日経平均先物が夜間取引で急落した背景と今後の展望
はじめに
2026年1月24日早朝、大阪取引所の夜間取引で日経平均先物が大幅に下落しました。終値は前日比800円安の5万2900円となり、投資家の間で警戒感が広がっています。
日経平均株価は2025年に史上初めて5万円の大台を突破し、11月には取引時間中の最高値5万2636円を記録しました。しかし、2026年に入ってからは上昇の勢いがやや鈍化し、調整局面を迎える可能性が指摘されています。
この記事では、夜間取引での急落の背景にある要因を分析し、今後の相場展望について解説します。
夜間取引で急落した主な要因
米国株式市場の動向
日経平均先物の下落は、米国株式市場の動きと密接に関連しています。1月23日のニューヨーク市場では、ダウ工業株30種平均が3日ぶりに反落し、終値は前日比285ドル30セント安の4万9098ドル71セントとなりました。
特に注目されたのは、インテルの株価急落です。同社が発表した2025年10〜12月期決算の内容が市場の期待を下回り、株価は17%もの大幅下落となりました。半導体セクター全体への警戒感が高まり、日本のハイテク関連銘柄にも売りが波及しました。
AI関連株への警戒感
2026年の株式市場において、AI関連銘柄の動向は極めて重要な位置を占めています。日経平均株価はソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテックといったAI関連銘柄の影響度が増しており、これらの銘柄の値動きが指数全体を左右する構造になっています。
米国では、AI関連への巨額投資が続く一方で、その収益化の遅れに対する懸念が浮上しています。ハイテク大手の財務悪化リスクを指摘する声も強まり、AIバブルへの警戒感が市場に広がっています。
金融株への売り圧力
ニューヨーク市場では金融株を中心に売りが出ました。JPモルガン・チェースへの売りが特に目立ち、ジェイミー・ダイモンCEOを巡る動きも市場の注目を集めました。米国の金融セクターの動向は、日本の銀行株や保険株にも影響を与える傾向があります。
2026年の日経平均株価の見通し
専門家の予測
主要企業の経営者20人に対する調査では、全員が2026年中に日経平均株価の最高値を更新すると予想しています。高値予想の平均は5万7350円で、高値をつける時期は年末の10〜12月という見方が大勢を占めています。
金融機関11社への調査では、年末の予想は5万3000円から6万1000円の範囲となりました。上場企業の増益が続くという点では見方が一致していますが、日本経済や企業の成長期待をどう評価するかで上昇幅の見通しが分かれています。
個人投資家の見方
個人投資家800人を対象にした調査によると、最も多かった回答は「横ばい」で全体の約46.1%を占めました。「上昇する」「大きく上昇する」と答えた人は合わせて35.9%、「下落する」「大きく下落する」と答えた人は18.1%にとどまっています。
高値予想の中央値は5万4000円、安値予想の中央値は4万5000円となっており、市場参加者の多くは一定のレンジ内での推移を想定しているようです。
株価上昇を支える要因
企業業績の改善
2025年11月中旬に出そろった中間決算を集計すると、2026年度の純利益は11.7%増える見通しです。PER(株価収益率)はTOPIXの場合約15.2倍で、標準レンジとされる14倍〜16倍の中に収まっています。
この点から、現在の株価水準は割高すぎるとは言えず、企業業績の改善が株価を下支えする構図が続くと見られています。
高市政権への期待
高市早苗氏が2025年10月に女性初の首相に就任し、積極財政を進めて経済を拡大させる「サナエノミクス」への期待が株価を押し上げる一因となっています。ただし、政策の実行力が問われる局面も想定され、政治動向が相場に影響を与える可能性があります。
注意すべきリスク要因
トランプ関税への懸念
米国のトランプ政権による関税政策は、引き続き市場の重要なリスク要因です。日本に対する関税引き上げへの警戒から、自動車など輸出関連を中心に幅広い銘柄に売りが膨らむ可能性があります。
トランプ大統領は日本との関税交渉について「合意が困難」との見方を示しており、日米通商関係の行方が株式市場に大きな影響を与える展開が続きそうです。
金融政策の行方
今月下旬には日銀金融政策決定会合(22〜23日)、米連邦公開市場委員会(FOMC、27〜28日)が控えています。日銀会合は無風で通過する可能性がある一方、FOMCには警戒が必要とされています。参加者の利下げ予想が割れているためです。
2025年12月には日銀が利上げ、FRBが利下げを実施し、日米の政策金利差は2.875%と0.5%縮小しました。為替動向と株価の連動性にも注意が必要です。
午年の相場格言
2026年は干支で「丙午(ひのえうま)」にあたります。相場格言「辰巳天井、午尻下がり」によると、午年は下げやすいとされています。過去4回の「午年」の平均騰落率は-6.7%で、十二支の中では最悪という結果が出ています。
格言に過度に依存する必要はありませんが、波乱の年になる可能性は念頭に置いておくべきでしょう。
まとめ
日経平均先物の夜間取引での急落は、米国株の下落やインテル急落による半導体セクターへの警戒感が主な要因です。AI関連銘柄の動向が日経平均に与える影響は今後も大きく、米国ハイテク企業の決算には特に注目が集まります。
2026年の日経平均株価について、専門家の多くは最高値更新を予想していますが、トランプ関税や金融政策の行方など不確実性も残っています。短期的な調整局面があっても、企業業績の改善を背景に中長期的な上昇トレンドは維持される可能性が高いと見られています。
投資家の皆さんは、目先の値動きに一喜一憂せず、リスク管理を意識しながら市場と向き合うことが重要です。
参考資料:
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