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by nicoxz

日経平均900円高から失速、衆院選後の上昇余地を探る

by nicoxz
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はじめに

2026年2月2日の東京株式市場で、日経平均株価が一時前週末比924円高の5万4247円まで急騰した後、前引けでは99円高の5万3422円まで上げ幅を大幅に縮小するという激しい値動きが見られました。後場に入ると一転してマイナス圏に沈む場面もあり、投資家の間で強弱感が交錯する展開となっています。

この急騰と失速の背景には、2月8日に投開票を控える衆議院選挙の情勢調査で「自民党優勢」との見方が広がったことがあります。本記事では、当日の値動きの要因を分析するとともに、衆院選後の株式市場の上昇余地について複数のシナリオから検証します。

当日の値動きと短期筋の役割

朝方の急騰メカニズム

2月2日の朝方、東京株式市場では取引開始から約10分で日経平均の上昇速度が一気に加速しました。為替市場で円安が進行したことを受け、短期筋(投機筋)が株価指数先物に大量の買い注文を入れたことが急騰の主因です。

衆院選の情勢調査で自民党が単独過半数を確保する可能性が報じられたことも、買いの材料となりました。「選挙は買い」というアノマリー(経験則)が意識され、選挙結果を先取りする形で資金が流入した格好です。

上げ幅縮小の背景

しかし、900円を超える上昇は長続きしませんでした。前引け時点では99円高まで上げ幅が縮小し、後場にはマイナス圏に転落する場面もありました。この失速にはいくつかの要因が考えられます。

まず、日経平均のPER(株価収益率)が19倍台と割高感が強いことです。1月14日につけた高値5万4487円が当面の天井として意識されており、この水準に近づくと利益確定売りが出やすい状況でした。また、10年国債利回りが2.2%を上回る約27年ぶりの高水準にあることも、株式市場の重荷となっています。

為替も午後にかけて円高方向に振れ、1ドル=154円90銭台で推移したことが、輸出関連株を中心に売り圧力を強めました。

衆院選と株式市場の関係

「選挙は買い」アノマリーの検証

1969年以降に行われた18回の衆院解散総選挙を振り返ると、2024年のケースを除いてすべてで日経平均が上昇しています。三井住友DSアセットマネジメントの分析によると、解散から投開票までの期間は株価が上昇しやすいものの、選挙後は別の材料に左右される傾向があります。

今回も1月9日に解散検討の報道が出た直後、日経平均は2日間で2401円(上昇率4.6%)の大幅上昇を記録しました。解散決定そのものはすでに株価に織り込まれており、投開票日に向けて「材料出尽くし」となるリスクも意識されています。

自民党の議席数と株価シナリオ

マネックス証券の分析では、自民党が単独過半数を確保した場合、5月には日経平均が5万8000円台に到達する可能性があるとされています。政権基盤の安定により、高市早苗首相が掲げる経済政策の実行力が高まるとの期待が根拠です。

一方で、野村證券の岡崎康平氏は、自民党の大勝は高市首相の政策への支持の高さを意味し、株式市場はポジティブに反応するとしながらも、参議院での与党過半数割れが継続する点を考慮すると、政策実行には一定のハードルが残ると指摘しています。

高市政権の経済政策と市場の評価

積極財政路線の光と影

高市首相は「責任ある積極財政」を掲げ、2025年度補正予算案17.7兆円を含む総額21.3兆円規模の経済対策を打ち出しています。一方で、2026年度当初予算ではプライマリーバランスを28年ぶりに黒字化し、新規国債発行額をリーマンショック後2番目に低い29.6兆円に抑えるなど、財政規律への配慮も見せています。

しかし、市場の反応は必ずしも好意的ではありません。国債発行に依存した積極財政がインフレ環境下で続くことへの懸念から、長期金利は上昇を続けています。金利上昇は株式市場にとって逆風となるため、積極財政が株高につながるかどうかは単純ではありません。

消費税減税をめぐる不透明感

高市首相は飲食料品の消費税を2年間ゼロにすることを「悲願」と語りましたが、自民党の公約には実施時期が明記されていません。遊説の場面でも消費税減税に触れないことがあり、発言にぶれが見られます。この不透明感は投資家にとって政策の予見可能性を低下させる要因です。

楽天証券の窪田真之氏は、日本株は割安で長期的な上昇余地が大きいとしながらも、短期的には株価上昇のピッチが速すぎるとの見方を示しています。

注意点・展望

選挙後に注意すべきリスク

衆院選で自民党が勝利しても、すぐに株価が大幅上昇するとは限りません。第一生命経済研究所の嶌峰義清氏は、PERの割高感や金利上昇傾向を踏まえると、与党勝利でも株価が勢いよく上昇する可能性は低いとの見解を示しています。

また、テクニカル面では、1月27日の安値5万2637円を割り込むと弱気の流れが確認され、5万2194円以下へ下落するリスクがあるとの分析もあります。日銀の追加利上げの可能性も、株式市場における最大の波乱要因として意識されています。

中長期の見通し

選挙後の株価を左右するのは、政策の実行力と外部環境です。高市政権が安定し、成長戦略が着実に実行されれば、年末に向けて株価上昇が加速する可能性もあります。ただし、トランプ政権の関税政策や中国経済の動向など、海外リスクにも目を配る必要があります。

まとめ

2月2日の日経平均の「900円高から失速」は、衆院選を前にした短期筋の先物買いと、割高感や金利上昇という構造的な重荷が交錯した結果です。「選挙は買い」のアノマリーは過去の実績が示す通り一定の有効性がありますが、選挙後は別の材料に市場の関心が移ります。

投資家にとって重要なのは、選挙結果そのものよりも、選挙後に政策がどれだけ実行に移されるかです。自民党の議席数、日銀の金融政策、海外の政治経済リスクなど、複数の要因を総合的に見極めながら、中長期的な投資判断を行うことが求められます。

参考資料:

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