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by nicoxz

多党化時代の衆院選2026、大連立か政界再編か識者が分析

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はじめに

2026年2月8日に投開票を迎える衆院選は、日本政治の転換点となる選挙です。26年にわたった自民党と公明党の連立が解消され、公明党は野党第1党の立憲民主党と「中道改革連合」を結成しました。

多党化が進み、政権の枠組みが変わる中で迎える今回の選挙。政治学者の中北浩爾・中央大学教授は、日本の選挙制度と社会構造の変化を背景とする重要な転換点だと分析しています。

本記事では、衆院選2026の構図と各党の動き、そして選挙後に予想される政界再編の可能性について解説します。

自公連立の解消と新たな枠組み

26年続いた連立の終焉

自民党と公明党の連立は1999年に始まり、26年にわたって日本政治の基盤となってきました。しかし2025年10月、高市早苗総裁の誕生とともに公明党は連立を離脱しました。

公明党の連立離脱の背景には、高市政権の政策路線との違いがあるとされています。高市首相が掲げる保守的な政策に対し、公明党は平和と福祉を重視する中道路線を維持することを選びました。

自民・維新の新連立

自民党は公明党に代わり、日本維新の会との連立を選択しました。維新は改革路線を掲げる政党で、これまで「第三極」として与野党両方に距離を置いてきましたが、政権与党の一角を担うことになりました。

この連立により、日本政治は「保守」色を強めることになります。高市首相の保守的な政策と維新の改革路線がどのように折り合いをつけるかが注目されています。

中道改革連合の誕生

2026年1月16日、立憲民主党と公明党の衆議院議員により「中道改革連合」が結党されました。野田佳彦代表と斉藤鉄夫代表が会談し、「より高いレベルで連携」することで合意したのです。

公明党の斉藤代表は「日本政治も右傾化が見られる中、中道勢力の結集が重要だ」と強調しています。新党は比例代表で両党の候補を同じ名簿に登載する「統一名簿」方式を採用する構想も含んでいます。

多党化時代の構図

3極対立の明確化

これまでの日本政治は「自民と非自民」「自公と非自公」という二項対立で語られることが多かったものです。しかし、2025年の参院選と連立の組み替えを経て、「保守」「中道」「リベラル」の3極対立が明確になってきました。

保守陣営は自民党と日本維新の会の与党連立、中道陣営は立憲民主党と公明党による中道改革連合、リベラル陣営は共産党やれいわ新選組などで構成されています。

多極型多党制への移行

政治学者の中北浩爾・中央大学教授は、日本が「多極型の多党制」へと移行しつつあると指摘しています。現行の小選挙区比例代表並立制は本来、「2つのブロックに分かれる多党制」を想定していましたが、その前提が崩れつつあるのです。

自公ブロックの崩壊により、「責任ある統治する主体」が不在になりつつあるという懸念もあります。有権者が政権の枠組みを直接選ぶのではなく、選挙後の連立協議で決まってしまうため、国民の意思が反映されにくい状況が進んでいます。

選挙制度の限界

中北教授は、選挙協力が不十分な連立の枠組みは持続可能性が低いと指摘しています。与党同士が小選挙区で争うとなると、衆院選が政権選択選挙になり得なくなります。

現行の選挙制度が機能していないことを踏まえ、抜本的な選挙制度改革の議論が浮上しています。比例代表を重視する制度への移行や、連用制・併用制の導入などが検討課題として挙げられています。

衆院選2026の焦点

議席獲得の行方

1月23日現在の衆院の会派別勢力は、自民会派が199人、中道会派(中道改革連合)が172人で続きます。衆院選の焦点は、自民・維新の与党が議員定数465議席の過半数である233議席以上を維持できるかどうかです。

公明票の行方

公明党の票は1選挙区あたり約2万票とされ、自民党候補にとって重要な支持基盤でした。連立解消により、自民党は小選挙区の現職のうち2割が苦戦する可能性があるとの分析もあります。

一方、公明党自身も「小選挙区で勝つ難易度は上がっている」状況です。これまでは「与党統一候補」とアピールすることで支持を集めてきましたが、野党に転じたことで戦略の見直しを迫られています。

新興政党の動向

2024年の衆院選では、れいわ新選組が議席を大幅に増加し、日本保守党が初めて議席を獲得しました。参政党など新興政党が既成政党を揺さぶる状況が続いています。

今回の選挙でも、これらの新興政党がどこまで議席を伸ばすかが注目されています。特に保守層の票が自民党と日本保守党・参政党などに分散する可能性があります。

選挙後の展望

大連立の可能性

選挙結果次第では、どの陣営も単独で過半数を確保できない「ハング・パーラメント」状態になる可能性があります。その場合、大連立の形成が模索されることになるでしょう。

自民・維新連立と中道改革連合のどちらが多数を確保するか、あるいは第三の枠組みが生まれるか、選挙後の連立協議が注目されます。

政界再編の継続

中北教授は、現在の政治状況を「政界再編モードが続く」と表現しています。今回の選挙で決着がつかなければ、さらなる政党の離合集散が起こる可能性があります。

特に、選挙結果によっては国民民主党や維新の一部が中道陣営に移る可能性も指摘されています。「保守」「中道」「リベラル」という枠組み自体が流動的なのです。

政治の安定への課題

多党化時代において、安定した政権運営をどう実現するかが課題となっています。少数与党や不安定な連立政権では、重要な政策決定が先送りされるリスクがあります。

一方で、多様な民意を反映するためには多党制も一つのあり方です。選挙制度改革も含めた議論が必要とされています。

まとめ

2026年2月8日の衆院選は、自公連立解消後初の総選挙であり、日本政治の大きな転換点となります。立憲民主党と公明党による中道改革連合の誕生、自民・維新連立の形成など、政界再編が急速に進んでいます。

中北浩爾教授が指摘するように、日本は「多極型多党制」へと移行しつつあり、現行の選挙制度の限界が露呈しています。選挙後には大連立の可能性も含め、さらなる政界再編が続く見通しです。

有権者にとっては、各党・各候補者の政策を比較検討し、自らの判断で投票先を選ぶことが重要です。選挙の結果は、今後の日本政治の方向性を大きく左右することになるでしょう。

参考資料:

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