日経平均が史上初の5万3000円台、衆院解散観測で急騰
はじめに
2026年1月13日の東京株式市場で、日経平均株価が史上初めて5万3,000円台に到達しました。終値は前週末比1,609円27銭(3.10%)高の5万3,549円16銭となり、前週につけた最高値を約1,000円上回りました。
高市早苗首相が23日召集予定の通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入ったとの報道を受け、積極財政が継続するとの期待から買いが殺到しました。「高市トレード」と呼ばれる動きが再燃し、相場を押し上げています。
急騰の背景
衆院解散報道が引き金
読売新聞は1月9日夜、「高市首相が23日召集予定の通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った」と報じました。高市首相は自民党幹部に「選択肢のひとつ」と伝えたとされています。
現在は内閣支持率が高く、衆院選で議席増が期待できることが解散検討の理由とみられています。通常国会冒頭で解散すれば、衆院選の日程は「2月3日公示―15日投開票」や「1月27日公示―2月8日投開票」が候補となります。
積極財政継続への期待
大和証券のチーフストラテジストは「衆院選で自民党が勝利すれば、供給力を強化するといった成長戦略への投資が加速するとの期待が高まっている」と述べています。
高市首相は積極財政路線を掲げており、選挙で勝利して政権基盤が強化されれば、財政出動がさらに拡大するとの見方が広がっています。
「高市トレード」の再燃
株高・円安・金利上昇
衆院解散観測を受けて、「高市トレード」と呼ばれる市場の動きが再び活発化しました。積極財政への期待から株価が上昇する一方、財政悪化への懸念から円安と長期金利上昇(債券安)も同時に進行しています。
高市政権の経済政策が継続・強化されるとの見方から、投資家は株式への資金配分を増やす動きを見せています。
防衛関連株が上昇
衆院解散観測を受けて、防衛力増強への思惑から関連銘柄が上昇しました。川崎重工業は最高値を更新するなど、防衛予算拡大への期待が株価を押し上げています。
高市首相は防衛力強化を重要政策に掲げており、選挙勝利後のさらなる防衛予算増額への期待が材料視されています。
市場の見通し
上値余地への期待
3連休明けの急騰を受けて、市場では日経平均のさらなる上昇余地を期待する声が出ています。一部のアナリストは5万4,000円台も視野に入るとの見方を示しています。
米国株式市場の堅調な推移も追い風となっており、グローバルな投資資金が日本株に流入しやすい環境が続いています。
慎重論も
一方で、急騰後の反動を警戒する声もあります。「鬼より怖い一文新値」という相場格言のように、最高値更新後は利益確定売りが出やすい局面でもあります。
また、解散が実現しない場合や、選挙結果が与党に厳しいものとなった場合には、期待の剥落から株価が調整する可能性も指摘されています。
予算審議への影響
通常国会冒頭での解散には慎重論も根強くあります。2026年度予算案の成立が遅れれば、国民生活に直結する政策の執行にも影響が出る可能性があるためです。
高市首相は解散のタイミングを慎重に判断するとされており、市場は今後の政治動向を注視しています。
今後の注目点
首相の判断
衆院解散は首相の専権事項であり、高市首相がいつ決断を下すかが最大の焦点です。内閣支持率の推移や、野党の動向なども判断材料となります。
解散が決定すれば、選挙結果を見据えた「政策相場」が本格化する可能性があります。
為替と金利の動向
「高市トレード」の副作用として、円安と長期金利上昇が進行しています。過度な円安はインフレ圧力を高め、金利上昇は企業の資金調達コストを押し上げる可能性があります。
株高だけでなく、為替・債券市場の動向にも注意が必要です。
まとめ
日経平均株価が史上初の5万3,000円台を記録し、衆院解散観測が株式市場を大きく動かしました。高市首相の積極財政路線が継続するとの期待から「高市トレード」が再燃し、防衛関連株を中心に幅広い銘柄が買われています。
今後は高市首相の解散判断や、選挙の行方が市場の最大の関心事となります。急騰後の調整リスクにも注意しながら、政治と市場の動向を見守る必要があります。
参考資料:
関連記事
日経平均先物が急騰、高市首相の解散検討報道で投資家心理好転
2026年1月13日の夜間取引で日経平均先物が2000円超の急騰。高市早苗首相による通常国会冒頭での衆院解散検討報道を受け、政権安定期待から買いが優勢に。背景と今後の見通しを解説。
日経平均5万3000円突破、衆院解散観測で最高値更新
2026年1月13日、日経平均株価が史上初の5万3000円台に到達。高市首相の通常国会冒頭解散観測により株式市場が急騰し、長期金利も2.14%まで上昇しています。
日経平均5万4000円突破、高市政権の解散観測で半導体株が急騰
日経平均株価が史上初めて5万4000円台に到達。高市首相の早期解散観測による「高市トレード」が半導体関連株を押し上げています。背景と今後の展望を解説します。
高市首相が国会冒頭解散へ、2月8日投開票を軸に調整
高市早苗首相が通常国会冒頭での衆院解散を与党幹部に伝達しました。投開票は2月8日が軸となり、36年ぶりの2月選挙となります。高い支持率を背景に政権基盤の強化を狙いますが、予算審議への影響に懸念の声も上がっています。
日経平均が初の5万4000円台突破、衆院解散観測で高市トレード再燃
2026年1月14日、日経平均株価が史上初めて5万4000円台に到達。高市首相の通常国会冒頭での衆院解散観測を背景に「高市トレード」が再燃し、海外投機筋の買いが相場を押し上げています。
最新ニュース
南鳥島でレアアース試掘開始・中国依存脱却への挑戦
探査船「ちきゅう」が南鳥島沖でレアアース泥の試掘を開始。水深6000メートルからの世界初の採掘試験と、日本の経済安全保障における意義を解説します。
1年4カ月で国政選挙3回、頻繁な選挙が招く政策停滞
高市首相が通常国会冒頭での衆院解散を検討。国政選挙が短期間に3回目となり、社会保障改革など長期的視点の政策が後回しになる懸念が高まっています。
第174回芥川賞・直木賞が決定、3氏が受賞の栄誉
第174回芥川賞に鳥山まこと氏「時の家」と畠山丑雄氏「叫び」、直木賞に嶋津輝氏「カフェーの帰り道」が決定。前回の両賞該当なしから一転、充実の受賞作が揃いました。受賞作の魅力と作家の経歴を詳しく解説します。
日本人創業のアルパカがユニコーンに、米国初の快挙
証券取引APIを提供するフィンテック企業アルパカが企業価値10億ドルを突破。日本人だけで創業した新興企業として米国初のユニコーン達成の背景を解説します。
三六協定の締結率5割どまり、残業規制緩和の是非を問う
三六協定を締結している事業所は5割にとどまり、残業規制緩和の議論が活発化しています。働き方改革の効果と今後の労働政策の方向性について、最新データをもとに解説します。