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by nicoxz

日本勢もイスラエル買いに動く 停戦合意で投資環境好転

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はじめに

2026年1月20日、世界の金融市場がトリプル安に揺れる中、イスラエル市場への投資が注目を集めています。2025年のイスラエル株式市場は主要指数が50%以上上昇し、世界で最も高いパフォーマンスを記録しました。この好調の背景には、2025年10月のハマスとの停戦合意があります。

日本の投資家も、この流れに乗る動きを見せています。「中東のシリコンバレー」と呼ばれるイスラエルのハイテク産業は、AIやサイバーセキュリティ分野で世界をリードしており、日本企業や機関投資家にとって魅力的な投資先となっています。本記事では、イスラエル市場の現状と日本からの投資動向を解説します。

イスラエル株式市場の記録的パフォーマンス

2025年は主要指数が50%超の上昇

2025年、イスラエルの株式市場は目覚ましいパフォーマンスを示しました。大型株で構成されるTA-35指数は53%上昇、ベンチマークのTA-125指数は52%上昇、TA-90指数も約46%上昇を記録しています。

この上昇率は他の主要市場を大きく上回りました。同期間の米国S&P500は18%、ナスダック100は22%、英国FTSE100は25%の上昇にとどまっています。戦時下にもかかわらず、イスラエル市場は世界最速で成長する株式市場となりました。

停戦合意が投資家心理を好転

2025年10月、イスラエルとハマスは米国の仲介による停戦合意に至りました。この合意は人質の解放、ハマスの武装解除、イスラエル軍の撤退、ガザの復興を含む包括的なものでした。

停戦合意は投資家心理に大きな影響を与えました。年初には長期紛争への懸念から高止まりしていた債券利回りは、停戦後に急低下し、信頼感の回復を示しました。エコノミスト誌はイスラエル経済を「2023年の混乱から力強い回復を続けている」と評価し、2025年の経済パフォーマンスで世界第3位にランク付けしています。

外国人投資家が主役に

イスラエルのテックエコシステムでは、外国人投資家が主役となっています。2025年の総投資額のうち60%を外国人投資家が占め、米国のインサイト・パートナーズ、ベッセマー・ベンチャー・パートナーズ、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)、ブラックストーンなどの大手ファンドが積極的に投資を行いました。

通貨面でも、2025年初頭に1ドル=3.65シェケルだった為替レートは、年末には3.19シェケルを下回るまでシェケル高が進行。外国投資の流入がシェケルを支える要因となりました。

日本のイスラエル投資の歴史と現状

2021年に過去最高の29億ドル

日本からイスラエルへの投資は、2010年代半ば以降急速に拡大してきました。2012年にはわずか2億円だった投資額は、2014年に約20億円、2016年には222億円と約100倍に増加しています。

2021年には日本からイスラエル企業への投資額が過去最高の29億4,500万ドル(約3,400億円)に達しました。これは海外からイスラエルへの投資額全体の15.8%を占め、投資件数も85件と前年の63件から増加しました。

大手企業の投資事例

日本企業による大型投資事例も複数あります。ソニーはイスラエルの半導体会社を約300億円で買収し、田辺三菱製薬はアルツハイマー関連の製薬会社を1,300億円で買収しています。

NTT傘下のNTTファイナンスはベンチャー投資ファンドを立ち上げ、ソフトバンクグループ傘下の投資ファンドもイスラエルのベンチャーキャピタル大手に2,500万ドルを出資しました。現在、約60社の日本企業がイスラエルにR&Dセンターを設立しています。

イスラエル・ジャパン・ファンドの活動

日本とイスラエルのイノベーションエコシステムを橋渡しする「イスラエル・ジャパン・ファンド(IJF)」も活動しています。このファンドはテック分野の革新的なスタートアップに初期段階から投資を行い、両国間のビジネス連携を促進しています。

イスラエル投資の魅力と課題

「中東のシリコンバレー」の実力

イスラエルがハイテク投資先として注目される理由は、その技術力と人材にあります。人口800万人台の小国ながら、一人当たりGDPは高水準でOECD加盟国です。全上場銘柄の約26%をハイテク・IT分野の企業が占めており、グーグル、アップルなど多くのグローバル企業が研究開発拠点を置いています。

米ナスダック市場へのイスラエル企業の上場数は、米国、カナダに次ぐ規模です。サイバーセキュリティ、AI、医療技術などの分野で世界的に競争力のある企業が多数存在します。

2025年のM&Aブーム

2025年には外国投資家によるイスラエル企業の買収が活発化しました。最大の案件は、グーグルの親会社アルファベットによるサイバーセキュリティ企業Wizの320億ドルでの買収で、欧州委員会による最終的な独占禁止法審査の決定(2026年2月10日予定)を待っている状況です。

ハイテク輸出はイスラエルGDPの約20%、輸出総額の約60%を占めており、2025年は4.0%、2026年は3.0%の成長が見込まれています。

ESG観点からの批判

一方で、イスラエル投資には課題もあります。ガザ紛争で民間人の犠牲が広がったことを受け、欧州の年金基金などがイスラエル関連企業への投資から撤退する動きが見られました。

日本でも、年金基金のイスラエル投資に対する批判的な声が上がっています。日本の伊藤忠商事は2024年2月、イスラエルの武器メーカーエルビット・システムズとの提携解消を発表しました。また、2025年7月には石破政権が占領下のヨルダン川西岸地区のイスラエル入植者に対する制裁措置を発表しています。

2026年の見通し

OECDは4.9%成長を予測

経済協力開発機構(OECD)は、イスラエル経済が2026年に4.9%成長すると予測しています。停戦合意を受けて経済回復が加速するとの見方ですが、リスク要因も指摘されています。

2026年1月21日時点で、TA-125指数は3,941ポイントとなり、前月比では5.86%上昇、前年同期比では53.08%上昇を維持しています。停戦後の投資環境の改善が継続していることを示しています。

地政学リスクは依然として存在

ただし、中東の地政学リスクが完全に解消されたわけではありません。2025年6月にはイスラエルとイランの間で軍事衝突が発生しましたが、トランプ大統領の仲介により停戦合意に至りました。

こうした不安定要因が残る中、投資家は引き続き地政学動向を注視しながら投資判断を行う必要があります。日本の投資家にとっては、リスク分散を図りながらイスラエル市場の成長機会を捉えることが求められます。

まとめ

イスラエル株式市場は2025年に世界最高のパフォーマンスを記録し、ハマスとの停戦合意を受けて投資環境が大きく改善しています。日本の投資家もこの流れに乗り、ハイテク・サイバーセキュリティ分野を中心に投資を拡大する動きが見られます。

「中東のシリコンバレー」としてのイスラエルの技術力と人材は引き続き魅力的ですが、地政学リスクやESG観点からの批判も存在します。2026年はOECDの予測通り高成長が実現するか、また地政学リスクがどのように推移するかが注目点となります。投資家は成長機会とリスク要因を慎重に見極めながら、判断を行うことが重要です。

参考資料:

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