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by nicoxz

日経平均1100円超安、米当局レートチェックで円急伸

by nicoxz
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はじめに

2026年1月26日の東京株式市場で、日経平均株価が大幅に反落しました。下げ幅は一時1100円を超え、終値も前営業日比961円安の52,885円となりました。

背景にあるのは急激な円高です。前週末にニューヨーク連銀が為替介入の前段階となる「レートチェック」を実施したとの観測が広がり、ドル円相場は159円台から一時153円台まで5円超の円高が進行しました。

本記事では、今回の株価急落の背景と、為替介入の仕組みについて解説します。

日経平均株価、3日ぶり大幅反落

取引の概要

26日の日経平均株価は、始値53,023円、高値53,138円、安値52,656円で推移し、大引けは52,885円(前日比-961円、-1.79%)となりました。売買高は22億5060万株、売買代金は6兆3893億円でした。

プライム市場では値下がり銘柄が88%に達し、ほぼ全面安の展開となりました。特に為替感応度の高い自動車やメガバンクなど主力大型株に売りが集中しました。

円高が株安を主導

株価下落の主因は急激な円高です。前週末23日夕方に1ドル=159円台前半だったドル円相場は、26日午前には一時153円台後半まで円高が進行しました。わずか数日で5円超という大幅な変動は、輸出関連企業の収益見通しに大きな影響を与えます。

トヨタをはじめとする自動車株が軒並み下落したほか、為替と絡めた株価指数先物への売りがかさみ、相場全体を押し下げました。

レートチェック実施の観測

米当局の動き

今回の円高の引き金となったのは、米当局によるレートチェック実施の観測です。ニューヨーク時間23日、市場関係者によると、ニューヨーク連銀が主要銀行に対し、参考となる為替レートの提示を求めるレートチェックを実施しました。

これにより、同連銀が市場介入を支援する準備を進めているのではないかとの見方が広がり、円は対ドルで急騰しました。昨年8月以来の大幅な上昇となりました。

日本政府の対応

木原官房長官はレートチェックについて「答えは控える」としつつも、「米国と連携し適切に対応する」と述べました。片山財務大臣も為替市場を「緊張感を持って注視している」とし、日米共同声明に沿って対応すると発言しています。

日米協調での為替介入への警戒感が、市場の円買いをさらに加速させました。

為替介入の仕組み

為替介入とは

為替介入(正式名称:外国為替平衡操作)とは、為替相場の安定を目的として政府・中央銀行が通貨を売買することです。日本では、財務大臣の権限において実施されます。

日本銀行は、特別会計に関する法律および日本銀行法に基づき、財務大臣の代理人として、その指示に基づいて為替介入の実務を遂行します。介入資金は財務省所管の「外国為替資金特別会計(外為特会)」から拠出されます。

介入に至る3段階のプロセス

為替介入は通常、以下の段階を経てエスカレートします。

第1段階:口先介入 「過度な変動は望ましくない」「あらゆる手段を排除しない」といった発言による牽制です。市場へのけん制効果は限定的ですが、当局の姿勢を示す役割があります。

第2段階:レートチェック 日銀が銀行などの市場参加者に取引水準を問い合わせます。市場参加者に実際の介入と同様の注文を出させ、売値や買値を提示させた後、「ナッシング(注文キャンセル)」と伝えます。実介入の準備段階として強く意識され、市場に緊張が走ります。

第3段階:実介入 実際に巨額の資金を市場に投入します。円高阻止の場合はドル買い・円売り、円安阻止の場合は円買い・ドル売りを実施します。

レートチェックの市場への影響

レートチェックが入ると、市場では介入警戒感が急速に高まります。「ナッシング」の代わりに実際の売買意思を伝えれば介入が成立するため、市場参加者は持ち高を調整する動きを見せます。

市場参加者は通貨当局の「防衛ライン」を探るため、レートチェックが入った際の相場水準に注目します。今回は159円台でチェックが入ったとの観測があり、この水準が当面の上限として意識される可能性があります。

注意点・展望

FOMC控え不透明感続く

来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、FRBの金融政策に対する注目度が高まっています。利下げペースや今後の政策見通し次第では、ドル円相場がさらに変動する可能性があります。

企業決算シーズンの到来

日本企業の10-12月期決算発表が本格化します。円高が進行した場合の業績への影響が焦点となります。特に自動車や電機など輸出関連企業の見通しに注目が集まるでしょう。

衆院選の影響

2月8日投開票の衆院選も市場の不確実性を高める要因です。与野党が減税政策を競い合う中、財政拡張への懸念から長期金利が上昇しており、金利・為替・株式の三重苦に警戒が必要です。

介入の有効性

為替介入は急激な変動を抑制する効果がありますが、市場のトレンドを変える力は限定的とされています。過去の事例では、介入直後は効果を発揮しても、その後再び元のトレンドに戻るケースも少なくありません。

ただし、日米協調での介入が実施される場合は、単独介入よりも市場への影響力が大きくなる可能性があります。

まとめ

2026年1月26日、日経平均株価は一時1100円を超える下落となり、終値も961円安の52,885円となりました。米当局がレートチェックを実施したとの観測を受けて円が急伸し、輸出関連株を中心に幅広い銘柄に売りが広がりました。

レートチェックは為替介入の準備段階として市場に強い警戒感を与えます。政府当局は「緊張感を持って注視」「日米で適切に対応」と発言しており、実介入への警戒感は当面続く可能性があります。

来週のFOMCや企業決算、さらには衆院選と、市場の不透明要因が続く中、為替・株式市場は神経質な展開が予想されます。

参考資料:

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