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by nicoxz

金価格2万7000円台突破、米欧対立で最高値更新

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はじめに

2026年1月21日、金(ゴールド)価格が急騰し、国内指標となる田中貴金属工業の店頭小売価格は前日比1,096円(4.2%)高の1グラム2万7,287円を記録しました。2万7,000円台は史上初めてです。

国際市場でも金価格は急伸しています。ロンドン現物とニューヨーク先物(中心限月)は同日のアジア時間取引で1トロイオンス4,800ドルを超え、前日比100ドル以上の大幅高となりました。

この急騰の背景には、トランプ米大統領によるグリーンランド取得を巡る欧州諸国への関税発動の表明があります。米欧対立の激化により、投資家が安全資産である金への逃避を強めています。本記事では、金価格急騰の要因と今後の見通しについて詳しく解説します。

金価格急騰の背景

グリーンランド問題と米欧対立

金価格急騰の直接的なきっかけは、トランプ米大統領によるグリーンランド取得を巡る発言です。トランプ大統領は1月17日、デンマーク自治領グリーンランドを米国が取得するまで、欧州8カ国からの輸入品に10%の追加関税をかけると表明しました。

対象となるのはデンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、英国の8カ国です。2月1日から10%の追加関税を課し、6月1日までに合意が成立しなければ税率を25%に引き上げる方針を示しています。

欧州の報復措置と緊張激化

欧州側は強く反発しています。欧州連合(EU)は対抗措置の検討に入り、930億ユーロ(約17兆円)規模の報復案を示してトランプ大統領に撤回を求めています。

マクロン仏大統領は欧州諸国の代表者らと緊急会合を開き、EUに「貿易バズーカ」と呼ばれる反威圧措置(ACI)の発動を要請しました。この措置が発動されれば、EU市場へのアクセス制限や輸出規制など、米国への幅広い対抗措置が適用される可能性があります。

米欧を中心とする軍事同盟NATOは、1949年の発足以来で最大級の内部対立に直面しています。これまで「政冷経熱」の色彩を強めていた欧米関係は、急速に「政冷経冷」へと向かいつつあります。

安全資産としての金への逃避

投資家心理の変化

地政学的リスクの高まりにより、投資家は株式などのリスク資産から安全資産への逃避を加速させています。トランプ大統領の関税発動表明を受け、欧州の株価は下落し、S&P 500先物は0.7%下落、Nasdaq 100先物はほぼ1%下落しました。

一方で金価格は最高値を更新し続けています。金は歴史的に、地政学的緊張や経済不安が高まる局面で価値が上昇する傾向があります。今回も「有事の金」としての性質が発揮された形です。

2026年の金価格推移

2026年に入ってから金価格は急激な上昇を続けています。1月14日には、米ドル円が1ドル159.45円を記録する円安進行もあり、国内の金小売価格は1グラム2万6,051円と史上最高値を更新しました。

1月19日にはトランプ大統領の関税示唆を受けて再び最高値を更新し、国際価格は1トロイオンス4,676.22ドル、国内価格は1グラム2万6,158円を記録。そして21日には2万7,000円台に突入しました。

金価格上昇の長期的な背景

新興国の金選好

金価格の上昇は、米欧対立だけが要因ではありません。2025年から続く新興国を中心とした金への選好も大きな影響を与えています。

トランプ政権による関税政策への懸念から、新興国は米国債から資金を引き揚げ、金への投資を増やしています。特に中国やインドなどの中央銀行による金の購入が、需要を押し上げる要因となっています。

2025年の価格推移

2025年の金価格は、年初1月2日の終値で1トロイオンス2,657.16ドルでしたが、10カ月足らずの10月2日には取引時間中の最高値となる4,381.60ドルまで急騰しました。年末には再び4,500ドル台を突破し、上昇基調が続いています。

2026年初頭には、アメリカのベネズエラ・マドゥロ大統領拘束なども重なり、金相場は過去最高水準を維持しています。地政学的リスクが高まる中、安全資産としての金への需要は衰える気配がありません。

専門家の見通し

金融機関の予測

主要金融機関は、金価格の一段の上昇を予測しています。ゴールドマン・サックスは2026年12月に4,900ドルに達するとの見通しを示しています。J.P.モルガンはさらに強気で、2026年第4四半期の平均価格を5,055ドルと予測しています。

これらの予測は、地政学的リスクの継続、インフレ懸念、中央銀行による金購入の継続などを前提としています。米欧対立が長期化すれば、金価格はさらに上昇する可能性があります。

円安の影響

国内の金価格は、国際価格に加えて為替レートの影響も受けます。2026年1月は円安が進行しており、これが国内金価格をさらに押し上げる要因となっています。1グラム2万7,000円台という価格は、50年前の1973年の最高価格1,160円の20倍以上に相当します。

注意点・今後の展望

投資判断の注意点

金価格は史上最高値圏にあり、投資を検討する際には注意が必要です。地政学的リスクが後退すれば、金価格が調整する可能性もあります。米欧間で何らかの妥協が成立した場合、急激な価格下落が起こる可能性も排除できません。

また、金は株式や債券のように配当や利息を生まない資産です。価格上昇のみに依存する投資となるため、長期保有の観点からはリスクも認識しておく必要があります。

今後の注目点

今後の金価格を左右する主な要因は、米欧対立の行方です。トランプ大統領が示した2月1日の関税発動、6月1日の税率引き上げの期限が重要なマイルストーンとなります。

また、各国中央銀行の金融政策も注視が必要です。利下げ局面では金の相対的な魅力が高まり、利上げ局面では低下する傾向があります。地政学的要因と金融政策の両面から、金価格の動向を見極めることが重要です。

まとめ

金価格は2026年1月21日、1グラム2万7,287円と史上最高値を更新しました。国際市場でも1トロイオンス4,800ドルを超え、前日比100ドル以上の急騰となりました。

グリーンランド取得を巡るトランプ大統領の関税発動表明により、米欧対立が激化しています。投資家は安全資産である金への逃避を加速させており、この傾向は当面続く可能性があります。

金への投資を検討する場合は、地政学的リスクの変化や為替動向にも注意を払い、分散投資の観点から慎重に判断することをお勧めします。

参考資料:

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