柏崎刈羽原発6号機、再稼働直後に停止で営業運転延期へ
はじめに
東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)6号機が、再稼働からわずか1日で原子炉停止を余儀なくされました。制御棒に関する警報が発生し、原因調査のため計画的に停止したものです。さらに再稼働前には、30年前の営業運転開始時から続く制御棒の警報設定ミスも発覚しています。
当初2026年2月26日に予定されていた営業運転の開始は延期される見通しで、東電の稲垣武之所長は「基本的には見直していく」との方針を示しました。13年以上にわたり停止していた原発の再稼働が、出だしからつまずいた形です。
再稼働までの経緯と不具合の連鎖
13年ぶりの再稼働
柏崎刈羽原発6号機(改良型沸騰水型軽水炉・ABWR、出力135.6万キロワット)は、2011年の東日本大震災以降、長期にわたって運転を停止していました。東京電力は2025年12月、原子炉起動予定日を2026年1月20日、営業運転開始を2月26日とする計画を原子力規制委員会に提出しました。
しかし、再稼働に向けた準備段階から問題が相次ぎます。
30年来の設定ミスが発覚
2026年1月17日、再稼働に向けた「制御棒引き抜き試験」の際、鳴るべき警報が鳴らない不具合が見つかりました。調査の結果、1996年の営業運転開始時から約30年間にわたり、制御棒の警報設定に誤りがあったことが判明しました。
具体的には、約2万組の設定の組み合わせのうち約0.4%にあたる88組で設定に誤りがありました。東電は「運転上の制限の逸脱」として報告し、設定を修正した上で再稼働準備を続行しました。当初1月20日に予定されていた原子炉起動は延期されましたが、設定修正後に再稼働へと進みました。
再稼働と即日停止
6号機は1月21日午後7時2分に制御棒の引き抜きを開始し、原子炉を起動しました。しかしわずか約5時間後の1月22日午前0時28分、制御棒の引き抜き操作中に1本の制御棒で警報が発生し、操作を中断しました。
原因調査に時間を要する見込みとなり、東電はプラントを計画的に停止する判断を下しました。同日午後11時56分に制御棒の挿入を開始し、23日午前0時3分に全ての制御棒が挿入され、原子炉は停止状態となりました。
問題の深刻さと情報公開の課題
事前に起きていた同様の警報
再稼働後の停止に加えて問題視されているのは、1月14日にも別の制御棒で同様の警報が発生していたにもかかわらず、東電がこの事実を事前に公表していなかったことです。この情報は1月22日の記者会見で初めて明らかになりました。
透明性の確保は、原発の安全性に対する地域住民の信頼を得る上で不可欠です。トラブル情報の迅速な公開は、東電に繰り返し求められてきた課題であり、今回の対応にも疑問の声が上がっています。
原因調査の見通し
東電は不具合が発生した設備の部品をメーカーに送り、原因調査を進めています。しかし、調査にどれくらいの時間がかかるかは「見通せない」としており、営業運転開始の新たなスケジュールも明示されていません。
稲垣所長は1月29日の定例記者会見で、営業運転の開始時期について「調査の結果に基づき、工程を見た上で判断する」と述べるにとどめました。
注意点・今後の展望
エネルギー政策への影響
柏崎刈羽原発は7基合計で821.2万キロワットの出力を持つ世界最大級の原発です。6号機の順調な再稼働は、東電の経営再建や日本のエネルギー安定供給にとって極めて重要な位置づけでした。営業運転の延期は、電力供給計画や東電の収支計画にも影響を与える可能性があります。
地元の反応と信頼回復
新潟県や地元自治体は、柏崎刈羽原発の安全性について慎重な姿勢を維持してきました。再稼働直後のトラブルは、地域住民の不安を増幅させる要因となります。30年来の設定ミスや情報公開の遅れも相まって、東電に対する信頼回復はさらに難しい局面を迎えています。
他の原発への波及
柏崎刈羽6号機はABWR(改良型沸騰水型軽水炉)として、同型炉の再稼働にも影響を与え得ます。今回の不具合の原因が設計や製造に起因するものであれば、他の原発でも同様の点検が求められる可能性があります。
まとめ
柏崎刈羽原発6号機は、13年以上の停止を経て再稼働したものの、わずか1日で原子炸停止という結果に終わりました。30年来の設定ミス、再稼働直後の制御棒トラブル、そして情報公開の遅れ。これらの問題は、原発の安全管理体制の根本に関わる課題を浮き彫りにしています。営業運転開始の新たな時期は未定であり、原因究明と再発防止策の確立が急務です。
参考資料:
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