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by nicoxz

金が国内初の1グラム3万円台、歴史的高騰の背景を解説

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はじめに

金(ゴールド)の国内小売価格が2026年1月29日、初めて1グラムあたり3万円を突破しました。指標となる田中貴金属工業の店頭小売価格(税込み)は、前日比2,263円高の1グラム3万248円を記録しています。

2025年9月に初めて2万円を超えてからわずか4カ月で1万円も値上がりした計算です。ニューヨーク先物市場でも1トロイオンス4,000ドルの大台を突破しており、金価格の上昇は世界的な現象です。

この歴史的な高騰の背景には、単なる一時的な投機ではなく、国際通貨体制や地政学的な構造変化があります。本記事では、金価格がなぜここまで上昇しているのか、その根本的な要因と今後の見通しを解説します。

金価格高騰を支える3つの構造要因

ドル離れの加速と米国の財政懸念

金価格高騰の最大の推進力は、世界的な「ドル離れ」の動きです。米国の連邦債務が過去最大規模に膨らむなか、ドルの長期的な信認に対する懸念が強まっています。

2026年1月27日にはトランプ大統領が「ドル安は素晴らしい」と発言し、ドル指数が約4年ぶりの低水準に急落しました。基軸通貨であるドルの価値が揺らぐとき、代替的な価値保存手段として金への需要が高まるのは歴史的にも繰り返されてきたパターンです。

米国の追加関税政策への懸念も金買いを後押ししています。貿易摩擦の激化は世界経済の不確実性を高め、安全資産への資金シフトを促進します。

各国中央銀行による記録的な金購入

金価格を下支えしているもうひとつの重要な要因は、各国中央銀行による記録的な購入です。中国、インド、トルコなどの新興国を中心に、外貨準備に占める金の比率を高める動きが加速しています。

この動きの背景には、ドル依存からの脱却を図る戦略的な判断があります。ロシアに対する経済制裁でドル建て資産が凍結された事例は、各国に「ドルに過度に依存するリスク」を強く認識させました。中央銀行は短期的な価格変動で売却する投資家とは異なり、国家の安全保障として金を保有するため、多少の価格上昇では売りに出ません。この「売らない買い手」の存在が、金価格の下値を強固に支えています。

地政学リスクの常態化

ウクライナ情勢、中東の紛争、米中対立など、複数の地政学リスクが同時進行する状況が続いています。従来の「有事の金」は一時的な危機対応でしたが、現在はリスクの常態化により、金への構造的な資金流入が続いています。

さらに、米国によるベネズエラのマドゥロ大統領拘束など、新たな地政学的緊張も発生しており、リスク回避の資金が金に向かう流れは当面続く可能性があります。

国内価格の特殊要因:円安の影響

為替要因が国内価格を押し上げ

国内の金価格は、国際価格(ドル建て)に為替レートを掛け合わせて算出されます。このため、円安が進むと国際価格が横ばいでも国内価格は上昇します。

2025年から2026年にかけて円安基調が続いており、ドル建ての金価格上昇と円安が同時に進行したことで、国内価格の上昇幅が国際価格以上に大きくなっています。2万円から3万円への急騰には、この為替要因も大きく寄与しています。

従来の相関関係の崩壊

注目すべきは、近年の金価格が従来の法則に従わなくなっている点です。かつては金利が上昇すると金価格は下落するのが常識でした。利子のつかない金は、金利上昇局面では相対的に魅力が低下するためです。

しかし現在は、金利や株式が上昇局面であっても金が買われる状況が生まれています。これは、金が単なる金融商品ではなく、通貨システムそのものへの不信任を反映した「究極の安全資産」として認識されていることを示しています。

注意点・展望

金価格が高騰を続けるなか、個人投資家が注意すべき点があります。まず、金は利子や配当を生まない資産です。価格が上昇している局面では魅力的に映りますが、下落局面では収益がゼロになるリスクがあります。

また、国内価格は為替の影響を強く受けるため、円高に振れた場合には国際価格が上昇しても国内価格が下落する可能性があります。金への投資を検討する際は、為替リスクも考慮に入れる必要があります。

今後の見通しについて、ゴールドマン・サックスは2026年末の金価格予想を1トロイオンス5,400ドルに引き上げています。中央銀行の構造的な買いが続く限り、金価格の上昇トレンドは維持される可能性が高いという見方が有力です。

まとめ

金の国内価格が初めて1グラム3万円を突破した背景には、ドル離れの加速、各国中央銀行の記録的な金購入、地政学リスクの常態化という3つの構造的要因があります。さらに円安が国内価格の上昇を増幅させています。

これらの要因は短期的なものではなく、国際通貨体制の構造変化を反映しています。金価格の動向は、世界経済の不確実性を映し出す鏡として、今後も注視が必要です。

参考資料:

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