日経平均が史上最高値更新、衆院選と米金融政策で乱高下
はじめに
2026年2月3日、東京株式市場で日経平均株価が大幅上昇し、過去最高値を更新しました。終値は前日比2065円(4%)高の5万4720円。上昇幅は歴代5番目の大きさとなりました。
背景にあるのは、2月8日投開票の衆議院選挙です。与党が優勢との観測が広がり、「選挙は買い」という市場の経験則に基づいた投資家の買いが膨らみました。一方で、新たな議長が指名された米連邦準備理事会(FRB)の金融政策への不透明感も残っており、当面は値動きが荒い展開が予想されます。
この記事では、日経平均株価の急騰の背景と、投資家が注目すべきポイントについて解説します。
衆院選と株式市場の関係
「選挙は買い」のアノマリー
「選挙は買い」という言葉をご存じでしょうか。これは衆議院の解散総選挙が行われると株価が上昇するという、市場で広く知られた経験則(アノマリー)です。過去の実績を見ると、株高で知られる小泉・安倍政権では、解散時から約半年間で株価がおよそ2割上昇しました。
今回の衆院選も同様のパターンが見られます。高市早苗首相が1月14日に衆議院を解散する意向を表明して以降、日経平均株価は上昇基調を続けています。
与党優勢の情勢と市場の反応
朝日新聞の中盤情勢調査によると、自民党と日本維新の会の与党で300議席超をうかがう勢いとされています。自民党は過半数(233議席)を大きく上回り、与党は定数の3分の2(310議席)を超える可能性もあると報じられています。
この情勢を受けて、投資家の間では「持たざるリスク」への意識が高まりました。株を持っていないことで上昇相場に乗り遅れるリスクを懸念し、買いが加速したのです。2月2日には株高・円安が進み、「高市トレード」と呼ばれる動きがフルスイングの状態となりました。
「高市トレード」の背景
積極財政への期待
高市早苗政権は「責任ある積極財政」を掲げ、名目GDP拡大を重視する成長戦略を推進しています。与党が選挙で大勝すれば、この政策路線が継続されるとの見方が強まっています。
新規国債発行を伴う積極財政や金融緩和継続の観測は、円安を促し株高要因として作用するとされています。海外投資家からも、政権の安定性に対する信頼感が高まっていると見られます。
株価上昇の余地
マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストによれば、現状では解散時から約1割高の水準にあり、過去の小泉・安倍政権時の2割高と比較すると、まだ上値余地があるとの見方が示されています。一部では年後半に5万9000円、さらには6万円も視野に入るとの声も出ています。
FRBの金融政策と不透明感
新議長指名と市場への影響
トランプ米大統領がFRBの次期議長にウォーシュ氏を指名したことで、米国の金融政策の先行きに注目が集まっています。インフレ圧力が高まればFRBの利下げが止まる可能性があり、これは円安・ドル高要因となります。
しかし、政策の方向性が明確でない段階では、市場は神経質な動きを見せやすくなります。マネックス証券の広木氏は「衆院選で自民党が優勢との観測は高まっているものの、選挙は蓋を開けてみないと分からないという不安が海外発の相場変動を増幅させている」と指摘しています。
為替変動のリスク
日米の金融政策の先行きが不透明な中、為替変動は激しくなると予想されています。円安は日本の輸出企業にとってプラス要因となりますが、急激な変動は市場の不安定化につながる可能性があります。
投資家が注意すべきポイント
選挙後の材料転換
「選挙は買い」のアノマリーは選挙期間中に強く作用しますが、選挙が終われば株価は他の材料に左右されやすくなります。今回は特に米中の動向に注意が必要です。
選挙結果が予想通りであれば材料出尽くしとなる可能性もあり、選挙後の利益確定売りに警戒が必要です。逆に、予想外の結果となれば、急激な調整が起こるリスクもあります。
強弱材料の交錯
現在の市場は強弱材料が交錯しています。強材料としては与党優勢観測、積極財政への期待、日米同盟の強化などが挙げられます。一方、弱材料としてはFRBの金融政策不透明感、米中対立のリスク、為替の急変動などがあります。
このような状況下では、一方向への動きが続いた後に急反転するリスクがあり、ポジション管理には十分な注意が必要です。
分散投資の重要性
値動きが荒い展開が予想される中、特定の銘柄やセクターに集中投資することはリスクが高くなります。分散投資を心がけ、相場の急変動に備えることが重要です。
今後の展望
選挙結果と市場への影響
2月8日の投開票結果が最大の注目点です。与党が大勝すれば政策の継続性が確保され、株式市場にはプラスとなる可能性が高いとされています。しかし、議席数が予想を下回れば、市場は失望売りに転じる可能性もあります。
中長期的な視点
短期的な選挙相場に一喜一憂するだけでなく、中長期的な視点も重要です。日本経済のファンダメンタルズ、企業業績の動向、そしてグローバルな経済環境を総合的に判断しながら、投資判断を行う必要があります。
まとめ
日経平均株価が5万4720円の史上最高値を更新した背景には、衆院選での与党優勢観測と「選挙は買い」の経験則があります。「高市トレード」と呼ばれる株高・円安の動きが続いていますが、FRBの金融政策への不透明感も相まって、当面は値動きの荒い展開が予想されます。
2月8日の選挙結果を見極めつつ、強弱材料が交錯する中で適切なリスク管理を行うことが、この局面を乗り切るポイントとなるでしょう。
参考資料:
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