日経平均5万4千円突破、選挙アノマリーの実力

by nicoxz

はじめに

2026年1月14日、東京株式市場で日経平均株価が史上初めて5万4000円の大台を突破しました。終値は前日比792円高の5万4341円となり、前日の1609円高に続く連日の大幅上昇です。

この急騰の背景には、高市早苗首相による衆院解散観測があります。「選挙は買い」という株式市場のアノマリー(経験則)が働き、投資家の間では「乗り遅れたくない」という心理が広がっています。本記事では、今回の株高の要因と、選挙相場の特徴について詳しく解説します。

高市トレード第2幕が始動

解散観測で急騰した日本株

1月13日の3連休明けの東京株式市場では、日経平均が前週末比1609円(3.10%)高の5万3549円まで上昇しました。きっかけは、高市首相が23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散する案が浮上したことです。

首相は自民党幹部に「選択肢のひとつ」と伝え、内閣支持率が高く衆院選で議席増が期待できることがその理由とされています。冒頭解散となれば、衆院選の日程は最速で「27日公示、2月8日投開票」が候補となる見通しです。

買われる「高市銘柄」

高市政権では17の戦略分野への危機管理投資・成長投資を掲げており、関連銘柄に資金が集中しています。特に注目されているのは以下の分野です。

  • 防衛関連:三菱重工業など軍事テック企業
  • AI・半導体:アドバンテスト、ファナックなど
  • サイバーセキュリティ:デジタル分野の経済安全保障関連
  • エネルギー:原子力・再エネ関連

防衛関連では、GDP比2%の防衛費目標を背景に、「テーマ株」から「防衛インフラ株」へと市場の評価軸が変化しています。

「選挙は買い」アノマリーの検証

過去17回中15回で株価上昇

「選挙は買い」は日本株市場で広く知られたアノマリーです。1969年以降に行われた衆院の解散総選挙17回のうち、15回で日経平均は解散から投開票日まで上昇しており、その確率は約88%に達します。

1990年以降の11回に限れば、すべてのケースで株価は上昇しています。この法則性は理論的な説明が難しいものの、選挙公約で示される経済政策への期待が株価を下支えする面があると考えられています。

外国人投資家の大規模買い越し

2005年以降の5回の選挙では、投開票前の7週間で外国人投資家が平均で総額約3兆円の日本株を買い越しています。

海外投資家にとって、任期満了によらない衆院解散は「悪い状態から日本が良くなるきっかけ」と捉えられる傾向があります。この期待が日本株への大規模な資金流入を促しているのです。

選挙後は要注意

ただし、投票から12週後(約3ヶ月後)まで株価が高値を維持したのは8回中3回のみです。選挙後の株価は、経済政策の具体化や海外要因に左右されるため、「選挙が終われば上昇も一服」という点には注意が必要です。

円安と金利動向も株高を後押し

159円台の円安が継続

外国為替市場では円が159円台で推移しており、日銀が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げたにもかかわらず、円安圧力は続いています。

利上げしても円高が進まない背景には、日銀の利上げペースがインフレ率に追いついていないことや、高市政権の積極財政路線への懸念があります。輸出企業にとっては追い風となり、株高を後押ししています。

市場の過熱感と「取り残される恐怖」

昨年末からの上げ幅は4000円を超え、市場では過熱感も意識されています。しかし投資家の間では「株高に乗り遅れるのが怖い」という心理が強く、買いが買いを呼ぶ展開となっています。

一部のアナリストからは「6万円も視野」という強気の見方も出ていますが、米国経済の動向や地政学リスクなど、不確定要素も少なくありません。

注意点と今後の展望

リスク要因

今後の日本株相場には以下のリスクが存在します。

  • 米国経済:予想外のインフレや景気失速
  • 為替変動:急激な円高への転換
  • 政治リスク:高市内閣の支持率低下や政権運営の混乱
  • 金利上昇:急速な長期金利の上昇

選挙結果次第で相場は変動

衆院選で自民党が勝利し高市政権が安定すれば、日本株にとっては株価上昇の強力なカンフル剤となる可能性があります。一方で、野党が躍進し政権基盤が不安定化すれば、株価は調整局面を迎える可能性もあります。

まとめ

日経平均株価が5万4000円台という歴史的水準に達した背景には、高市首相の衆院解散観測と「選挙は買い」というアノマリーがあります。過去の実績では解散から投開票日まで高い確率で株価が上昇しており、今回もその法則が働いています。

ただし、選挙後の相場は不透明感が増すため、過度な期待は禁物です。投資判断にあたっては、選挙結果だけでなく、為替、金利、海外経済の動向にも注意を払う必要があります。

参考資料:

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