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by nicoxz

東京1区で公明支持者の争奪戦、中道と自民の攻防

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はじめに

本日公示される第51回衆議院議員総選挙で、東京1区は注目選挙区の一つとなっています。立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」の海江田万里氏と、自民党の山田美樹氏が対決する構図です。

かつて自民党候補を支えてきた公明党・創価学会の票が、今回は中道改革連合に向かう可能性があります。選挙協力の地殻変動が、接戦区の結果をどう左右するのか。東京1区を通じて、新たな政治地図の一端を見ていきます。

この記事では、中道改革連合の結成経緯、東京1区の候補者と情勢、そして公明・学会票の行方について解説します。

中道改革連合の結成

立憲と公明の合流

2026年1月16日、立憲民主党と公明党は新党「中道改革連合」(略称「中道」)の結成で合意しました。野田佳彦・立憲代表と斉藤鉄夫・公明代表が共同代表に就任し、所属国会議員は計165人となりました。

結成の直接のきっかけは、高市早苗首相が1月23日召集の通常国会冒頭に衆院解散を決めたことでした。公明党は衆院選を戦うパートナーとして、かつての連立相手・自民党ではなく、立憲民主党を選択しました。

自公連立解消の経緯

公明党が自民党との連立を解消したのは2025年10月のことです。高市総裁と斉藤代表の党首会談で、「政治とカネ」問題への対応を巡り決裂しました。26年間続いた自公協力関係に終止符が打たれました。

野党に転じた公明党は、「中道改革」を掲げて新たな路線を模索。立憲民主党との協議を経て、2026年1月の新党結成に至りました。

創価学会の判断

報道によると、新党結成に前のめりだったのは、公明党の支持母体である創価学会の方でした。2023年11月に死去した池田大作名誉会長の3回忌を機に、自民党との連立解消を総括したとされています。

学会幹部は「一線を越えた決断」と語っており、組織として新たな政治選択を行ったことがうかがえます。

東京1区の候補者

中道・海江田万里氏

海江田万里氏(76歳)は元衆院副議長で、民主党政権時代には経済産業大臣や民主党代表を務めた政界のベテランです。

2024年10月の衆院選では、9人が乱立する激戦区で山田美樹氏を1,939票の僅差で破り、選挙区での勝利を収めました。今回は中道改革連合公認で出馬します。

海江田氏は選挙戦に向けて「中道という旗は右でもない左でもないど真ん中」と訴え、中道勢力の結集をアピールしています。

自民・山田美樹氏

山田美樹氏(51歳)は元環境副大臣で、自民党東京都第1選挙区支部長を務めています。

2024年の衆院選では、政治資金収支報告書への76万円の不記載が発覚し、比例代表での重複立候補が認められませんでした。選挙区で海江田氏に敗れ、落選しています。

今回は再起を期しての出馬となりますが、かつて支援を受けていた公明党・創価学会票の行方が懸念材料です。「人物本位」で選んでもらえるよう訴える方針とされています。

その他の候補

東京1区には他にも、維新の春山明日香氏(50歳、千代田区議)、共産党の黒田朝陽氏(29歳)、参政党の吉川里奈氏(38歳)らが立候補を予定しています。

公明・学会票の争奪戦

1選挙区あたりの票数

日経新聞の試算によると、公明党・創価学会の票は1選挙区あたり9,000〜25,000票程度とされています。接戦区では勝敗を左右する規模であり、各陣営にとって無視できない存在です。

かつて自公連立の下では、この票は自動的に自民党候補に上乗せされていました。しかし、連立解消と中道改革連合の結成により、票の行き先は不透明になっています。

選挙協力の変化

中道改革連合では、公明党出身者は小選挙区からの出馬を見送り、比例代表に回ります。代わりに、立憲出身の候補者が小選挙区で戦い、公明党・学会の組織票による支援を受ける構図です。

比例名簿では公明出身者が上位で処遇される見通しで、両党間でwin-winの関係を築く狙いがあります。

自民党にとっての試練

自民党にとって、公明・学会票の流出は深刻な打撃となりかねません。2024年衆院選で東京1区は1,939票差の接戦でした。学会票が中道に向かえば、山田氏は前回以上の苦戦を強いられる可能性があります。

山田氏陣営としては、「人物本位」での支持拡大と、維新や無党派層からの票の取り込みが課題となります。

中道改革連合の戦略

新党の基本姿勢

中道改革連合は綱領で「分断や対立をあおる政治から、協調と包摂の政治へと転換していく中道の考え方」を掲げています。高市政権の保守色の強い姿勢との違いを鮮明にする狙いがあります。

公明党が自民党との連立を解消した理由の一つに、高市総裁の政治姿勢への懸念がありました。対中国政策や歴史認識を巡る立場の違いが、新たな連携先の選択に影響したとされています。

比較第1党を目指す

中道改革連合は衆院選で約239人の出馬を予定しており、比較第1党を目指しています。自民党との対決姿勢を明確にし、政権交代も視野に入れた戦いを展開します。

東京1区のような都市部の接戦区を確実に取り、議席を積み上げていく戦略です。

注意点・今後の展望

学会員の投票行動は一様ではない

公明党・創価学会の組織票といっても、全員が同じ投票行動をとるわけではありません。長年の自民党との協力関係の中で、自民党支持が定着している学会員も少なくないとされています。

特に、立憲民主党の一部議員は過去に創価学会を批判する発言をしており、そうした候補への投票に抵抗を感じる学会員もいるとの指摘があります。

選挙結果の影響

東京1区の結果は、新たな政治連携の試金石として注目されます。中道改革連合が勝利すれば、立憲・公明の協力が有効であることが示されます。逆に自民党が勝てば、「高市人気」や候補者の個人票が組織票を上回った証左となります。

2月8日の投開票に向け、両陣営の票の奪い合いが激化する見通しです。

まとめ

東京1区は、中道改革連合と自民党が公明党・創価学会票を奪い合う象徴的な選挙区となっています。海江田万里氏と山田美樹氏の対決は、新たな政治地図を占う試金石です。

1選挙区あたり数万票とされる学会票の行方が、接戦区の勝敗を左右する可能性があります。かつての自公協力から、立憲・公明の新党へ。日本政治の構図が変わりつつある中での選挙戦に注目が集まります。

参考資料:

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