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by nicoxz

自民党に保守層回帰、参政党との競合区で優勢の背景

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はじめに

2026年2月8日投開票の衆議院議員総選挙の序盤情勢調査で、自民党が参政党と候補者を競合させている選挙区の7割超で「有力」または「優勢」と評価されていることが明らかになりました。

参政党は全289選挙区のうち約6割にあたる182選挙区で自民党と競合しており、保守票の分散が懸念されていました。しかし、序盤の段階では自民党が保守層の支持をしっかり確保している構図が浮かび上がっています。

石破茂前政権時代に自民党から離れたとされる保守層が、高市早苗首相のもとで回帰し始めている可能性を、データと背景から分析します。

保守票をめぐる自民党と参政党の競合

参政党の大量擁立戦略

参政党は今回の衆院選で178人の小選挙区候補者を擁立し、30議席の獲得を目標に掲げています。2024年衆院選では比例代表を中心に議席を獲得しましたが、今回は小選挙区での勝利を本格的に狙う戦略に転換しました。

参政党が掲げる「日本の国益を守る」「食の安全」「教育改革」といった政策は、自民党の保守層と重なる部分が多くあります。特に移民政策や外国人参政権への反対姿勢は、自民党右派の支持者にも訴求力を持つテーマです。

競合区の7割超で自民が優勢

序盤情勢調査の結果、自民党と参政党が候補者を擁立した182選挙区のうち、自民候補が「有力」の選挙区は35%、「優勢」を含めると7割超に達しています。参政党の候補者が自民候補を脅かしている選挙区は限定的であり、保守票の分散による自民党の議席減は現時点では限定的とみられています。

東洋経済の分析でも、自民党が大勝するシナリオとして「保守票を奪うとみられた参政党の伸びも限定的だった」というケースが想定されています。

保守層回帰の背景

高市政権の求心力

保守層が自民党に回帰している最大の要因は、高市早苗首相の存在です。高市氏は2025年9月の自民党総裁選で勝利して首相に就任し、保守派が重視する政策を積極的に打ち出してきました。

内閣支持率は読売新聞の調査で73%、共同通信で64%と歴代政権と比較しても高い水準にあります。保守層にとって「自分たちの首相」という認識が広がり、参政党や日本保守党に流れていた票が自民党に戻る動きにつながっています。

石破前政権との対比

2024年10月の衆院選では、石破茂前首相の下で自民党は大幅に議席を減らしました。石破氏のリベラル寄りの政治姿勢に不満を持つ保守層が、参政党や日本保守党に流れたとの分析がありました。

高市首相への交代は、まさにこの保守層の不満を解消する効果を持っています。「保守的な価値観を重視する首相」のもとであれば、わざわざ新興保守政党に投票する必要性が薄れるためです。

公明票離脱の影響と保守層の重要性

今回の選挙では、従来自民党候補を支援してきた公明票が中道改革連合に流れています。各選挙区で1万〜2万票ともいわれる公明票の喪失は、自民党にとって大きな痛手です。

この状況で自民党が単独過半数を目指すには、保守層の票を確実に取り込むことが不可欠です。参政党との競合区で7割超が優勢という結果は、公明票の流出を保守層の回帰で補えている可能性を示唆しています。

参政党の戦略と影響

小選挙区での壁

参政党は178人もの小選挙区候補者を擁立しましたが、小選挙区制は大政党に有利な制度です。得票率が10%前後の政党が小選挙区で議席を獲得するのは構造的に難しく、多くの選挙区で供託金没収ラインとの戦いになる可能性があります。

一方で、参政党の存在は自民党候補の得票を一定程度削る効果があります。中道改革連合の候補と接戦になっている選挙区では、参政党への票の流出が当落に影響するケースも想定されます。

比例代表での躍進の可能性

週刊文春の情勢報道では「参政党7倍」という見出しが報じられ、比例代表での議席増が見込まれています。小選挙区での勝利は限定的でも、比例代表を通じて党勢を拡大する戦略は一定の成果を上げる可能性があります。

注意点・展望

序盤情勢調査は投票日の約10日前のスナップショットであり、選挙戦終盤にかけて情勢が変化する可能性があります。特に態度未定の有権者の動向が、接戦区の結果を左右します。

保守層の自民回帰が本物かどうかは、投票日の実際の結果を待つ必要があります。高市首相への期待が高い現段階では回帰の傾向がみられますが、選挙戦中に争点が変化すれば、再び保守票が分散する展開もあり得ます。

また、自民党が参政党との競合区で優勢であっても、中道改革連合との対決で接戦となっている選挙区は別の問題です。保守票の回帰と中道との戦いは、それぞれ異なる力学で動いている点に注意が必要です。

まとめ

2026年衆院選の序盤情勢で、自民党が参政党との競合区の7割超で優勢に立っている背景には、高市首相の保守層への求心力と、石破前政権時代に離反した票の回帰があります。

公明票を失った自民党にとって、保守層の確保は議席数を左右する最重要課題です。参政党の大量擁立による保守票の分散リスクは現時点では限定的ですが、選挙戦の展開次第で情勢は変わり得ます。投票日までの約10日間で、保守層の投票行動がどう固まるかが注目されます。

参考資料:

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