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by nicoxz

銀価格が史上初の100ドル突破、貴金属高騰の背景

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はじめに

銀(シルバー)価格の国際指標であるニューヨーク先物が、2026年1月23日の取引で史上初めて1トロイオンス(約31.1グラム)あたり100ドルを突破しました。終値は前日比7ドル(7%)高の103.53ドルを記録しています。

グリーンランドを巡る米欧対立やイラン情勢への警戒感から、安全資産とされる貴金属にマネーが流入しています。金(ゴールド)価格の上昇に続く銀の急騰は、投資家のリスク回避姿勢を反映しています。

銀価格急騰の経緯

2025年からの上昇トレンド

銀価格は2025年を通じて大きく上昇しました。年初は1トロイオンス29ドル前後で推移していましたが、堅調な工業需要や供給の制約、投資家の関心の高まりに支えられて急上昇し、年末までに70ドルを超える水準に達しました。

2025年11月から12月にかけて価格はさらに加速し、12月下旬には一時約80ドル近辺まで値を伸ばす場面も見られました。そして2026年1月、ついに100ドルの大台を突破しました。

歴史的なショートスクイーズ

今回の急騰は、歴史的なショートスクイーズ(空売りの買い戻し)によっても増幅されています。銀先物市場では空売りポジションが積み上がっていましたが、価格上昇に伴い空売り勢が損失確定の買い戻しを迫られ、これが価格をさらに押し上げる結果となりました。

価格上昇の背景

地政学リスクの高まり

デンマーク自治領グリーンランドを巡る米欧の対立や、イラン情勢への警戒感が高まっています。こうした地政学的な不確実性から、投資家はリスク回避のために安全資産とされる貴金属を求める動きを強めています。

銀は金に比べて価格が低く、個人投資家も参入しやすいことから、安全資産需要の受け皿となっています。

供給の逼迫

銀は世界的に供給不足が4年連続で続いています。鉱山からの生産量が需要に追いつかず、在庫が減少しています。供給不足の状態が続くことで、価格には上昇圧力がかかりやすい状況となっています。

また、中国が銀を含む一部金属の輸出管理を強化していることも、供給への懸念を強めています。

工業需要の拡大

銀は太陽光パネルや電気自動車(EV)、電子機器などの産業で広く使用されています。脱炭素化の流れの中で、太陽光発電の普及が進んでおり、銀の工業需要は拡大を続けています。

ネッド・デイヴィス・リサーチは「銀は安全な避難先としての魅力と、電気用途、そしてますます拡大する太陽エネルギー、電気自動車、電化、デジタルインフラの恩恵を受けている」と分析しています。

投資家の動向

個人投資家の参入

個人投資家による銀の買い入れが増加しています。銀ETFの代表的な銘柄である「iシェアーズ・シルバー・トラスト」には、直近30日間で9億2,180万ドルの資金が流入しました。

金に比べて価格が低い銀は、少額から投資できるため個人投資家の人気を集めています。また、金との価格比率(金銀比価)から見て銀は割安との見方も、投資資金を呼び込む要因となっています。

ETFを通じた投資

銀への投資方法としては、銀ETFが手軽な選択肢となっています。証券口座があれば株式と同じように売買でき、現物の銀を保管する必要もありません。NISAで購入できる銘柄もあり、長期投資の手段として注目されています。

国内価格への影響

史上最高値を更新

2026年1月23日、銀の国内店頭小売価格(税込)は1グラムあたり551.54円となり、史上最高値を更新しました。2020年には1グラム100円程度だった銀価格は、わずか数年で5倍以上に上昇した計算になります。

国内の銀価格は、国際価格に加えて為替レートの影響も受けます。円安が進めば円建ての銀価格は上昇しやすく、為替動向も重要な要素となります。

貴金属買取市場への影響

銀製品の買取価格も上昇しています。使わなくなった銀製の食器やアクセサリーを売却する動きも出ており、貴金属買取店では銀の持ち込みが増加しています。

注意点・展望

価格変動リスク

銀は金に比べて市場規模が小さく、価格変動(ボラティリティ)が大きい傾向があります。短期間で大きく値上がりする一方、急落するリスクもあります。投資する場合は、こうした価格変動リスクを十分に理解しておく必要があります。

最近の急激な価格上昇は、今後の調整リスクも示唆しています。高値掴みを避けるためにも、分散投資や積立投資といった手法を検討すべきでしょう。

今後の見通し

2025年に金属価格を押し上げた追い風の多くは、2026年も続くと予想されています。地政学リスクの継続、工業需要の拡大、供給の逼迫といった要因は当面解消しない見通しです。

一方で、金利動向や景気の変化によっては、貴金属から他の資産への資金シフトが起きる可能性もあります。長期的な強気相場が続くとの見方がある一方で、短期的には変動性が高まる可能性も指摘されています。

まとめ

銀価格の100ドル突破は、地政学リスクの高まりと供給不足、工業需要の拡大という複合的な要因によってもたらされました。安全資産としての需要と産業用途の両面から買いが入る銀は、金とは異なる投資魅力を持っています。

国内価格も史上最高値を更新しており、銀への関心は高まっています。ただし、価格変動リスクは大きいため、投資を検討する場合は分散投資や長期視点を心がけることが重要です。

参考資料:

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