がり」と言われ、年初は好調でも後半に下落しやすい傾向があるとされています。あくまで経験則ですが、年後半の相場には注意が必要かもしれません。
1月のアノマリー
過去のデータによると、1月の日経平均の勝率は68%とされています。年初は新規の資金が流入しやすく、株高になりやすい傾向があります。
今後の注目点
週後半のイベント
大発会後の週後半には、米国で12月雇用統計など注目度の高い経済指標の発表が控えています。また、オプションSQ(特別清算指数)も週末に控えており、積極的に上値を追いづらい環境との見方もあります。
地政学リスク
ベネズエラ情勢の影響は限定的でしたが、米国の対外政策によっては市場が動揺する可能性があります。トランプ大統領はグリーンランドやパナマ運河への関心も示しており、地政学リスクは引き続き注視が必要です。
為替動向
円安基調は輸出企業にとってプラスですが、日銀の金融政策次第では円高に転じる可能性もあります。為替の変動は株価に大きな影響を与えるため、注意が必要です。
まとめ
2026年の大発会は、日経平均株価が1493円高と過去8番目の上げ幅を記録する好スタートとなりました。米国市場での半導体株上昇を受け、AI関連銘柄が相場を牽引しました。
証券各社は2026年末の日経平均について5万5000円〜5万6000円を予想しており、強気の見方が広がっています。AI・半導体関連は引き続き注目テーマとなりそうです。
参考資料:
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