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by nicoxz

主観的年齢と老化の新常識、生物学的年齢から見る人生後半戦

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はじめに

「老害」という言葉が日常的に耳に入る時代になりました。特筆すべきは、この言葉を自称する中高年が少なくないという点です。世の中は中高年であふれ、人生100年時代と言われる現代において、実年齢(暦年齢)だけでは個人の状態を測りきれないという認識が広がっています。

近年注目されているのが「主観的年齢」と「生物学的年齢」という概念です。これらは、身体を構成する臓器や組織の状態、細胞レベルでの老化を多角的に捉える新しい指標として、医療・心理学の分野で研究が進んでいます。本記事では、これらの概念を理解し、老害と呼ばれない道を探ります。

生物学的年齢とは何か

実年齢との違い

生物学的年齢とは、身体の臓器や組織の状態、細胞レベルでの老化度合いを示す指標です。同じ65歳でも、ある人は生物学的には55歳相当、別の人は75歳相当ということがあります。

MSDマニュアルによれば、生物学的年齢は「加齢に伴って一般的に起こる身体の変化」を指します。重要なのは、これらの変化が現れる時期には大きな個人差があるという点です。ある人では65歳で生物学的老化の兆候が現れ始めますが、別の人では10年以上遅れて現れることもあります。

老化スピードの個人差

日本経済新聞の記事によると、老化のスピードには驚くべき個人差があります。ニュージーランドで行われた研究では、26歳から45歳までの954人を追跡調査した結果、最も老化が遅い人は1年間で生物学的に0.4年しか老化しなかったのに対し、最も速い人は2.44年も老化していました。

この研究では、生物学的年齢の違いは45歳の時点で統計的に有意な差として現れ、老化が速い人は年齢に関連する機能の低下が見られました。つまり、45歳を過ぎた頃から、実年齢と生物学的年齢の乖離が目に見えて大きくなり始めるのです。

主観的年齢が健康に与える影響

「自分は老いている」という認識の危険性

健康長寿ネットの研究によれば、高齢者を対象にした調査で、自分を「老いている」と感じる人は、年齢に関連する病気と診断される確率が高く、相対的に若い年齢で死亡する傾向があることが分かっています。

つまり、主観的年齢が実年齢よりも高い(自分を老いていると感じる)人は、実際に健康状態が悪化しやすいのです。これは単なる気の持ちようではなく、心理状態が身体の健康に実際の影響を及ぼすことを示しています。

若々しい自己認識のメリット

逆に、主観的年齢を若く保つことは、健康長寿につながる可能性があります。自分を実年齢より若いと感じている人は、活動的で新しいことに挑戦する傾向があり、結果として身体機能の維持につながります。

サントリーの健康情報コラムでは、高齢期の心理的特徴として、自分を若く感じることが幸福感や生活の質の向上と関連していることが指摘されています。人生の後半戦は想像以上に長いため、主観的年齢を若く保つことが、その長い期間を充実させる鍵となります。

「老害」にならないための心理学的アプローチ

脳の抑制機能と社会性

追手門学院大学の研究によれば、「老害にはなりたくない」という願いの実現には、脳の抑制機能が重要な役割を果たします。認知心理学者の研究では、高齢者の中でも、脳の「白質結合性」が高い人は、顔の表情から感情を読み取るテストでより良い成績を示しました。

これは、他者の気持ちを理解する能力が、脳の特定の機能と関連していることを示唆しています。老害と呼ばれる行動の多くは、他者への配慮の欠如から生じるため、この抑制機能を維持することが重要です。

高齢期の心理的変化への対処

健康長寿ネットによれば、加齢とともに人は一般的に頑固で保守的になり、他人に対して厳しくなり、疑い深くなる傾向があります。しかし、これは避けられない変化ではありません。

自分の心理的傾向を客観的に認識し、意識的に柔軟性を保つ努力をすることで、この傾向を緩和できます。新しい経験を積極的に取り入れ、異なる世代との交流を持つことが、心理的な柔軟性の維持に役立ちます。

注意点・展望

よくある誤解

「年齢は単なる数字」という言葉を文字通りに受け取り、健康管理を怠るのは危険です。生物学的年齢は実年齢とは異なりますが、適切な食事、運動、社会活動によってコントロール可能な部分があるということを理解すべきです。

また、「主観的年齢を若く保つ」ことと「年齢相応の振る舞いを無視する」ことは別物です。無理に若作りをすることではなく、心身ともに健康で活動的な状態を維持することが本質です。

今後の社会での位置づけ

超高齢社会が進む日本において、暦年齢だけでなく、生物学的年齢や主観的年齢を考慮した社会制度の設計が求められています。定年制度や年金制度も、一律の年齢基準ではなく、個人の健康状態や能力に応じた柔軟な仕組みへと変化していく可能性があります。

企業においても、年齢ではなく能力やパフォーマンスを重視する評価制度への移行が進んでいます。これは、生物学的年齢や主観的年齢の個人差を認識する社会の表れと言えるでしょう。

まとめ

実年齢だけでは個人の状態を測りきれない時代になりました。生物学的年齢には大きな個人差があり、45歳を過ぎると最大で6倍以上の差が生じることもあります。主観的年齢を若く保つことは、健康長寿につながる可能性があります。

「老害」と呼ばれないためには、脳の抑制機能を維持し、他者への配慮を忘れないことが重要です。人生の後半戦は想像以上に長いため、主観的年齢を若く保ち、柔軟性を維持する努力を続けることが、充実した人生を送るための鍵となります。

年齢を重ねることは避けられませんが、どのように老いるかは自分次第です。今日から、主観的年齢を若く保つための行動を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料:

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