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by nicoxz

中学受験費用300万円の実態と共働き家庭の両立戦略

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はじめに

中学受験を検討する家庭にとって、教育費の負担は避けて通れない問題です。小学4年生から6年生までの3年間で約300万円という塾代は、多くの家庭の家計に大きなインパクトを与えます。特に共働き家庭では、経済的な負担に加えて、仕事と子どもの受験サポートをどう両立させるかという時間的な課題も重なります。

「塾代は重いが、子どものサポートも必要」という葛藤を抱える共働き家庭は少なくありません。本記事では、中学受験にかかる費用の実態を詳しく解説するとともに、共働き家庭が受験を乗り切るための具体的な戦略をお伝えします。

中学受験にかかる費用の全体像

塾代の相場と学年別の推移

中学受験対策の塾費用は、学年が上がるにつれて増加していきます。多くの中学受験塾では、小学3年生の2月から本格的なカリキュラムがスタートします。

小学1年生から3年生までは、基礎学力の定着が中心となるため、月額15,000円〜25,000円程度で済むケースが多いです。しかし、本格的な受験対策が始まる4年生以降は費用が急増します。

4・5年生では月額27,000円〜40,000円、6年生になると月額36,000円〜55,000円が相場となります。授業日数も4年生の週2日から、6年生後半には週4日へと増えていきます。

文部科学省の調査によると、私立小学生の学習塾費は年間平均37万5,000円です。月平均にして約31,000円となることから、中学受験を視野に入れる場合は毎月3万円程度の予算は最低限必要と考えるべきです。

大手塾の費用比較

中学受験の大手4大塾(SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー)の3年間の費用を比較すると、SAPIXが約256万円で最も高額です。次いで早稲田アカデミーが約240万円、日能研と四谷大塚がそれに続きます。

年間費用で見ると、日能研が約111万円、早稲田アカデミーが約118万円となっています。塾によって費用に差があるため、カリキュラムの内容や通塾の利便性とあわせて検討することが重要です。

月謝以外にかかる費用

塾代は月謝だけではありません。入会金として10,000円〜30,000円が契約時に発生し、年会費がかかる塾も少なくありません。

教材費は半年で10,000円〜20,000円程度、模試やテスト代は年間約50,000円が目安です。さらに、夏期講習や冬期講習などの季節講習費用も別途必要となります。これらを合計すると、月謝の数倍の費用がかかることもあります。

受験料と入学時の費用

受験校数にもよりますが、中学受験では「7校出願、5校受験、3校合格」という言葉があるように、複数校を受験するのが一般的です。私立中学校の受験料は1校あたり約2万円〜2万5,000円のため、7校出願すると14万円〜21万円の受験料がかかります。

合格後の入学時には、東京都の私立中学で平均約103万円の初年度納付金が必要です。入学金の平均は約26万円、授業料は年間平均約51万円となっています。

総額で見る中学受験の費用

小学4年生からの3年間で約300万円

中学受験を決断し、小学4年生から塾に通い始めた場合、6年生の冬までの3年間で約250万円〜300万円の塾費用がかかります。小学1年生から通塾を始めれば、300万円を超える可能性も十分にあります。

私立中学校に入学する場合の費用総額は、4年生からの塾代と入学費用を合わせて約332万円という試算もあります。国立中学校の場合でも約276万円が目安です。

中学受験をする家庭としない家庭の差

中学受験をする家庭としない家庭では、教育費に大きな差が生まれます。ある調査によると、世帯年収800万円以上の家庭で私立中学に通う場合、小学4〜6年生の3年間にかかる費用は総額413万円に達します。これは公立小学校の補助学習費用と比較して、約13倍もの差があります。

進学後も続く学費負担

中学受験は合格がゴールではありません。私立中学校の3年間の学費は平均で約420万円〜430万円、年間に換算すると約140万円です。一方、公立中学校は3年間で約133万円程度のため、私立は公立の約3倍の費用がかかります。

私立中高一貫校に6年間通う場合、学費総額は約600万円に達することもあります。中学受験を決める際には、入学後の学費も含めた長期的な資金計画が必要です。

共働き家庭が直面する課題

時間の壁

共働き家庭で中学受験を目指す場合、最大の課題は時間の制約です。平日の勉強時間の確保が難しく、子どもの学習状況を把握する時間も不足しがちです。

親の帰宅時間が遅いため、塾の送り迎えや面談の時間調整が困難になります。また、家事や育児との両立で時間的余裕がなく、子どもの体調管理や休息時間の確保も課題となります。

親のサポート不足のリスク

共働き家庭では、子どもの学習を十分にサポートできないリスクがあります。宿題の進捗チェックや丸付け、授業に必要なものの準備など、専業主婦家庭では親がサポートできることも、共働きでは難しい場合があります。

情報収集やスケジュール管理の難しさ、食事・お弁当・送迎といった生活面の負担も、共働き家庭特有の課題です。

仕事を辞めるべきかという葛藤

年収1000万円を超える家庭でも、「タワーマンションを買って、中学受験をしたら、子ども2人目は難しい」「貯金もできない」という声があります。教育費の負担は高収入家庭でも重くのしかかります。

一方で、仕事を辞めれば収入が減り、教育費の捻出がさらに難しくなります。再就職の難しさも考えると、「辞めたいが辞められない」という葛藤を抱える家庭は少なくありません。

共働き家庭の両立戦略

塾選びのポイント

共働き家庭は、保護者の代わりに手厚くサポートしてくれる塾を選ぶことが重要です。宿題の進捗チェックや丸付けを塾で対応してもらえるか、事前に確認しましょう。

入退室時間をメールやアプリで確認できるサービスを提供している塾も増えています。共働きの親にとっては安心材料になります。

日能研が運営する「まなびわらべクラブ」のように、授業後も最長21時まで生徒を預けられ、夕食の提供もあるサービスを活用すれば、共働き家庭でも専業主婦家庭と同様の環境で受験勉強ができます。

夫婦の役割分担を明確に

中学受験のサポートを一人で抱え込むのは大変です。夫婦間で役割分担を明確にし、協力できる体制を作りましょう。

塾の送迎、宿題のチェック、願書の準備などをタスクごとに分担し、それぞれが無理なく対応できるようにします。曜日ごとに担当を決めるなど、具体的なルールを設けることが効果的です。

子どもの自立心を育てる

共働き家庭が中学受験を成功させるには、子どもの自立心が重要な鍵を握ります。学校の宿題、塾の予習、持ち物の準備など、子ども自身ができることを増やしていきましょう。

親が仕事と受験サポートを両立する姿は、子どもの向上心や時間管理スキルを成長させます。親子で同じ目標に向かって頑張る経験は、互いに励まし合い、支え合う関係を築く良い機会です。

費用を抑える工夫

塾費用を抑えるには、通信教育やオンライン塾の活用も選択肢です。通信教育は月額1万円前後で利用できることが多く、コストパフォーマンスに優れています。

オンライン授業は教室での授業に比べて低コストで提供されることが多く、交通費も不要です。子どもの学力や性格に合わせて、集団塾、個別指導塾、通信教育を組み合わせることで、費用を最適化できます。

家計全体の見直しも効果的です。お弁当持参、格安スマホへの変更、不要なサブスクリプションの解約など、細かい見直しの積み重ねが教育費の捻出につながります。

注意点・今後の展望

共働き世帯は増加傾向

現在、約72%(1177万世帯)が共働き世帯であり、その割合は年々増加しています。中学受験市場においても共働き家庭がマジョリティとなりつつあり、塾側もそうした家庭向けのサービスを拡充しています。

共働きだから中学受験ができないという時代ではありません。適切な塾選びと家族の協力体制があれば、十分に受験を乗り切ることができます。

長期的な資金計画の重要性

中学受験を決める際には、入学後の学費も含めた長期的な視点が必要です。私立中高6年間で約600万円、大学入学資金として300万円程度の貯蓄も見据えておくべきです。

児童手当をそのまま貯蓄に回せば、子どもが生まれてから約200万円を貯めることができます。早い段階から計画的に準備を進めることが、教育費貧乏を防ぐポイントです。

まとめ

中学受験にかかる費用は、小学4年生からの3年間で約300万円が目安です。月謝だけでなく、講習費用、模試代、受験料、入学金など、多岐にわたる費用を把握しておく必要があります。

共働き家庭にとって、経済的負担と時間的制約の両方をクリアすることは簡単ではありません。しかし、面倒見の良い塾を選び、夫婦で役割分担を明確にし、子どもの自立心を育てることで、両立は十分に可能です。

まずは家計の現状を把握し、中学入学後も含めた長期的な資金計画を立てることから始めましょう。その上で、わが家に合った受験スタイルを見つけていくことが、後悔のない中学受験につながります。

参考資料:

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