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by nicoxz

東京都の出生数が10年ぶり増加か?2兆円子育て支援の全貌

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はじめに

日本全体で少子化が加速するなか、東京都の出生数に変化の兆しが見えています。2025年1〜6月の都内出生数は前年同期比で0.3%増加し、通年でプラスを維持すれば2015年以来10年ぶりの増加となります。全国では出生数が前年比3.2%減少しているなかでの増加であり、注目に値する動きです。

東京都は「ブラックホール」と呼ばれるほど出生率の低い自治体でしたが、年間約2兆円という突出した子育て支援予算を投じています。この「力業」は本当に効果を上げているのでしょうか。本記事では、東京都の子育て支援策の全貌と出生数増加の背景を解説します。

東京都の出生数に何が起きているのか

2025年上半期の出生数が微増に転じた

厚生労働省の人口動態統計速報によると、2025年1〜6月の東京都内の出生数は約3万9,900人で、前年同期を0.3%上回りました。東京都の小池百合子知事はこの結果について「総合的な政策の効果」と評価しています。

特に東京都区部では減少傾向から増加に転じた点が大きな変化です。日本総合研究所の分析によれば、全国20の政令指定都市と東京都区部の出生数減少率は2.2%にとどまる一方、大都市を除く地域では3.7%と高い減少率を示しています。出生数の大都市集中が加速しているのです。

なぜ東京で出生数が増えたのか

出生数増加の背景にはいくつかの要因が指摘されています。第一に、東京都が豊かな財政力を背景に手厚い少子化対策を打ち出したことです。第二に、保育所の待機児童問題が大幅に改善されたことがあります。第三に、共働き世帯の増加に伴い、子育て環境が整った都区部を居住地に選ぶ若い世代が増えていることも要因です。

一方で、東京都の合計特殊出生率は2024年に0.96と、前年の0.99からさらに低下しました。出生数の微増は、若年人口の流入増加による影響が大きく、出生率自体の改善ではない点には注意が必要です。

年間2兆円の子育て支援策の中身

2025年度予算は過去最大の9兆円超

東京都の2025年度予算案は一般会計で9兆1,580億円と、前年度比8.3%増で4年連続の過去最大を更新しました。初めて9兆円を超える規模であり、全会計の合計は17兆8,497億円に達します。これはスウェーデン(約20兆円)やスイス(約14.7兆円)の国家予算に匹敵する規模です。

このうち子育て支援に約2兆円(1兆9,732億円)を配分しています。前年度比7.8%増であり、都の予算全体に占める割合の大きさが際立ちます。

018サポート:全児童に年6万円支給

東京都の子育て支援策の目玉のひとつが「018(ゼロイチハチ)サポート」です。都内在住の0歳から18歳までの子どもを対象に、1人あたり月額5,000円(年額6万円)を所得制限なしで支給します。2023年度に開始され、2026年度以降も継続が予定されています。

保育料無償化の拡充

2025年9月からは保育料の無償化対象が第1子にも拡大されます。対象は約8万6,000人を見込み、無償化全体の予算として763億円が計上されています。これは小池知事が2024年夏の都知事選で公約として掲げた施策です。

出産応援事業「赤ちゃんファースト」

妊娠・出産時の経済的支援として、妊婦1人あたり5万円相当、出産後は児童1人あたり10万円相当が支給されます。国の制度に都独自の上乗せを行い、総額27万円の支援を実現しています。2025年4月からは018サポートとの同時申請も可能になりました。

注意点・今後の展望

出生率の改善ではない可能性

東京都の出生数増加は、若い世代の人口流入に支えられている面が大きいです。全国から東京に若年層が集まることで出生数が増えても、全国全体の出生数は減り続けています。東京一極集中を強化する形での出生数増加は、地方の人口減少を加速させるリスクがあります。

財政の持続可能性

年間2兆円の子育て支援を可能にしているのは、好調な都税収入です。2025年度は6兆9,296億円を見込み、4年連続で過去最大を更新しています。しかし、景気後退局面に入った場合、この規模の支出を維持できるかは不透明です。

2030年がラストチャンス

国は「2030年を少子化阻止のラストチャンス」と位置づけ、3.6兆円の加速化プランを打ち出しています。東京都の取り組みが他の自治体のモデルケースとなるか、それとも財政力の格差をさらに広げるだけに終わるか、今後数年が正念場です。

まとめ

東京都の出生数が10年ぶりに増加に転じる可能性は、年間2兆円という圧倒的な財政投入の結果といえます。018サポート、保育料無償化の拡充、出産応援事業など、多角的な支援策が実施されています。ただし、出生率自体は低下が続いており、若年人口の流入に依存した増加である点は注意が必要です。少子化対策の真の効果が問われるのは、これからの数年間です。

参考資料:

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