2026年日経平均株価予想:5万3千円から6万円台の見通しとリスク要因

by nicoxz

はじめに

2026年の日経平均株価について、国内外の金融機関が強気の見通しを示しています。証券会社や銀行など11社への調査によると、年末時点の予想レンジは5万3千円から6万1千円となり、2025年末の終値5万339円や史上最高値の5万2411円を上回る水準が見込まれています。4年連続の上昇が期待される背景には、上場企業の増益継続という共通認識がありますが、予想の幅が8千円にも及ぶ理由はどこにあるのでしょうか。本記事では、複数の調査機関のデータをもとに、2026年の日本株市場の展望とリスク要因を詳しく解説します。

主要金融機関の予想とその根拠

予想レンジの分布

金融機関各社の予想を見ると、保守的な見方から楽観的な見方まで幅があります。バンク・オブ・アメリカは5万5500円、UBS証券ジャパンは5万4000円(約8%の上昇余地)を目標値として設定しています。一方、IG インターナショナルのベースケースは5万2000円とやや控えめです。

38名の市場専門家を対象とした別の調査では、予想の中心値が4万8000円レベルに集中しており、機関によって見解に差があることがわかります。住友三井DSアセットマネジメントは2026年3月時点の目標を5万1700円に引き上げました。

強気予想の根拠

ほとんどのアナリストが共通して指摘するのが、企業収益の二桁成長見通しです。ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズは、2026年に二桁のEPS(一株当たり利益)成長の可能性を指摘しており、これが株価上昇の主要なドライバーになるとしています。

シティグループの日本企業向け業績予想修正指数は0.38と、米国、欧州、英国を上回る水準にあり、アナリストの企業業績に対する期待が高まっていることを示しています。

企業収益成長の原動力

輸出セクターの回復

2025年に米国の関税により打撃を受けた自動車などの輸出セクターは、2026年に回復が見込まれています。企業は製造拠点の現地化を進め、サプライチェーンを多様化し、必要に応じて価格転嫁を実施することで対応を図っています。

これまでの企業業績は、関税コストの上昇圧力にもかかわらず、AI関連セクターの好調や非製造業の成長によって総じて堅調を維持してきました。

内需の強化

賃金上昇と家計消費の強化が内需を下支えすることが期待されています。2023年以降、春季労使交渉での賃金上昇率は毎年エコノミストの予想を上回っており、インフレは落ち着く見通しです。実質賃金の成長が主要なマクロ経済ドライバーとなり、GDPの成長を支え、日本銀行の政策正常化への道を開くと見られています。

賃金・物価のサイクルがついに定着し、国内需要が復活して家計消費を持続させ、2026年の日本経済成長を支えるというシナリオが描かれています。

金融セクターの恩恵

日本銀行の利上げは金融セクターにとって追い風となります。アナリストは、輸出セクターの回復、堅調な内需、そして金利上昇の恩恵を受ける金融セクターによって、2026年に二桁のEPS成長が可能だと予測しています。

リスク要因と注意点

円安進行のリスク

東京市場は2026年に新高値を試す勢いを維持する可能性がありますが、日本の財政健全性への懸念から生じる過度な円安が下方リスクとして指摘されています。特に、ドル円レートが160円を超えてさらに下落すると、輸入コストの上昇でインフレが加速し、政府の支持率低下につながる可能性があります。

JPモルガンの主任日本FXストラテジストは、2026年末のドル円予想を164円と、ウォール街で最も弱気な予測を出しています。一方、他のアナリストは6月まで円安が続き、その後下半期に145~140円へと比較的急速に円高が進む可能性を予想しています。

キャリートレード巻き戻しリスク

日米金利差の縮小により、円キャリートレードの巻き戻しと日本への資本還流が発生する可能性があります。これはレバレッジ駆動の性質と強制的なデレバレッジにより、為替、株式、クレジット市場を同時に影響を及ぼしうる稀なマクロ経済ショックの一つです。

金利上昇リスク

金利上昇は潜在的な逆風となります。先物市場では2026年を通じて日銀がさらに2回の25ベーシスポイント利上げを実施すると織り込んでおり、日銀の金融政策スタンスや財政政策の資金調達をめぐる不確実性が、ポジティブな収益見通しに対する主要なリスクとなっています。

後半のボラティリティ増加

専門家は、2026年前半は好条件に恵まれるものの、後半にリスクが顕在化する可能性が高いと警告しています。特に、米国の利下げが困難になった場合のインフレ圧力の高まりが懸念されています。

今後の展望と投資家への示唆

現実的な期待値の設定

注目すべきは、60000円という水準を2026年に予想している専門家がほとんどいないという点です。2025年のパフォーマンスと比較して、より穏健な上昇が期待されています。統計モデルでは、2026年末までに指数が6万3392円から6万5979円の範囲で取引される可能性を示していますが、これは極めて楽観的なシナリオと見なされています。

セクター別の注目点

JPモルガンは2026年12月のTOPIX見通しを3350~3400としており、自動車メーカーの株価上昇が予想されています。特に輸出志向の企業は業績回復が見込まれます。

金融セクターも、日銀の政策正常化が進む中で注目されるセクターの一つです。一方、輸入コストの上昇に敏感な業種については慎重な見方が必要でしょう。

ボラティリティへの備え

全体として、専門家は2026年が引き続き機会に満ちた年になる可能性が高いと同意していますが、より大きなボラティリティが特徴となる年になるとも指摘しています。投資家は短期的な変動に備えつつ、中長期的な企業価値の成長に注目する必要があります。

まとめ

2026年の日経平均株価は、主要金融機関の予想では5万3千円から6万1千円のレンジが見込まれており、4年連続の上昇が期待されています。この楽観的な見通しの根拠は、企業収益の二桁成長、賃金上昇による内需強化、輸出セクターの回復にあります。

一方で、過度な円安進行、キャリートレードの巻き戻し、金利上昇といったリスク要因も存在します。特に年後半にはボラティリティの増加が予想されており、投資家は慎重な姿勢も必要です。

企業のファンダメンタルズは堅調である一方、マクロ経済環境の変化には注意を払う必要があります。分散投資とリスク管理を適切に行いながら、日本企業の成長ポテンシャルを捉えることが2026年の投資戦略の鍵となるでしょう。

参考資料:

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