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by nicoxz

2026年衆院選、政策論争深まらず有権者の選択肢狭まる

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はじめに

2026年2月8日投開票の衆議院選挙は、解散から投開票まで16日間という戦後最短の短期決戦となります。高市早苗首相は「連立政権の信任を問う」選挙と位置づけていますが、与野党ともに消費税減税や給付など分配政策に重点を置き、安全保障政策も似通ってきています。

一方で、社会保障改革など痛みを伴うテーマは棚上げされており、有権者が政党や候補者を選ぶ際の判断材料となる政策論争が深まらない懸念があります。この記事では、与野党の政策の類似点と相違点、そして本来議論されるべき課題について解説します。

与野党が競う消費税減税

自民党の「食料品消費税ゼロ」公約

高市早苗首相は1月19日の記者会見で、食料品を2年間消費税の対象から外す考えを表明しました。これは自民党が国政選挙で消費税減税を公約にする初めてのケースとなります。

首相は「私の悲願でもある」と述べ、2025年10月の日本維新の会との連立政権合意書に盛り込まれた内容を実現する姿勢を示しました。財源については補助金や租税特別措置の見直しなどを例示していますが、年間約5兆円とされる減収分をどう賄うかは明確ではありません。

野党も消費税減税を主張

野党側も消費税減税を掲げています。立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」は、恒久的な「食料品消費税ゼロ」を基本政策に盛り込みました。与党が2年限定としているのに対し、期限を設けない恒久的な措置を訴えています。

国民民主党も消費税減税に加え、電気代に上乗せされる再エネ賦課金の廃止や社会保険料の減免を掲げています。住民税の控除枠拡大など、手取りを増やす政策を前面に押し出しています。

このように、与野党ともに消費税減税を競う構図となり、有権者にとっては「減税の程度や期間の違い」が主な選択基準となりかねない状況です。

接近する安全保障政策

防衛力強化で与野党に大きな差なし

安全保障政策についても、与野党の主張は接近しています。高市首相は防衛力の抜本的強化を重視する姿勢を示しており、日米同盟を基軸とした防衛政策を推進しています。

一方、中道改革連合も現実的な安全保障政策を志向しており、日米同盟の重要性は共有しています。かつてのような「護憲派vs改憲派」という明確な対立軸は薄れ、防衛費の具体的な規模や優先順位の違いにとどまっています。

有権者にとっての判断基準

安保政策で与野党に大きな差がないことは、一面では国民的なコンセンサスが形成されつつあることを示しています。しかし、選挙における政策選択の観点からは、有権者が明確な違いを見出しにくい状況でもあります。

棚上げされる社会保障改革

増え続ける社会保障費

本来、選挙で正面から議論されるべき課題として社会保障改革があります。国民医療費は年間47兆円に達し、年間1兆円ずつ増加しています。2040年には現在の約1.7倍にまで膨張する見込みです。

高齢化に伴い年金・医療・介護の給付を受ける高齢者が増える一方、支える側の現役世代は少子化で減り続けています。現役世代の社会保険料負担は重くなる一方であり、抜本的な改革が求められています。

各党の社会保障政策は表面的

日本維新の会は参院選公約で、医療費を年間4兆円以上削減し、現役世代の社会保険料を1人当たり年間6万円引き下げる社会保障改革を掲げました。具体策として、OTC類似薬の保険適用除外、不要な病床の削減、高齢者の医療費窓口負担引き上げなどを示しています。

しかし、こうした改革には高齢者層からの反発が予想され、選挙では「負担増」を前面に出しにくい事情があります。結果として、各党とも社会保障改革の痛みを伴う部分は曖昧にしたまま、給付増や負担減ばかりをアピールする傾向にあります。

財源論が欠落した議論

消費税減税にしても社会保険料引き下げにしても、財源をどう確保するかという議論が不十分です。専門家からは「現状で必要なのはむしろ社会保険料の引き上げであって、引き下げではない」という指摘もあります。

OECDデータによると、家計と企業の所得に占める保険料の割合は日本で18.0%と、フランス(23.8%)やドイツ(22.8%)と比べて低い水準にあります。社会保障制度の持続可能性を考えれば、負担の在り方を含めた議論が必要ですが、選挙では避けられがちです。

短期決戦がもたらす問題

政策論争が深まらない構造

今回の衆院選は16日間という短期決戦です。この短い期間で各党の政策を十分に比較検討し、有権者が熟慮した上で投票することは困難です。

また、約1年4カ月で3回目の国政選挙となることで、政党や政治家は長期的な視点を見失いがちになります。構造改革を伴う政策は有権者受けが悪いため先送りされ、目先の分配政策に傾斜する傾向が強まります。

マニフェスト選挙の形骸化

かつて導入された「マニフェスト選挙」は、政党が具体的な政策と数値目標を示し、有権者がそれを判断材料にするという趣旨でした。しかし現状では、財源の裏付けが曖昧な公約や、実現可能性の低い目標が並び、本来の機能を果たしていないとの批判があります。

有権者としてどう向き合うか

公約の実現可能性を見極める

有権者としては、各党の公約を表面的に比較するだけでなく、その実現可能性や財源の裏付けを検証することが重要です。「消費税減税」と一口に言っても、期間・対象品目・代替財源などで大きな違いがあります。

長期的な課題にも目を向ける

選挙で争点になりにくい社会保障改革や財政健全化といった課題についても、各党がどのような方針を持っているか確認することが大切です。目先の給付や減税だけでなく、将来世代への負担がどうなるかという視点も必要です。

まとめ

2026年衆院選では、与野党ともに消費税減税を競い、安保政策でも大きな差が見られません。有権者にとって政党を選ぶ明確な判断材料が乏しく、政策論争が深まらない状況です。

社会保障改革など痛みを伴うテーマは棚上げされ、分配政策ばかりが前面に出ています。有権者としては、各党の公約を表面的に比較するだけでなく、財源の裏付けや長期的な視点から政策を評価することが求められます。

参考資料:

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