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by nicoxz

日経平均が半導体株主導で最高値圏へ、投資家が知るべきポイント

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はじめに

2026年2月3日、東京株式市場で日経平均株価が大幅に反発し、一時1月14日に記録した最高値を上回る場面がありました。この上昇を牽引しているのは、東京エレクトロンやアドバンテストといった半導体関連株です。

「半導体株ラリー」と呼ばれるこの現象は、2024年から続くAI需要の拡大を背景に、日本株市場の構造的な特徴となっています。日経平均の上げ幅のうち、半導体関連株だけで3割を占めるケースもあり、投資家にとって無視できない存在です。

本記事では、半導体株ラリーの背景にある市場構造と、主要銘柄の動向、そして投資家が押さえておくべきポイントを解説します。

半導体株ラリーの背景と市場構造

なぜ日本の半導体株が買われるのか

日本の半導体産業は、チップの設計や製造では台湾や韓国に後れを取っていますが、製造装置と材料の分野では世界トップクラスの競争力を維持しています。

具体的には、半導体製造材料で世界シェア48%、製造装置で31%を占めており、これは米国の35%に次ぐ規模です。AI半導体の需要が拡大すると、その製造に必要な装置や材料への需要も連動して増加するため、日本企業の業績に直結する構造になっています。

米国市場との連動性

日本の半導体関連株は、米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)との連動性が高いことで知られています。2026年2月2日の米国市場でSOX指数が上昇したことが、翌日の東京市場での半導体株高につながりました。

NVIDIAをはじめとする米国の半導体メーカーの業績や株価動向は、サプライチェーンを通じて日本企業にも影響を与えます。特に東京エレクトロンは、NVIDIAの動向に左右されやすい銘柄として知られています。

主要銘柄の動向と業績

アドバンテストの躍進

アドバンテストは、半導体テスト装置の分野で世界的なシェアを持つ企業です。2025年度の業績は売上高8,005億円(前年同期比46.3%増)、営業利益3,460億円(同110.8%増)と過去最高を更新しました。

特筆すべきは、同社の時価総額が東京エレクトロンを約20年ぶりに上回り、15兆円に達した点です。AI半導体の高度化に伴い、チップのテスト工程の重要性が増していることが、アドバンテストへの評価につながっています。

東京エレクトロンの見通し

東京エレクトロンは半導体製造装置の世界的大手で、日経平均への寄与度が高い銘柄です。同社の河合利樹CEOは、2026年の世界の前工程向け装置市場が「過去最高になるだろう」と明言しています。

一方で、2026年度第1四半期は半導体投資パターンの変化により減収となる見込みも示されており、短期的な業績の波には注意が必要です。長期的には、2ナノメートル量産開始(2025年後半)や1.6ナノメートル量産開始(2026年後半)といった微細化の進展が追い風となります。

その他の注目銘柄

ディスコ(精密加工装置)やレーザーテック(マスク検査装置)も、半導体製造プロセスの重要な工程を担う企業として注目されています。楽天証券は、これらの銘柄の目標株価を相次いで引き上げています。

半導体市場の構造変化とスーパーサイクル論

AI需要が変えた市場構造

従来の半導体市場は、スマートフォンやPCの需要サイクルに左右されていました。しかし、生成AIの急速な普及により、データセンター向けの高性能半導体需要が市場を牽引する構造に変化しています。

NVIDIAのGPUに代表されるAIアクセラレータの需要は、2026年も衰える気配がありません。これに伴い、高帯域幅メモリ(HBM)や先端パッケージング技術への需要も拡大しています。

HBM4とパッケージング技術

2026年からは次世代メモリ「HBM4」の量産が始まる見込みです。HBMはAI半導体に不可欠なコンポーネントであり、その製造には高度なパッケージング技術が必要となります。

日本の半導体関連企業は、このパッケージング工程で使用される材料や装置の分野で強みを持っており、HBM需要の拡大による恩恵を受けやすい立場にあります。

投資家が注意すべきリスク要因

地政学リスク

半導体産業は米中対立の影響を受けやすい分野です。米国による対中輸出規制の強化や、中国の報復措置といった動向は、日本企業にも影響を及ぼす可能性があります。

特に、中国市場での売上比率が高い企業は、規制強化の影響を受けるリスクがあります。投資判断の際には、各企業の地域別売上構成を確認することが重要です。

バリュエーションの高さ

半導体関連株は業績拡大期待から株価が大きく上昇しており、バリュエーションが高い水準にあります。市場全体の調整局面では、期待が剥落して大きく下落するリスクもあります。

日経平均が55,000円や60,000円を目指すという強気な見方がある一方で、急速な上昇には警戒も必要です。

円安の影響

半導体製造装置メーカーは輸出比率が高いため、円安は追い風となります。しかし、円安が急速に進行すると、輸入コストの上昇や金融政策の変更につながる可能性があり、株式市場全体への影響も考慮する必要があります。

まとめ

日経平均株価が最高値圏に到達した背景には、半導体関連株の力強い上昇があります。AI需要の拡大を背景に、日本の半導体製造装置・材料メーカーは構造的な成長期待を享受しています。

投資家としては、個別銘柄の業績動向だけでなく、米国市場との連動性、地政学リスク、バリュエーションの水準といった要素を総合的に判断することが重要です。半導体市場のスーパーサイクルが続くかどうか、今後の動向に注目が集まります。

参考資料:

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