衆院選あす公示、投票先は自民40%・中道13% 若者支持で国民・参政に厚み
はじめに
2026年1月27日の衆院選公示を翌日に控え、日本経済新聞社とテレビ東京が実施した世論調査(1月23〜25日)で、投票先の傾向が明らかになりました。自民党が40%でトップ、立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」が13%で続く構図となっています。
注目すべきは、国民民主党と参政党がそれぞれ9%、7%と健闘していることです。両党とも若い世代からの支持が厚く、高齢層に支持基盤が偏る自民党や中道改革連合とは異なる特徴を見せています。
日経世論調査の結果
投票先の内訳
日経世論調査で「衆院選で投票したい政党・候補者がいる政党」を聞いたところ、以下の結果となりました。
| 政党 | 支持率 |
|---|---|
| 自民党 | 40% |
| 中道改革連合 | 13% |
| 国民民主党 | 9% |
| 日本維新の会 | 7% |
| 参政党 | 7% |
| れいわ新選組 | 2% |
| 共産党 | 2% |
| チームみらい | 2% |
| 日本保守党 | 1% |
| まだ決めていない | 10% |
中道改革連合の「浸透は道半ば」
新党「中道改革連合」の支持率13%は、前回調査での立憲民主党と公明党を合計した19%を下回っています。JX通信社の調査でも、中道改革連合の支持率は電話調査で12.2%と、前月の立憲(7.9%)と公明(5.1%)の単純合算とほぼ同等にとどまりました。
新党結成による「1+1=2以上」の効果は現時点では限定的であり、有権者への浸透はまだ道半ばといえます。紀尾井町戦略研究所の調査では、中道新党結成について「良くなかったと思う」が47.7%と、「良かったと思う」の22.0%を大きく上回りました。
若者支持で国民・参政に厚み
世代別の支持傾向
日経新聞の分析によると、野党への投票意向を持つ有権者の中で、世代によって支持政党に明確な差が出ています。
18〜29歳では国民民主党がトップで29%を占め、参政党が20%で続きます。30代では両党が拮抗。40代になると参政党が21%で国民民主党の17%を上回りました。
一方、60代以上の高齢層では自民党や中道改革連合(旧立憲民主党・公明党)への支持が中心となっており、世代間で投票行動に大きな違いがあることがわかります。
2025年参院選での傾向
この傾向は2025年7月の参院選でも顕著でした。共同通信社の出口調査によると、30代以下のおよそ2割ずつが比例代表で国民民主党と参政党にそれぞれ投票しました。
国民民主党への投票比率が最も高いのは**20代の26.9%で、2022年参院選比で16.4ポイント上昇。次いで10代の25.4%**で16.1ポイント伸びました。若者層における国民民主党の躍進が顕著です。
「現役世代の受け皿」としての役割
国民民主党と参政党は「現役世代の受け皿」としての役割を果たしています。両党とも、増税や社会保険料負担に敏感な現役世代の声を政策に反映させる姿勢が支持を集めている要因と分析されています。
自民党や旧立憲民主党は主に60代以上の高齢層に頼る状況が続いており、若年層の取り込みが課題となっています。
高市内閣支持率の動向
8ポイント低下で7割割れ
高市早苗内閣の支持率は67%と、前回12月調査の75%から8ポイント低下しました。「支持しない」は26%で、前回の18%から8ポイント上昇しています。
内閣発足後、初めて支持率が7割を割り込む結果となりました。JX通信社の調査でも支持率は63.4%と、前月比6.7ポイントの大幅下落を記録しています。
支持率低下の背景
支持率低下の背景には、通常国会冒頭での衆議院解散に対する批判があるとみられます。解散日から投開票日までの期間が16日間と戦後最短となる「超短期決戦」に対し、「大義がない」との声が上がっています。
また、高市政権の積極財政路線や食品消費税減税の財源問題への懸念も、支持率低下の一因と考えられます。
衆院選後の政権枠組み
3つのシナリオ
東洋経済オンラインの分析によると、2月8日の衆院選結果として以下の3つのシナリオが考えられます。
- 自民党・維新勝利シナリオ:与党が過半数を維持し、積極財政などの政策を進める
- 中道改革連合勝利シナリオ:政権交代が実現し、新たな政策が展開される
- 勢力拮抗シナリオ:与野党が拮抗し、合従連衡による政界再編が進む
国民の選好
日経調査によると、衆院選後の望ましい政権の枠組みについて「自民党と日本維新の会が中心となる政権」が67%、「中道改革連合が中心となる政権」は19%でした。現時点では自民・維新連立政権の継続を望む声が多数派となっています。
「まだ決めていない」層の動向
10%が未定
投票先を「まだ決めていない」と答えた有権者は10%に上ります。公示日直前でもこれだけの浮動票が存在することは、選挙結果を左右する可能性があります。
特に、中道改革連合が新党として認知を高められるか、国民民主党や参政党が若者以外の層にも支持を広げられるかが、投票日までの焦点となります。
投票率の懸念
2月上旬という厳冬期の選挙であり、投票率の低下が懸念されています。特に若年層の投票率が低ければ、国民民主党や参政党への追い風が弱まる可能性があります。
まとめ
衆院選を前にした世論調査では、自民党40%がリードし、中道改革連合13%が追う構図となっています。しかし、中道改革連合は旧立憲・公明の単純合算を下回っており、新党効果は限定的です。
一方、国民民主党と参政党は若者からの支持が厚く、自民党や中道改革連合とは異なる支持基盤を持っています。世代間で異なる投票行動が鮮明になる中、どの政党が「まだ決めていない」10%の浮動票を獲得できるかが、2月8日の結果を左右する重要な要素となるでしょう。
参考資料:
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