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by nicoxz

大阪出直し市長選告示 横山氏ら5氏出馬、都構想の是非を問う

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はじめに

大阪市の横山英幸前市長(44)の辞職に伴う出直し市長選が2026年1月25日に告示され、横山氏ら5人の候補者による争いが確定しました。投開票は2月8日で、衆院選および大阪府知事選と同日に実施されます。

過去2度の住民投票で否決された「大阪都構想」への3度目の挑戦の是非が最大の争点です。維新以外の主要政党は「大義がない」として候補者擁立を見送っており、異例の選挙戦となっています。

出直し市長選の概要

5人の候補者

大阪市長選に立候補したのは以下の5人です。

  • 横山英幸氏(44歳、日本維新の会公認、前職):維新副代表として都構想の実現を訴える
  • 中条栄太郎氏(56歳、会社社長、無所属新人)
  • ネペンサ(本名・安達真)氏(51歳、芸術家、無所属新人)
  • 千代知洋氏(58歳、自営業、無所属新人)
  • 林成典氏(52歳、NPO法人理事、無所属新人)

横山氏が再選した場合、任期は元の任期と同じ2027年4月までとなります。他の候補が当選すれば4年間の任期となります。

辞職に至る経緯

横山英幸氏は2026年1月15日、衆議院選挙に合わせて「大阪都構想」の3度目の挑戦について是非を問うため、市長を辞職することを表明しました。同時に、大阪府の吉村洋文知事(維新代表)も辞職を表明し、府知事・市長の出直しダブル選挙が実施されることになりました。

横山氏の辞職は府議会の同意が必要でしたが、最終的に1月25日の告示日に失職する形で選挙戦に突入しました。

大阪都構想とは何か

二重行政解消を目指す構想

大阪都構想は、政令市の大阪市を廃止し、複数の特別区に再編する構想です。大阪府と大阪市の「二重行政」を解消し、行政の効率化と大阪全体の成長戦略の推進を目的としています。

実現には大都市地域特別区設置法に基づく住民投票で賛成多数を得る必要があります。維新は「大阪の成長、未来のために副首都大阪、都構想が必要」と主張しています。

過去2度の住民投票

大阪都構想はこれまで2度の住民投票で否決されています。

2015年5月の住民投票では、約1万票差で否決されました。当時の橋下徹大阪市長は結果を受けて政界引退を表明しました。

2020年11月の住民投票では、約1万7千票差で否決され、1回目より差が広がる結果となりました。当時の松井一郎大阪市長は政界引退を表明し、吉村洋文知事も「僕自身が再挑戦することはない」と明言していました。

再挑戦への批判

2度否決された構想に3度目の挑戦を掲げることには、批判の声が上がっています。公明党府議団の幹部は「『火事場泥棒』みたいな感じ。こんな選挙に大義があるのか」と批判しました。

維新の創設者である橋下徹元大阪市長も、自身のXで「やるにしてもここではないと思う」と投稿。松井一郎前大阪府知事も「今回の吉村さんのやり方では党内でも一枚岩とならないだろう、だからここでは無いと僕も思う」と指摘し、党内からも疑問の声が上がっています。

府知事選との同日選挙

吉村知事も出直し選

大阪府知事選も同日の2月8日に投開票が行われます。吉村洋文前知事(50)も辞職して出直し選に臨んでおり、維新公認の吉村氏、会社経営の納藤保氏(44、無所属新人)、政治団体共同代表の大西恒樹氏(61、新人)の3人の争いとなっています。

府知事選でも自民、立憲民主、公明、共産など主要政党は対立候補の擁立を見送りました。

異例の短期決戦

吉村知事による出直し選表明から告示までわずか1週間という異例の短さでした。吉村氏は府知事選の第一声で「今回の選挙に反対意見が多いことはわかります」と謝罪し、異例の選挙戦であることを認めています。

「大阪が強くなることで日本が強くなる。そのためには都構想が必要だ」と訴え、再選後は任期中(2027年4月まで)に3度目の住民投票の実施を目指す考えを示しています。

主要政党が候補者を擁立しない理由

「大義なき選挙」への批判

自民党、立憲民主党、公明党、共産党など主要政党は、出直し選を「大義がない」と批判し、対立候補の擁立を見送りました。

批判の主なポイントは以下の通りです。

  1. 2度の住民投票で否決された民意を軽視している
  2. 衆院選に便乗した「火事場泥棒」的な選挙戦略
  3. 任期途中での辞職に正当な理由がない
  4. 短期間での選挙準備では十分な政策議論ができない

維新の狙い

一方、維新側には国政選挙との相乗効果を狙う思惑があります。衆院選、府知事選、市長選のトリプル選挙を同日に行うことで、維新への投票を促す「相乗効果」を期待しています。

また、野党が候補者を擁立しないことで、事実上の「信任投票」となり、都構想への「民意」を得たと主張できる形を作る狙いもあるとみられています。

今後の展望

選挙結果の見通し

主要政党が候補者を擁立しない中、維新公認の横山氏・吉村氏の当選が有力視されています。ただし、投票率の低下が懸念されており、「信任」と言えるだけの票を獲得できるかが焦点となります。

3度目の住民投票に向けて

横山氏・吉村氏が再選した場合、2027年4月までの任期中に3度目の住民投票の実施を目指すことになります。しかし、住民投票の実施には府議会・市議会での承認が必要であり、維新以外の政党が反対する可能性が高いです。

また、2度否決された構想に対して、市民の間でも「何度やれば気が済むのか」という疲弊感が広がっている面もあります。

まとめ

大阪出直し市長選は、過去2度の住民投票で否決された大阪都構想への3度目の挑戦をめぐる選挙です。維新の横山英幸前市長が「設計図づくりの第一歩を踏み出させてほしい」と訴える一方、主要政党は「大義なき選挙」として候補者擁立を見送りました。

2月8日の投開票では、衆院選・府知事選との同日選挙という異例の形で大阪市民の判断が示されます。選挙結果とともに、投票率や得票数がどの程度になるかも、都構想の今後を占う重要な指標となるでしょう。

参考資料:

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