ユーロ対ドル4カ月ぶり高値圏、円も153円台に急伸
はじめに
2026年1月26日のロンドン外国為替市場で、ユーロが対ドルで約4カ月ぶりの高値圏での推移を続けています。英国時間9時30分時点では1ユーロ=1.1855〜65ドルと、前週末比0.0105ドルのユーロ高・ドル安水準となりました。
同時に円相場も急伸し、一時1ドル=153円台半ばまで上昇しています。この動きの背景には、日米の金融当局が連携して円買い・ドル売りの協調介入に動く可能性が意識されていることがあります。
本記事では、ユーロ高・ドル安の背景、円相場の急伸要因、そして今後の為替見通しについて詳しく解説します。
ユーロ高・ドル安の進行
4カ月ぶりの高値圏
ユーロは対ドルで約4カ月ぶりとなる高値圏で推移しています。1月26日のロンドン市場では1ユーロ=1.1855〜65ドル水準で取引されており、ドル全面安の展開となっています。
英ポンドに対してもドル売りが続いており、主要通貨に対するドルの下落が鮮明になっています。
ドル安の背景
ドル安が進行している最大の要因は、日米当局による協調介入への警戒感です。先週末(1月23日〜24日)に日米の金融当局が「レートチェック」を実施したとの観測が広がり、実際の為替介入に発展する可能性が意識されています。
レートチェックとは、当局が市場参加者に為替レートの提示を求める行為で、介入の前段階と見なされています。通常、単独で行われることが多いこの動きが、今回は日米同時に行われた可能性があるとして、市場に大きなインパクトを与えました。
円相場の急伸
159円台から153円台へ
1月23日の日銀・植田和男総裁の記者会見終了時点では1ドル=159円台前半で推移していた円相場は、その後急速に円高方向へ進みました。
まず約10分間で157円台前半まで2円ほど上昇。さらにニューヨーク時間に入り、ニューヨーク連銀がレートチェックを実施したとの観測が広がると、155円台後半まで円高が進行しました。
週明け26日も円買いの流れは続き、東京市場では154円台割れ、ロンドン市場では153円台半ばまで円高が進んでいます。
クロス円も総じて円高
円高はドル円だけでなく、クロス円全般にも及んでいます。1月26日のロンドン市場では、ユーロ円が181.79円、ポンド円が209.62円とそれぞれ安値を更新しました。
日米協調の可能性が意識される中、円は主要通貨に対して全面高の展開となっています。
日米協調介入の可能性
レートチェックの衝撃
1月23日、日本の通貨当局による「レートチェック」との報道に続き、米東部時間の同日午前11時30分頃(日本時間24日午前1時30分)にはニューヨーク連銀もレートチェックを実施しているとの情報が市場で広がりました。
2022年と2024年の日本の為替介入は単独で行われましたが、今回は米国当局も協調しているとの憶測が高まり、市場の介入警戒感はこれまで以上に高まっています。
過去の日米協調介入
日米協調でのドル売り・円買い介入が実現したのは1998年6月のことです。当時は大手金融機関の経営破綻が相次ぎ、日本の経済危機への懸念が広がる中、日本単独の円買い介入では円安が止まらない状況にあり、「最後の切り札」として発動されました。
それ以来約28年ぶりとなる日米協調介入が行われるのか、市場の関心が高まっています。
財務省の姿勢
三村淳財務官は1月26日、記者団の取材に対し「今後とも必要に応じて米当局と緊密に連携しながら適切に対応していきたい」と述べ、日米連携の姿勢を明確にしました。
投機的な動きに対しては断固たる対応をとるという従来のスタンスを維持しつつ、米国との協調体制をアピールする形となっています。
市場への影響と今後の見通し
介入効果の持続性
過去の為替介入時の値動きを振り返ると、介入初日の値幅(高値-安値)は平均で5円30銭、終値では高値から平均で3円64銭の円高・ドル安となっています。
1月23日も終値が高値対比で3円53銭の円高となり、おおむね過去の値動きに近い結果となりました。ただし、介入効果が持続するかどうかは、日米の経済指標や金融政策などファンダメンタルズの変化に依存します。
155円ラインが焦点
市場では155円ラインが当面の焦点となっています。追加の介入が実施されれば155円割れを試す可能性がある一方、介入がなければ157〜158円台への戻りも想定されます。
実際、週明けには155円台後半から155円割れへと値を飛ばして取引が開始され、その後も神経質な上下動が続いています。
米国側の姿勢
2026年1月14日の日米財務省会談後の概要によると、ベッセント財務長官は日本の為替介入に一定の理解を示しつつも、円安是正には日本銀行の金融政策正常化の継続がより重要だとみている可能性があります。
協調介入には高いハードルがあるとの見方もあり、今後の展開は予断を許しません。
注意点・展望
介入警戒が続く間の値動き
介入があったかどうかの疑念を含め、当面の為替市場では介入警戒から、米ドル円相場が上値を試す動きは沈静化する公算が大きいとみられています。
159円台では実弾介入への警戒が必要とされており、投機筋も積極的な円売りポジションの構築を控える可能性があります。
日銀の金融政策が鍵
長期的な円相場の方向性を決めるのは、日銀の金融政策です。植田総裁の会見が「追加利上げに慎重」と受け止められたことが、一時的な円安進行の要因となりました。
今後の日銀会合で追加利上げが示唆されれば、円高基調が強まる可能性があります。逆に、利上げに慎重な姿勢が続けば、介入効果は一時的なものにとどまる可能性もあります。
まとめ
ユーロの対ドル4カ月ぶり高値と円の153円台への急伸は、日米協調介入への警戒感を反映した動きです。1998年6月以来となる日米協調でのドル売り介入が実現するかどうかは不透明ですが、市場の介入警戒感は当面続くとみられます。
為替市場は転換点を迎えている可能性があり、投資家は日米金融当局の動向と日銀の金融政策を注視する必要があります。
参考資料:
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