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by nicoxz

米国防戦略、北朝鮮抑止で韓国主体へ転換の意味

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はじめに

米国防総省は2026年1月23日、第2次トランプ政権で初となる国家防衛戦略(NDS)を発表しました。この中で、北朝鮮抑止に関する米軍の関与を縮小し、韓国が主体的な役割を担う方針が示されました。

「韓国はより限定的な米国の支援のもとで北朝鮮抑止の主たる責任を担う能力がある」という記述は、長年の米韓同盟の在り方に大きな変化をもたらす可能性があります。本記事では、この方針転換の背景と影響について解説します。

国家防衛戦略の概要

トランプ政権の優先事項

今回発表された国家防衛戦略では、最優先事項として以下の3点が掲げられました。

第一に、インド太平洋地域における中国の軍事行動の抑止です。第二に、西半球を含めた「本土防衛」の強化です。第三に、同盟国・パートナー国の負担強化です。

注目すべきは、中国への対処が最重要課題とされる一方で、北朝鮮への言及が大幅に縮小されたことです。バイデン前政権下の戦略では「中国は唯一の競争相手」「ロシアは差し迫った脅威」という表現が使われていましたが、今回の戦略ではこうした表現が消えています。

北朝鮮に関する記述

北朝鮮については、「韓国はより限定的な米国の支援のもとで北朝鮮抑止の主たる責任を担う能力がある」と明記されました。第2次トランプ政権が対北朝鮮政策を公式文書で示したのはこれが初めてです。

2025年12月に発表された国家安全保障戦略(NSS)では北朝鮮への言及がなかっただけに、今回の記述は米国の対北朝鮮政策の方向性を示すものとして注目されています。

韓国への影響

防衛責任の移行

「より限定的な米国の支援」という表現は、在韓米軍の役割縮小を示唆しています。現在、約2万8,500人の米軍が韓国に駐留していますが、この規模が見直される可能性があります。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は2025年5月、米国防総省が在韓米軍4,500人のグアムなどへの移転を選択肢として検討していると報じています。在韓米軍司令官や太平洋軍司令官は「兵力削減は問題を引き起こす」「紛争に勝利する能力が低下する」と懸念を示しているとされます。

韓国への原潜容認

一方で、米国務省は韓国が原子力潜水艦を建造することを支持する姿勢を示しています。これは中国やロシア、北朝鮮という域内の脅威に対抗するため、韓国により強力な軍事アセットを持たせるという方針転換です。

韓国の防衛能力強化を支援しつつ、米軍の直接的な関与は縮小するという「責任分担」の考え方が明確になっています。

在韓米軍の今後

役割の変化

国防総省高官によると、将来の在韓米軍は北朝鮮からの防衛だけでなく、中国への抑止力としても最適化されるとしています。これは、朝鮮半島における米軍のミッションが変化する可能性を示しています。

トランプ政権はインド太平洋地域で中国の脅威への対処を最優先としており、同盟国・友好国に対中抑止への連携を呼びかけています。在韓米軍もこの文脈で再編される可能性があります。

駐留経費の問題

トランプ大統領は第1期政権時から、同盟国に駐留経費の大幅な増額を求めてきました。今回の国防戦略でも、同盟国に対してGDP比5%の国防費支出を求める方針が示されており、韓国も例外ではありません。

韓国は現在、在韓米軍の駐留経費として年間約11億ドルを負担していますが、さらなる増額を求められる可能性があります。

米朝関係の展望

トランプ大統領の姿勢

トランプ大統領は2025年1月の就任直後、北朝鮮を「核保有国」と呼び、「金正恩氏と良好な関係だった」と発言しました。FOXニュースのインタビューでも「再び接触するつもりだ」と述べ、北朝鮮との対話に意欲を示しています。

第1期政権では史上初の米朝首脳会談を実現させたトランプ大統領ですが、非核化交渉は進展しないまま終わりました。第2期政権でどのようなアプローチを取るかが注目されます。

北朝鮮の動向

北朝鮮は2025年を国防5カ年計画の「総括の年」と位置付けています。ロシアとの軍事協力を強化しており、ウクライナ紛争への派兵も行っています。

ロシアとの連携を深めた北朝鮮が、トランプ政権との交渉にどのような姿勢で臨むかは不透明です。核・ミサイル能力を既成事実化しつつ、制裁緩和を求めてくる可能性があります。

注意点・展望

日本への影響

米国が北朝鮮抑止における役割を縮小するならば、日本の安全保障にも影響が及びます。北朝鮮の弾道ミサイルは日本も射程に収めており、抑止力の低下は日本にとってもリスクとなります。

日本としては、日米韓の連携を維持しつつ、自国の防衛力強化を進める必要があるでしょう。

「米国なきアジア」への備え

専門家からは、2026年は「米国なきアジア」について考え始める年になるとの指摘も出ています。米中間でグランド・バーゲン(大国間取引)が行われる可能性も指摘されており、日本としても頭越しの米中合意を警戒する必要があります。

まとめ

第2次トランプ政権の国家防衛戦略は、北朝鮮抑止における米軍の関与縮小と、韓国の主体的役割を明確に示しました。中国への対処を最優先とする米国の戦略の中で、朝鮮半島における役割分担の見直しが進む可能性があります。

韓国は原潜建造など防衛力強化を進める一方で、在韓米軍の規模縮小や駐留経費増額の要求に対応していく必要があります。日本を含む地域の同盟国は、米国の戦略転換を踏まえた対応を求められています。

参考資料:

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