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by nicoxz

ウクライナ・米ロ3カ国協議、侵攻後初の直接交渉

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はじめに

ウクライナとロシア、米国は2026年1月23日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでウクライナ和平案を巡る高官協議を開催しました。2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、3カ国での協議は初めてです。

約4年にわたる紛争の終結に向け、トランプ米大統領が推進する和平案について話し合われましたが、最大の焦点である領土問題では進展がありませんでした。次回協議は2月1日に予定されており、交渉は継続します。

協議の概要

史上初の3者直接交渉

今回の協議は、ロシアのウクライナ侵攻開始後、ウクライナ、ロシア、米国の3カ国が直接交渉のテーブルに着いた初めての機会となりました。トランプ大統領就任後、和平実現に向けた動きが加速しており、今回の協議はその具体的な一歩として注目されました。

協議は1月23日に始まり、24日も継続されました。

参加者

ロシアは情報機関トップらを派遣し、ウクライナは外交・安全保障分野の高官を含む交渉団を送りました。米国からはウィトコフ特使をはじめ、トランプ大統領の義理の息子であるクシュナー氏らが出席しました。

各国とも高官レベルの代表団を派遣したことで、協議の重要性が示されています。

協議の評価

双方の受け止め

ウクライナは協議を「建設的」と評価し、米国も「非常に前向き」との認識を示しました。米政府高官は、この会談が「大きな一歩」であり「多くの作業が行われた」と述べています。

しかし、最大の焦点だった領土問題では進展がなかったとされています。根本的な対立点が解消されないまま、協議は継続することになりました。

次回協議の予定

次回の協議は2026年2月1日に再びアブダビで行われる予定です。約1週間後という短い間隔での開催は、各国が和平実現に向けた意欲を持っていることを示しています。

最大の焦点:領土問題

各国の立場

協議前から最大の焦点とされていたのが領土問題です。ロシアは、ウクライナが東部ドンバス地方(ドネツク州、ルハンスク州)から撤退する必要があるとの立場を示しています。一方、ウクライナはこれを拒否しており、主権と領土の一体性の回復を求めています。

現在、ロシアは国際法上ウクライナの主権領土と認められている地域の約20%を占領しています。この占領地をどう扱うかが、和平交渉の最大の障壁となっています。

溝は埋まらず

今回の協議でも領土問題に関する両国の隔たりは埋まりませんでした。ロシアが占領地の維持を求め、ウクライナが領土回復を譲らない構図は変わっていません。

和平を実現するためには、この根本的な対立をどう解決するかが鍵となります。

協議中のロシアの攻撃

ウクライナへの大規模攻撃

協議が行われている最中に、ロシアはウクライナに対して大規模なミサイル攻撃を実施しました。ウクライナのアンドリー・シビハ外相は「アメリカ主導の和平プロセスを進めるためにアブダビで代表団が会合している最中に、プーチン氏はウクライナに対して残虐な大規模ミサイル攻撃を命じた」と批判しました。

和平協議と並行して軍事攻撃を続けるロシアの姿勢は、交渉への本気度を疑わせるものとして、ウクライナ側の不信感を強めています。

停戦の難しさ

協議中の攻撃は、停戦実現の難しさを改めて示しています。ロシアは交渉を有利に進めるため、軍事的優位を維持しようとしている可能性があります。

和平合意に至るまでには、停戦メカニズムの構築も大きな課題となるでしょう。

トランプ政権の和平構想

積極的な仲介

トランプ大統領は就任以来、ウクライナ紛争の早期終結に強い意欲を示しています。今回の3カ国協議の実現も、トランプ政権の積極的な働きかけによるものです。

トランプ大統領は第1期政権時代から、大国間の直接交渉による問題解決を好む傾向があり、今回もその姿勢が表れています。

和平案の内容

具体的な和平案の詳細は公表されていませんが、報道によると、停戦条件や安全の保証などが議論されているとされています。ウクライナは「安全の保証」について進展があったとしています。

ただし、ロシア寄りの内容になるのではないかとの懸念もウクライナ側にはあり、交渉の行方は予断を許しません。

注意点・展望

楽観できない状況

3カ国協議の実現は前進ですが、和平実現までの道のりは依然として険しい状況です。領土問題という根本的な対立が解消されない限り、最終的な合意には至らない可能性があります。

また、ロシアが協議中も軍事攻撃を続けていることは、交渉の成否に暗い影を落としています。

欧州諸国の懸念

欧州諸国の間では、米国主導の和平交渉がウクライナに不利な内容になることへの懸念もあります。EUはウクライナ支援を継続する姿勢を示しており、3カ国だけで和平の枠組みが決まることには慎重な見方もあります。

まとめ

ウクライナ・ロシア・米国の3カ国協議は、侵攻後初の直接交渉として歴史的な意義を持ちます。双方が「建設的」「前向き」と評価しつつも、領土問題という核心部分では進展がありませんでした。

2月1日の継続協議で何らかの進展があるか注目されますが、和平実現には多くの障壁が残っています。約4年に及ぶ紛争の終結に向けて、今後の交渉の行方が世界の注目を集めています。

参考資料:

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