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by nicoxz

マイクロソフトとメタで明暗、決算が映すAI投資の分岐点

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はじめに

2026年1月29日の米国株式市場で、ハイテク大手2社の株価が対照的な動きを見せました。マイクロソフトが一時12%安まで急落する一方、メタ・プラットフォームズは一時11%高と急伸。いずれも前日夕に発表した四半期決算を受けた反応ですが、市場の評価は真逆に分かれました。

両社はともにAI関連に巨額の設備投資を行っていますが、投資家が注目しているのは「投資が収益に結びついているかどうか」です。本記事では、両社の決算内容を比較し、AI投資戦略の違いと市場の評価基準を分析します。

マイクロソフト——期待を裏切ったクラウド成長鈍化

数字は好調だったが

マイクロソフトの2026年度第2四半期(2025年10〜12月期)の業績自体は、市場予想を上回る内容でした。売上高は813億ドル(前年同期比17%増)、1株当たり利益は4.14ドル(同24%増)と、いずれもアナリスト予想を超えています。クラウド売上高は初めて500億ドルを突破し、515億ドルに達しました。

Azure成長率が40%を割り込む

問題はAzureクラウドの成長率にありました。Azure関連の売上成長率は39%で、前四半期の40%から減速。市場のコンセンサス予想(39.4%)をわずかに下回りました。さらに、次四半期のAzure成長率見通しを37〜38%と提示したことが、投資家の失望を招きました。

膨張する設備投資と利益率低下

最大の懸念材料は設備投資の急増です。第2四半期の設備投資額は約375億ドルで、前年同期比89%増となりました。上半期合計では724億ドルに達しています。この巨額投資が粗利益率を押し下げ、直近3年間で最低水準の約68%にまで低下しました。

営業利益率の見通しも45.1%と、市場予想の45.5%を下回っています。GPUの割り当てを自社アプリケーションとR&Dに優先していることで、Azureの供給能力が制約を受けている状況も明らかになりました。

市場の反応

株価は29日に約10%下落し、時価総額は1日で3,570億ドル(約53兆円)が消失。2020年3月以来、最大の日次下落幅を記録しました。ただし、UBSやゴールドマン・サックスなど主要アナリストは買い推奨を維持しており、中長期的な回復に期待を示しています。

メタ——AI投資が「効いている」証明

予想を大幅に上回る業績

メタの2025年第4四半期(10〜12月期)決算は、売上高598.9億ドル(前年同期比24%増、予想585.9億ドル)、1株当たり利益8.88ドル(予想8.23ドル)と、いずれも市場予想を大幅に上回りました。通年売上高は2,010億ドルに達し、前年比22%の成長を記録しています。

AI投資の成果が広告収入に直結

メタの強みは、AI投資の成果が本業の広告事業に直結している点です。AIによる広告ターゲティングの精度向上が広告単価の上昇につながり、売上成長を加速させています。次四半期の売上見通しは535億〜565億ドルで、中間値で見ると前年同期比30%の成長加速を意味します。

巨額投資でも評価される理由

メタも2026年の設備投資を1,150億〜1,350億ドルと発表しており、2025年の722億ドルからほぼ倍増する計画です。マイクロソフトと同様に巨額のAI投資を行いますが、市場の反応は対照的でした。

その違いは明確です。メタのAI投資は広告収入という形で短期的に回収が見えているのに対し、マイクロソフトのAI投資はクラウド事業を通じた間接的な収益化であり、回収の時間軸が長いと見なされています。

ザッカーバーグCEOの戦略転換

マーク・ザッカーバーグCEOは決算説明会で、2026年に「大規模なAIの加速」が起こると予測しました。また、メタバース事業(Reality Labs)の損失は2026年がピークとなり、その後は段階的に縮小すると明言。投資家が長らく懸念していたメタバースの「金食い虫」問題に終止符を打つ姿勢を示しました。

注意点・展望

両社の株価反応の差は、AI投資に対する市場の評価基準が厳格化していることを示しています。単に「AIに投資している」だけでは評価されず、投資と収益の関係が明確でなければ株価は下落します。

今後の注目点として、マイクロソフトのAzure供給能力の制約が解消される時期があります。同社は少なくとも2026年6月末まで制約が続くと認めており、成長率の回復にはしばらく時間がかかる可能性があります。

一方、メタのAI関連設備投資は2025年比でほぼ倍増する計画で、この投資が持続的な売上成長に結びつくかを市場は注視しています。PER(株価収益率)約30倍という水準は、24〜30%の売上成長率に対して他のマグニフィセント・セブン銘柄と比較すると割安との見方もあります。

まとめ

マイクロソフトとメタの決算は、AI時代の投資戦略における重要な教訓を示しています。巨額投資そのものは問題ではなく、その投資がどのように収益に変換されるかが問われています。

マイクロソフトはクラウド基盤の拡大という長期的な戦略を取っていますが、短期的にはGPU配分の優先順位や利益率の低下が課題です。メタはAIの広告事業への応用という即効性のある戦略で市場の信頼を獲得しました。投資家にとっては、AI関連銘柄を「一括り」にするのではなく、各社の収益化モデルを精査することが重要な局面に入っています。

参考資料:

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