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by nicoxz

食品消費税ゼロ「物価高に効果なし」56%、高市内閣支持率は67%に低下

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はじめに

日本経済新聞社とテレビ東京が2026年1月23日から25日にかけて実施した世論調査で、高市早苗内閣の支持率が67%となり、2025年12月の前回調査から8ポイント低下しました。内閣発足後初めて70%を割り込む結果となっています。

また、衆院選の争点となっている「食料品消費税ゼロ」について、物価高対策として「効果がない」と答えた人が56%に上りました。各党が掲げる消費税減税への期待と懸念が交錯する中、有権者の冷静な判断が浮き彫りになっています。

この記事では、世論調査の詳細、食品消費税ゼロ政策の課題、そして衆院選への影響について解説します。

高市内閣支持率の推移

発足後初の70%割れ

2025年10月に発足した高市内閣は、当初から高い支持率を維持してきました。発足直後から70%台を記録し、2025年12月の日経・テレビ東京調査では75%に達していました。

しかし、2026年1月の調査では67%と8ポイント低下し、内閣発足後初めて70%を下回りました。「支持しない」と答えた人は26%で、前回の18%から8ポイント上昇しています。

各社調査でも低下傾向

他の調査機関でも同様の傾向が見られます。

  • JX通信社・選挙ドットコム: 63.4%(前月比6.7ポイント減)
  • 日次世論調査「世論レーダー」: 70.4%(前週比4.0ポイント減)

JX通信社の米重克洋氏は「高市内閣が始まって以来初めて支持率が下落局面に入った可能性がある」と指摘し、その要因として通常国会冒頭での衆議院解散判断を挙げています。

依然として高水準

とはいえ、67%という支持率は歴代内閣と比較すると依然として高い水準です。発足当初の勢いは落ち着きつつあるものの、政権基盤が揺らぐ状況ではありません。

食品消費税ゼロ政策をめぐる世論

「効果なし」が過半数

今回の世論調査では、衆院選で与野党が掲げる「食料品消費税ゼロ」について、物価高対策として「効果がない」と答えた人が56%に上りました。

自民党と日本維新の会の連立与党は飲食料品の消費税を2年間ゼロにすることを公約に掲げ、立憲民主党と公明党による「中道改革連合」も恒久的なゼロを主張しています。しかし、有権者の半数以上がその効果に懐疑的であることが明らかになりました。

有権者の声

有権者の反応は期待と諦めが混在しています。

東京都豊島区の女性は「年金暮らしなのに物価は上がるし税金も高い。これでは生きていけない」「食料品の税率だけでも下げてくれればとても助かる」と期待を寄せています。

一方、東京都清瀬市の男性は「消費税率ゼロ」について「実現してくれるとは思えない」「議席を増やすためだけの言葉なら国民をだますことになる」と批判しています。

食品消費税ゼロの課題

5兆円の財源問題

食品消費税ゼロ政策の最大の課題は財源です。財務省の試算によると、軽減税率対象の飲食料品の消費税をゼロにすると、年間4.8兆円の税収減となります。

自民党が「検討を加速する」と踏み込んだ背景には高市首相の強い意向がありましたが、政府・自民党内には「実現できない」との見方が早くも広がっています。5兆円規模の財源のめどが立っていないためです。

経済効果への疑問

専門家からは、消費税減税の経済効果を疑問視する声も出ています。

日本総研は「人手不足が深刻化しインフレ傾向にある中、過度な減税は景気を過熱させ、インフレも加速させる恐れがある」と指摘しています。つまり、物価高対策であるはずの消費減税が、逆にインフレを進行させてしまうリスクがあるということです。

年金生活者への効果は限定的

大和総研のレポートによると、消費減税による物価上昇率の低下は、物価スライドを通じて公的年金支給額の改定率を引き下げる効果があります。そのため、年金生活者は消費減税による恩恵をほとんど受けない可能性があると指摘されています。

衆院選と各党の政策

自民党・維新の会(与党)

自民党と日本維新の会は、飲食料品の消費税を「2年間に限り」ゼロにすることを公約に掲げています。時限的な措置とすることで、財政への影響を抑える狙いがあります。

高市首相は記者会見で「消費税減税の検討を加速する」と表明しましたが、政府高官は「やると決まったわけではない」と慎重な姿勢を見せています。

中道改革連合(野党第一勢力)

立憲民主党と公明党が合流して誕生した「中道改革連合」は、食料品の消費税率を恒久的にゼロにすると主張しています。財源は政府系ファンドからのリターンで賄うとしていますが、実現可能性については疑問の声も出ています。

政策の実効性が争点に

27日に公示される衆院選では、食品消費税ゼロ政策の実効性が大きな争点となりそうです。単なる「票集めの公約」なのか、実現可能な政策なのか、有権者の厳しい目が注がれています。

自民党支持率との乖離

支持率に47ポイントの差

注目すべきは、高市内閣の支持率と自民党の政党支持率との間に約47ポイントもの大きな乖離が存在することです。

日次世論調査「世論レーダー」によると、高市内閣支持率が77%台だった1月第1週時点で、自民党の政党支持率は約30%にとどまっていました。「高市首相は支持するが自民党全体への信頼回復には至っていない」という傾向が明確に表れています。

衆院選への影響

この乖離は衆院選の結果を予測する上で重要な要素です。高市首相個人への支持が必ずしも自民党への投票につながるとは限らず、比例代表での議席予測を難しくしています。

今後の展望

支持率の行方

高市内閣の支持率は、今後の衆院選での政策論争や経済情勢により変動する可能性があります。食品消費税ゼロ政策の具体的な財源が示されなければ、さらなる支持率低下につながる恐れもあります。

政策の実現可能性

食品消費税ゼロを本当に実現できるのか、その財源をどう確保するのかが、衆院選後の政権運営の鍵を握ります。選挙向けの「看板政策」で終わるか、実効性のある物価高対策となるかは、選挙後の政治の動き次第です。

まとめ

高市内閣の支持率が67%に低下し、発足後初めて70%を割り込みました。依然として高い水準ではあるものの、食品消費税ゼロ政策への懐疑的な見方が広がっていることが影響している可能性があります。

「効果がない」と答えた人が56%に上る食品消費税ゼロ政策は、5兆円の財源問題や経済効果への疑問など、多くの課題を抱えています。有権者は政策の実現可能性を冷静に見極めようとしている様子がうかがえます。

衆院選では、各党が掲げる消費税政策の実効性が問われることになります。

参考資料:

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